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ウォーラス、リップマン、アーレント、ダール、丸山眞男、ハイエク・・・その他現代政治学のおける大家の著作について簡単に説明し、紹介している新書です。ちなみに佐々木さんは何も仕事していないけど。
個人的には紹介者の技量で大家でつまらない奴になってしまう印象は受けました。でも、非常にわかりやすくおもろしい取り上げ方をしている人もいたので、読む価値はあると思う。
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元・東京大学学長、現・学習院大学法学部教授の佐々木毅が編者となり、14人の政治学者が15冊の現代政治学の文献を紹介する。
【構成】
執筆にあたって(佐々木毅)
ウォーラス 『政治における人間性』(杉田敦)
ウェーバー 『職業としての政治』(牧野雅彦)
ミヘルス 『政党の社会学』(氏家伸一)
リップマン 『世論』(杉田敦)
メリアム 『政治権力:その構造と技術』(飯尾潤)
ラスウェル 『権力と政治』(飯田文雄)
ハイエク 『隷従への道』(足立幸男)
アーレント 『人間の条件』(千葉眞)
モーゲンソー 『国政政治:権力と平和』(遠藤誠治)
ダール 『ポリアーキー』(宮下大志)
ローウィー 『自由主義の終焉』(大河原伸夫)
ロールズ 『正義論』(飯島昇蔵)
ハーバーマス 『後期資本主義における正統化の諸問題』(星野智)
丸山真男 『現代政治の思想と行動』(都築勉)
辻清明 『日本官僚制の研究』(西尾隆)
正直に言って、私のような頭の回転の遅い人間には本書で紹介されている文献で取り上げられている形而上の問題を十分に理解することができない。とは言え、「民主政」「民主主義」「権力」「国家」といった曖昧でありながら、今日でも日常的に使用される政治の用語の持つ意味を原理的に遡って考察する上でこのような思考方法は有益なのだろう。
現代政治学の問題意識を知るという点で勉強になる本である。
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政治学の名著について一冊につき評者一人の、15冊分が紹介されているが、ただまとめるだけではつまらなくなるので、こういう仕事にこそ書き手の能力が試されるのだと思うと、そういう書き手に対する視点という意味でも楽しめる。
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なかなか難解であった。そもそも硬派である政治学の名著を、要約を通じて理解しようという、安直な姿勢を許さない世界に案内してくれる。
原書といっても原語で読めとは申しにくいが、本書のガイドで邦訳の原典をかたわらに、併読するということくらいは、ぜひ取り組みたい。そんな思いをさせてくれる、新書ながらも重厚な内容。
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現代の政治学を学ぶにあたって欠かすことのできない重要な文献の内容紹介をおこなっている本です。とりあげられているのは、ウェーバー『職業としての政治』、ミヘルス『政党の社会学』、リップマン『世論』、ハイエク『隷従への道』、アレント『人間の条件』、ダール『ポリアーキー』、ロールズ『正義論』、ハーバーマス『後期資本主義における正当化の諸問題』、丸山眞男『現代政治の思想と行動』など、15冊です。
編者の佐々木毅には、本書のほかに『政治学の名著30』(ちくま新書)という著作もあり、こちらは単著のかたちで政治学の重要文献を紹介しています。これに対して本書は、それぞれの著作の内容とその現代的意義を、各執筆者がそれぞれの解釈を交えつつ解説をおこなっており、かいなでの紹介とはちがったおもしろさがあります。
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20世紀に書かれた本の紹介と解説。佐々木先生は編者なので、実際の解説は各々を専門とする研究者によって書かれている。
編者は「政治とはいかなるものか」の問いに答えるものとしてウェーバーの『職業としての政治』とアーレントの『人間の条件』の2冊を圧巻として評価している。が、アーレントに関しては同じ佐々木先生の類著(ちくま新書『政治学の名著30』)では『全体主義の起源』を取り上げているのが興味深い。