紙の本
ずーむ、ずーむと心を蝕むハグルマの誘い
2003/04/22 16:23
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投稿者:花月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今までの作品では、タヌキ、クラゲ、カメ、ザリガニ、イカといった実在の生物だけど本物とは微妙にずれた概念の動物を登場させてきた北野ワールドでしたが、
このホラー文庫の作品では、特にそういった奇妙な愛すべきキャラクターは登場しません。
では、新境地開拓かと言うと、どうもそうでもないようです。
「夏の日のけだるい蒸し暑い夕方の路地裏、ふと見上げると頭上数メートルにUFOが浮かんでいる」とでも表現したくなるような不思議だけど、どこか懐かしさも感じさせる奇妙な世界から、そのノスタルジックな感覚と、投げやりだけど、どこか憎めない性格の登場人物を取り除いて、少しエロチックな味付けを加えると、実は、こんなにも禍々しい狂気の世界が現出されてしまうということに新鮮な驚きを感じました。
不条理という言葉では必ずしも表現できない感覚、まさに日常に少しずつずれが生じて、違和感が拡大していく中でいつの間にやら取り返しのつかない所まで来てしまい、避けようの無い狂気に蝕まれる感覚を少しばかり味わってみたいと思う方にはオススメです。
北野作品ではカタカナの「ハグルマ」ですが、芥川龍之介の作品にも、漢字の「歯車」という狂気をテーマにした私小説風の短編があります。
時代を超えて歯車の狂気を体験するのもまた面白い趣向かも知れません。
紙の本
著者コメント
2003/04/14 22:46
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投稿者:北野 勇作 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まあ我ながらぐちゃぐちゃにちゃにちゃした話だなあと思いますが、考えたらこれまでに書いたもののほとんどがぐちゃぐちゃにちゃにちゃしていて、それはたぶんぼくにとって小説というのはぐちゃぐちゃにちゃにちゃしたものだからなのでしょう。でも今回はそういうぐちゃぐちゃにちゃにちゃしたものを意図的に前面に出したというところもあって、そういった意味ではかなり自分に正直な作品になったような気がします。ぐちゃぐちゃにちゃにちゃ感を楽しんでいただけたら幸いです。
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ハッキリ言って読書生活史上最高に面白くなかった。どうしてこれが書籍化されたのか、作家よりもむしろ編集者を疑う。
かなり辛口だが、逆に興味をもってもらいたいと思う。この作品のどこにセールスポイントがあるのか。対象年齢はいくつなのか。ターゲット層は?私にはサッパリ分からないので誰か感想がある方は教えて欲しい。私はもう表紙を見るのさえ嫌な気分だ。お金を返せといいたい。
が、批判でここまで書ける本も珍しい。
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<きかっけ>本屋で角川ホラー小説で面白そうな本を発掘してた時に買ったものです。
<コメント>読んだのだけどほとんど記憶に残ってないっす 汗
確か、ほどほど楽しめたような…
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狂気に寄るならもう少し狂気に。現実に頼るならもう少し現実に。最初と最後の使い方は面白いんだけど、はっきりしないなぁ。
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ゲームのテストプレイを頼まれた男が
ゲームと現実が交錯していく
ドグラマグラ的狂気と書いてあったが
ドグラマグラほどではない。
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平成15.3.10 初版 590
男がテストプレイを頼まれたゲーム。それは、とてつもなく生々しくリアルなものだった。ゲーム世界に、のめり込んでいくに従い、現実との境目がどんどん曖昧になっていく男。彼の中で、何かが徐々に狂い始めていた。時を同じくして、男の妻が怪しげな会合に参加するようになる。ゲーム、謎の団体……全てに関わる『ハグルマ』とは!?『ドグラ・マグラ』的狂気の宴がここに!!
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主人公が請け負ったテストプレー
それはリアルなゲームだった
やがて現実と世界の堺目が曖昧になる
文章を読みながら
主人公の思考は
正常なのか異常なのか
どこらが堺なのか
いつからが堺なのか
探りたくなる本だ
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クソすぎてぜんぶ読めなかった。図書館でよかった。
角川ホラー文庫でファンタジーノベルやらんでほしいよ。
文体はできそこないの筒井、ステロタイプのキャラクター、小説になってない。
80年代の流行服を、まだひとまわりしてないのに母ちゃんのタンスから
むりやりひっぱり出してきて笑われながら着ている感じ。
大学の同人誌でももうちょっとマシなもん書くわ。
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多世界について書かれていた、これまたとてつもなく残酷でだけど美しい作品。
北野様は本当に頭が良い!!!
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気持ち悪いけれど、個人的には全然怖くない。独特の文体や文字配置が凝っていて、それなりの作為は感じるのだけれど……なんだかなあ。「狂気の世界」がテーマなんだけど、いまいちリアリティに欠ける、ってのが痛いのかな。「狂気」ってのは、現実感あるほうが怖いものね。
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北野勇作さんがグロいものをグロとして真っ向から描こうとするとこうなるんですね…!という戦慄の一冊。
今感想書きながら表紙画像改めて見る事になって後悔している^^;ぎゃー!こわいよーぅ…!!
北野さんの小説大好きなのですがこの本は正直なところ、読後感は気持ち悪いしモヤモヤしっぱなしだし……ヒィー、ガクブル、という、その言葉に尽きる本でした。
ここから興味を持って読んでみて、同じ気分になっても責任は持てません…。
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よくあるホラー小説だと思ったら予想よりぶっ飛んでた。
中盤のアパートでのセックス(?)の場面は狂気を感じる。
でもそこが山場だったかなぁ。