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熊谷十郎左 「獺眠りの十郎左」普段は昼寝してばかりの主人公やるときはやるという渋いキャラ(福島正則城下)
西品寺しび介 剣で針を割ることを生涯の目標とした農民の話(池田光政城下)
足軽槍一筋 家の再興のため諸国を旅する兄妹
藤次郎の恋 剣術道場での三角関係
聞き違い ということにして憎い敵を討った話(水戸光圀城下)
新女峡祝言 本家の伯父とケンカしながら治水工事をやろうとする主人公、旅行にきた友と三角関係に
立春なみだ橋 ヤクザな主人公、親子ごっこ
豪傑ばやり 戦国の余風で豪傑を召し抱えるのが流行った大名家、への風刺
生きている源八 どんなに激しい戦でも必ず生きて帰った主人公(酒井忠次の旗下)
虎を恐るる武士 伊達政宗と名笛をめぐって知恵くらべ
驢馬ならし 小舟の「ボヴァリイ夫人」をうまく漕ぐ話
戯曲破られた画像 仮面夫婦の話
すべて戦前に書かれた物。力強くほろりとさせられる話ばかり。
「軍国主義に踊らされ、出世栄達、手柄功名をよしとする当時の世潮への、否定的見解がこめられている」
「あのころの小説家はたいてい一冊や二冊の戯曲集を出版したもんです。ところが山本だけは頑として出さなかった」戯曲表現には多くの製薬が伴う(解説より)
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短い文章の中に、人間の生き様を描いた作品。
その中でも、お気に入りなのが三つ。
・足軽槍一筋:足軽がその力量を認められない事に対してもがく話
・藤次郎の恋:大人しい藤次郎、美人の小波、美男だが酒癖の悪い数馬の三角関係
・生きている源八:部下を失いながらも目的を達成する源八郎を描く話(酒井忠次の旗下)
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非常によかった。
長編小説が好きで あまり短編集は読まないのですが、これは読んでよかったです。短編という短いかたちだからこそ、ことばのひとつひとつが光ってる。そしてストーリー展開の見事さを感じました。これに入ってるどの短編作品もよかった。心にゆっくり染み込んでくと思ったら、読後の清々しさと言うのか、清廉な衝撃にハッとさせられる。特に好きだったのは「籐次郎の恋」。
武家モノ苦手な人にも 最初はガマンしてもらいつつ、騙されたと思って読んで欲しい(・ω・)
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読後感がさわやかな短編集。「生きている源八」戦争の形勢が不利になり、統制が厳しかったと思しき時の微妙な作品。12.10.27
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秀作多し。
新女峡祝言
立春なみだ橋
豪傑ばやり
いきている源八
虎を怖るる武士
特に後半はどれも良かった。
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短編集。山本周五郎とか池波正太郎はいちいちレビュー書くのも無粋な気もしますよね。読めば面白い、それだけでいいのかも。
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1944年、1億玉砕が叫ばれてた太平洋戦争末期に書かれた小説。
そういう歴史背景を感じて読むと、より胸にくるものがある。
印象に残ったのは、味方を欺くシーン。主人公の源八郎も織田信長も。
賢く、真っ直ぐに。
そんな事を学びました。
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山本周五郎氏の初期の短編集12篇です。表題作の『生きている源八』をはじめ『虎を恐るる武士』『豪傑ばやり』『足軽槍一筋』などは、武道家として慎ましく謙虚に日々を過ごすなか、ここぞという場面で真価を発揮し忠義の証しを立てるという、読む者を爽快な気分にさせる時代小説です。身分の上下をこえた人情味ゆたかな風情と情愛あふれる物語の展開に、拍手喝采を贈りたくなる逸品揃いです。