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梁石日は4冊目だけど今までで一番軽く読めた(内容は重いけれど)…のは電子書籍で読んだからか。済州島の歴史の一端が垣間見えた。春玉が大阪に渡ってどうなったのかが気になる。「血と骨」に続く感じでしょうか。再度読み返してみようと思う。
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図書館にて借りました。
いったいいつの時代?!と、云いたくなるようなお話。
でも、本当にあったのだ。
結婚相手は勝手に決まっていて、「夫」と云うだけで崇められる。
そこには人権や個人なんてものは少しも無い、存在しない。
まあ、少しは国民性もあるんだろうけど、作中に出てくる日本人の浅ましさには心底恥ずかしい。
この頃はまだ「支配する側」だったからなんだな。
主人公・春玉はまさに「革命」を起こそうと立ち上がったヒロインだと思う。
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図書館で裏表紙のあらすじを読んでおもしろそう、と思ったのですが、家に帰って一気読み。嫁ぎ先でのひどすぎる仕打ち。直球の恋愛。
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韓国に戻るのも地獄
日本に行っても果たして幸せが待つてるとも思えない
日本統治下における苦難に満ちた韓国女性の生きざま
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済州島で暮らす下級両班(富裕層)の18歳の春玉は親が決めた結婚に不安を抱いていた。それは夫となる男がまだ10歳の少年だったからだ。
両班の男性の冠礼式(成人式)は年々早まる傾向にあった。それは出世の階段を一日でも早く登らせるために、一日でも早く成人としての儀式を執り行うというためだったが、結果、肉体的にも精神的にもまだ幼い少年に嫁を迎えるという奇妙な習慣になった。
不安を抱きながら嫁いだ春玉に姑はつらく当たり、賄い婦のように見下す。頼りの夫は乳離れ出来ていない少年というだけでなく、母にべったりのマザコン。春玉には居場所がなかった…
その頃、済州島は日韓併合により日本の管轄下に置かれていた。先祖代々の土地は、次々に日本の土地制度により整理、収奪され、日本軍に取り入った両班だけが土地の管理を委託されるという体制に移行されていた。
没落する両班や、ますます生活が苦しくなる小作人たち。そしてとうとうその怒りが爆発する…
日本の支配下で、傲慢な日本兵とそれに協力する卑屈な韓国人、そして彼らに抑圧される韓国の人たちの鬱々とした日常が綴られていて、興味深かった。
どこかの解説で、この物語は著者の母がモデルとなっていると読んだ気がするのだが、その出典が見つからない。記憶違いかもしれないが、春玉が『血と骨』へ繋がる苦難の女性だと思うと、わずかばかりの希望がみえたラストが、皮肉でしかないことに気づく。
この物語は在日朝鮮人が歩む悲劇の序章だ。