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黙々と額に汗し機械油にまみれて働く電車整備士を主役にした小説って、今まで目にしたことがなかった。工場を舞台にした小説はいくつもあるが、油と汗の匂いが感じられるほど、電車整備の世界が圧倒的なリアリティでもって描かれている。岡崎武志氏の解説がまた好い。
私としては、直木賞をあげたいぐらい。
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作者は元京急電鉄勤務ということで電車の保守作業を担う縁の下の力持ちである男たちを描いた小説。いつもニコニコして不思議に人を引き付ける保守作業下請会社社長の三郎、元電鉄マンで電車の保守なら何でも任せとけという徹底的に無口な赤城、そして他のわき役達と何とも味のあり、かつ電車が好きで好きでたまらない男の職場が舞台。文庫の表紙からテッチャン系の軽い話しと思いきや堂々たる大河小説とも評価される良い小説だ。赤城が出てくる度に「男は黙って」の高倉健を彷彿させる。
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「電車屋赤城」山田深夜著、角川文庫刊。個人的に、過去読んだ著者の作品の中で、傑出の作!”◯◯屋”と呼ばれる者達の矜持。不器用でも芯を撃つ思いやり。そしてブルース。...やっぱ泣いた。
ちなみに、電車、こと電路の知識に詳しくなります(笑)。
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惚れた…。寡黙でニヒルで謎多き職人・赤城に惚れないやつはいない!、絶対。
「ザ・職人」今の日本を作り上げてきたのはこういう男たちなのだろう。
明るい未来の見えにく今だからこそ、読まれるべき一冊。
「アカギィー!カムバーーーック!!」
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VVVFが出たとき、新しい技術の躍進に心がはずんだものでした。でも、その波に廃車に追いやられていく車両もあり、台車の下で働く技術屋の、本当に鉄道を愛する思いが伝わりました。感動しました。
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「電車屋」という言葉がすべてを表しています。
そこに仕事に対する愛情と誇りがあります。
職種はなんであれ、要領よく生きることができない、黙々と誠実に仕事をこなす男達の話、といってもいいでしょう。
解説の岡崎武志さんは「男の美学」と書かれていて、なるほどそのとおりだと思いました。
いつもは隠れている裏方さんをこうした形で知ることができるのも小説の楽しみです。
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電車の整備に誇りを持って仕事をしている男の物語。
廃車となっていく古い型の車両と、昔気質の古い人間とが重なってところどころ目頭が熱くなりました。良かったです。
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引きこもりの青年が出会った、油まみれの武骨な電車整備士と周囲のできごとの話。
途中、うるんだ部分もあった。
基本、不器用な人ばかりで、そこがまた面白いのかも。
独身中年の不器用だけど、軸があって、人思いな人とかが
描かれてたり
下請けと親会社
内の世界(ひきこもり)と外の世界
古いものと新しいもの
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とある私鉄の武骨で凄腕のベテラン整備士と、それを取り巻く人々の物語。
超骨太なお仕事小説、とゆう趣が。
最初の章の青年が主人公かと思いきや、次々リレーしていく語り手のひとりだったのですね。
みんな赤城が好きなのだなあ。
クライマックス(事故のところ)が、なんかバタバタと展開してもったいなかった気が。
もうちょっとページを費やしてほしかったデス。
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男子はみんな鉄道好き。っていう前提(仮定)に立たなくても、男子にも恐らく女子にも受ける作品です。
高倉健さんみたいに無口で責任感ありそうな人を中心に、その人に惚れ込む若い女子も、周りで支える大の大人も、師匠と慕う若い人も、全部揃っている神奈電っていう架空の電車会社の物語です。
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ずっとTSUTAYAの文庫コーナーで平積みされていたので、気になってはいたけれど手に撮ることは無かったものです。立読みしたら、惹きつけられるものがあったので、購入して読むことに。
舞台は神奈川を走る電鉄会社。よんていると京浜急行と思われる記述がたくさん。主人公のめせんではなしが進まず、周りの人のじんせいから主人公が浮かび上がるこうせいになっていて、それがまた魅力的。電車好きにも満足できる記述が多いのは、元電鉄マンだからでしょう。
良い小説だと思います。
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電車の整備士の小説。プロというか、熟練者、昔ながらの職人さん!プロと呼べる人が少なくなってきている中で、久々に本物に出合った感がしました。それと人と人の人情あふれるつながり、ホントいいですね。
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引きこもりの青年が出会った無口で人付き合いが悪い電車整備士「赤城」。消えゆく旧型車両を愛する「電車屋」達を通して、誇りと意地を描く。
命を預かる車両整備に人生をかけて向き合う愚直な男たち。20年京急の電車の整備に携わったからこそ描ける感動の物語。
文章は多少拙い?し、出だしは引きこもりの更生物語か、テッチャン向けの本かと思いきや、「赤城」の不器用に人々の人生にさりげなく関っていく姿が心に浸みわたっていく。★5
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ひとりの電車工員を軸に、電車整備に関わる人々の夢・人生を垣間見れる物語。時代の波に飲まれ翻弄される人々の熱い生き様に、胸が熱くなりました。
正直自分は電車が嫌いであまり乗らないようにしているのですが、いつも定刻どおりに運行し、事故の無いようにしっかり整備している人々の想いや気概を感じて、電車の乗ること・見ることを改めて考えようと思いました。
と同時に、物語に出てくるような気骨のある職人・社会人・大人として自分の行く末を考えたいとも思いました。
今だけでなく、未来についても考えなければ・・・と想わずにはいられない、自分の背中を見つめなおさせる物語でした。
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まぁまぁ面白かったよ。
最初のイメージに反して、赤城さん、かっこよすぎゃろ、と思いつつ。
ただ、ちょっと構成が分かりにくかった気もするけど。
特に純一周り。
電車の裏側の世界を見たのは初めてだったので、興味深かった。世の中、まだまだ知らないことが多い。
ただの消費者側から見れば、あぁ、また電車が変わった。
それぐらいでしかないものも、そりゃ、確かに、関わっている人からしたら、大きなドラマがあり得ますよね。
今回は出てきていないけれど、新製品開発者の視点も含めて。
そんなことをふと思った小説。
とりあえず、牡丹のおかみ、やるね。