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紙の本
青春の日の埋み火を掘り返されたような、リアルな痛みを覚える作品。
2005/02/03 18:14
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投稿者:豆 - この投稿者のレビュー一覧を見る
僕は実のところ、なんちゃって室井ファンである。TVで見る限り「青森出身の素敵な女性」ってことと、歯切れの良い語り口(時々吐く毒も含めて)、潔くて腹をくくった感じが大好きってだけで作品を読んだことすらなかった。最近ひょんな事から彼女のblogを発見して読ませてもらうと、ここには僕の知らなかったもう一人の室井佑月がいた。無性に作品を読んでみたくなり手始めにこの作品を選択した。
読んでみれば、僕の10代の頃とは時代が大分隔たっているけれども、性のこと、酒、タバコ、ドラッグ、親との確執、つまらない学校生活、言い知れぬ焦燥と倦怠と突き上げる欲望の渦の中で自分を持て余していた日々がまざまざと蘇った。30年の歳月を襟首を掴んで引きずり戻される感じで一気に読んだ。筆者自らの体験が含まれるのか、それとも彼女の観察眼に写る実像かは判らないが、登場人物に向けられる目はとても寂しくて、悲しくて、そして優しくて…、読んでいて何やらヒリヒリとリアルな痛みを覚える作品だった。面白かった。次の作品が読みたくなった。
紙の本
最近めきめきと力をつけている感じの室井佑月デビュー作
2002/04/16 00:09
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投稿者:鴇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
■表題作「熱帯植物園」■ 由美は同じ名前を持つ父親の愛人と出会い、由美の部屋を訪れるようになる。放火魔で娼婦の由美と16歳で高校生の由美の奇妙な関係が描かれる。なんだかもの凄く癖のあるのある登場人物だが、その心の中にあるのは誰もが持っている気持ちだ。淋しさや、いとしさ。
室井佑月は女優やモデルなどを経て作家になった美しい人である。が、同時に姉御っ!!! という感じがするのは、彼女のエッセイを読んでもらえば分かる。小悦とはまた一味違った彼女の素顔が垣間見える。例えば「昔、アクロバティックな体位に挑戦して、股関節脱臼した」そうだ。この発言でこの人の大ファンになった。
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