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2013/11/05 13:05
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投稿者:現役ママ - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白かったです。
一気に読んでしまいました。
対話形式なのが、個人的には少し読みづらかったのと、もう少し漱石に関して多く割いてほしかったので、星4つにしました。
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さほちゃんが持ってたので読みました。
高校生の時に読んでおきたかったーって思いました。
でも、読まずに死ぬことはなかったので良しとします。
いまさらだけど、映画でも文学でも、何か伝えたいことがあって創られているんだなって思いました。
そうでない作品もあるだろうけど。
クリエイトする力に脱帽。
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[ 内容 ]
夏目漱石、芥川龍之介、太宰治―誰もが知っている日本の文豪たちだが、実際に、彼らの作品を理解している人は少ないのではないだろうか?
あるいは、国語の教科書で習っただけで「知ってるつもり」になってはいないだろうか?
本書では、受験参考書の著作累計が六〇〇万部を超える、超カリスマ予備校講師・出口汪が「日本の名作を10倍面白く読む方法」を紹介する。
「こんな読み方があったのか!」と目からウロコが落ちること請け合いだ。
女子高生“あいか”との「会話」で展開する、「楽しみながら読める」スタイル。
[ 目次 ]
夏目漱石「こころ」
おさらい・3分でわかる日本文学
芥川龍之介「地獄変」
谷崎潤一郎「春琴抄」
川端康成「伊豆の踊子」
太宰治「女の決闘」
三島由紀夫「憂国」
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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学生時代、国語の時間に日本文学史の名作を学んだものの、丸暗記した著者と作品名しか知らなかったり、作品を読んでみてもなんだか理解しきれないままになっているものが多くあります。
そういった、国語の時間に少し触れた作品について、詳しく内容を紹介してくれている本。
まずは漱石の『こころ』が採り上げられます。
この作品は、読み通したとはいえ、先生やKの気持ちがよくわからないままだし、作中に取り込まれる「明治の精神」、明治天皇の崩御や乃木大将の殉職の意味もさっぱりつかめないままでした。
当時の私は、お嬢さんを巡る三角関係の醜い争いの悲劇というところばかりに目がいっていましたが、実際にはもっと深いメッセージがあったというわけです。
Kが自殺したのは、先生の心も自分の心もわかっておらず、孤独と絶望に襲われたから。
そして、彼らを隔てる襖を、Kは自殺する前に開けて、眠る先生を見つめ、襖をあけたままで命を絶ったということが文面から読みとれました。
当時は「襖の向こうに見えるKの黒い影」という描写が不気味で、あまり光景を冷静に思い浮かべてはいませんでした。
結局、人の心はうつろいやすく、自分は孤独でしかないと知ったKと先生。
それはすなわち、近代日本の人間の寂しさということなのでしょう。
さらに、乃木将軍の話も出ます。負け戦が多く、日露戦争で多くの兵を死なせた人物だというのは知っていましたが、死んだ兵の中に彼の二人の息子もいたとは知りませんでした。
学校で教わったような、クリアに把握できる物語ではありませんでした。
これは、大人になってからじっくり読み返さないと、本質をつかめない名作ですね。
また、芥川龍之介の『地獄変』も、娘を手篭めにしようとした人物が誰か、見方を変えることで、ぐっと物語の要に迫ることができることがわかりました。
『藪の中』のような、謎めいた部分も取り込まれていたわけです。
芸術至上主義と評されるこの作品には、どこか感情が欠落しているような、不条理さを感じていましたが、逆に何よりも愛憎の深さ、激しさが渦巻いていることも分かりました。
ほかに紹介された作品も、わかりやすい解説がついており、時代背景の説明もあり、すいすいと読み進められました。
このような授業をしてくれる学校があればいいのですが、中高では理解が難しすぎるし、大学になると、飛び越えて専門的な研究に入るため、作品の面白さを味わう機会が失われているのは何とも残念。
続編として、ほかの作品も採り上げてほしいと希望します。
読書力・読解力を上げられそうです。
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夏目漱石から三島由紀夫まで、時代背景や作品鑑賞の手引き的な本。文学部だと常識的な読みなのかな?
「こころ」は先生の死って、そういうことだったんだと。もういちど「こころ」を読みたくなった。時代背景がそうでも、それでも現代においても色あせない漱石ってすごいなと。
芥川も解説を読むとなるほどなと。そりゃそこまで詰めればぼんやりした不安がでるなと。
太宰はただの死にたがりじゃないんだ。
谷崎、川端、三島は興味ないので流し読みでした。
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わたしは本を読むのが好きですが、読解力がとっても浅いので、芥川の地獄変も、そんなことになってたとは思わなかったので、よくよく自分は何を読んでいたんだろう…とがっかりしました。でもこの本を読んでそういう意味だったのかーとわかることができて楽しかった。全部の本を解説してほしい。
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文学は、表現であるから、当然表現の内容というのがある。僕らは小学校で国語に教科書に触れ、言われるがままに読書感想文を書き、なんとなく文学というのに親しんだ気になっている。しかし、文学者が文章に表そうとした内容は、もっとずっと真剣で深刻で、切実なものだったのである。
文学作品は書き手の生きた時代や育ちなどを背景として初めて、その自然さや必然が理解できる。したがって、その内容を理解したいと思えば、その背景を知る必要がある。この本は明治~大正~昭和にかけて活躍した文豪が生きた時代についての解説をからめ、文学作品を理解していく内容である。
夏目漱石の「こころ」が書かれた念頭には自我と孤独についての意識があり、川端康成の「伊豆の踊子」には川端が不幸な身の上から否応なしに追わされた「孤児根性」が見え隠れしていたのだ。
このように、文学作品の読み方のを提示してくれる本は、ありがたい。もちろん読み方は数多あるだろうが、そのうちの一つを提示しれくれるだけで読み方がわかってくるような気がするのだった。
この本は確実に文学作品の切実なメッセージを解読するときの助けになると思う。
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日本の名作を女子高生との対話形式で読み解き、理解を深める作品。講義を聞いているようで、読み慣れない文体で意味がわからない箇所があっても、すぐに解説があるのでどんどん読み進めていける。夏目漱石の『こころ』に始まり、芥川の『地獄変』、谷崎の『春琴抄』、川端の『伊豆の踊子』、太宰の『女の決闘』、三島の『憂国』が紹介されている。
『伊豆の踊子』は昔読み、特に事件もなく終わったという印象しか持たなかったため、解説を聞いて腑に落ちた。他は未読が多く、全体的に痛い描写がある作品が多いのは、意図してのことだろうか。