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あまりに有名すぎる著者であるが、初期の詩作(思索?)に触れる人は、今や少ないかも知れない。若き孤独なる精神の、「世界」との葛藤を巡る、研ぎ澄まされた「言葉」は、ある種の精神を抱える現代の若者にも充分に訴えるものであろう。
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「ちいさな群への挨拶」を収めている詩集を探しましてこれを選びました。私が持っているのはこれではないけど。難解だけど若い頃読んでおいてよかったなと思うもの。わかんなくてもわかんないからこそ何度も何度も口に出してみる。詩はそうやって味わうのが好きです。是非!
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おまえはどこにでも神様を見つけ出す。明るい陽の光も、鳥たちの歌も、おまえには神様と同じなのだ。お前はいつでも楽しさを見つけ出す。何という幸せだろう。それに比べて僕は苦しさの底やそのうとする瞬間にしか神を見出さない。何と言う不幸だろう。
はたして現在の僕の安らぎは真実の安らぎなのだろうか。僕の暗い歩みはもう過ぎ去ったのだろうか。
すべては過ぎ去った おまえの孤独を除いては すべては変わっていった 屈託のない不幸の方へ。
いためられた孤立 おかれた均衡のいただきで燃える 炎のまた炎 いつからか不安がなくなって
そこでおまへは出会ったのだ もう死ぬばかりであった 孤独な魂のひとりだ!
ぼくの思想にゆきつくはてがない。ぼくの思想にシステムはない。
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十代の時に出会っていたらなぁと思う。
背伸びしてがんばって理解しようとあがいて、わかったと勘違いし、そして十年後二十年後に、いや、まだまだ分かってなかったね、とニヤリとしたかった。
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吉本隆明初期詩集 (講談社文芸文庫)
(和書)2009年08月10日 15:15
吉本 隆明 講談社 1992年10月
「廃人の歌」の全編を読むことができて満足です。「マチウ書試論」を読んでみたい。
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ほー、難しいもん読んでるね。
喫茶店でココア片手に本書をめくっているとマスターに声をかけられた。
常連さんも反応して、あー吉本リュウメイ。有名だよね。懐かしいもんだ。とアクリル板の向こうでつぶやいた。
難しくて読めなかった。なに云ってるかわからん。と両者苦々しげに語っておられたが、わたしもようようわからない。ただ、わからないなりに、たまにピンとくる節があるから読んでいる。歳を重ねたらもっと別の読み方ができるのではとおもっている。
ちなみにリュウメイではなくタカアキ。
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17の青年の私には深く刺さる作品だった。考えることを諦めないで、一人の自立した人として生きていこうと思う。
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最後に載っている「転位のための十篇」でやっと読書となった。それまでは文章の隙間に居る暗号のような(僕の学力不足による)思想を感じるに留まった。ある一文に目が留まっても、なぜ留まってるのかはさっぱりみたいな。
「転位のための十篇」は、戦後になって失ったものがあるのにへらへらとしているのか、わたしはわたしを持って今を絶対に把握しながら生きていく、というようなつよい思想を受け取ることができた。
荒地派という言葉が読みながら浮かんだが、どれくらい関係があるのだろう。解説にはちらと荒地派についての言及もあった。
ちひさな群れへの挨拶とメモした。今改めて頁をめくったら、一行目からオッというような気持ちになった。資料室に返すまでにこの詩はもう一度読もう。