紙の本
武田邦彦氏の凄さ
2018/09/24 08:50
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投稿者:絶望詩人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
武田邦彦氏と言えば、環境に関する著書が多いけど、
この本には、経済に関することが書かれてある。
武田氏の博識に驚くと思う。
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郵便局などで販売されている個人向け国債は購入していませんが、銀行などの金融機関はわれわれの定期預金等を運用するために国債を購入していると聞いています。CO2やリサイクル問題で著作を読んでいた武田氏が「国債は買ってはいけない」という本を書かれていたことに最近気づいたので読んでみました。
彼の論旨によれば、国債よりも株に投資すべしということです、自分や子供に投資するよりも確実という点には疑問がありますが、結果としてお金の大きさだけで判断するのであればそうかもしれません。
日本が将来的に発展することを見越して日経平均を買うべきというのが彼の結論のようなので、日経平均連動の投資信託の今後の動向に注意してみたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・国債を買ったら損になるというのは、お金の本質(「貯めれば減る」「使う人が得をする」「手数料で儲ける人がいる」「かなり儲かる仕事に使わないと減る」)から見れば当然(p36)
・イギリスと貿易したインドは、「香料をイギリスに運び、その代金のポンドをイギリスに運んだ」、イギリスは、「香料を買い、その代金はもどってくるのでそれを使った」(p44)
・ギャンブルの条件とは、1)勝ち負けは判断でなく「運」、2)多くの人は負けるが、少数は勝つ、3)場を提供する人が儲かり、客は損をする、である(p54)
・日本競馬においては、重賞レースやクラシックレース、日本ダービーに代表されるようなハンディキャップのない実力勝負のレースもあり(p54)
・血の通った物価には、1)時代とともに同じものの値段が代わる(年率10%程度)、2)時代とともに生活がかわる、3)人間は年相応の生活がしたいという条件を含むべき(p67)
・原油価格が上がると物価が上がる、その理由は、自然の恵みを、労力(人)、道具(鉄)、エネルギー(石油)で育てて製品にするから(p76)
・去年のお金と今年のお金は区別ができないので、年々少しずつお金の価値を下げるようにすると、実質的にサービスと値段がおなじになる(p82)
・国民年金制度ができた1961年の月々の支払は100円、初任給が1万円の時代であるので、今の価値にすると月:2000円(p112)
・若い頃の20年間の積立はほとんど無になる、その理由は「血の通わない物価スライド:4.3%」と「人に優しい物価スライド:10%」に差があるから、40年間で8倍異なる(5.4倍と45倍のため)(p115)
・積立というのは「足し算、引き算」で決まるが、時代とともに変わるお金の価値は「比」で決まる(p117)
・積立型年金の矛盾の理由は、積み立てた人が得をするのではなく、積み立てたお金を使う人が得をするため(p118)
・成長の限界(メドウズ博士)の論文で言われていることは、石油がなくなるから困るのではなく、石油のような資源が無限にあると生産量があがり、環境は破壊されて人類が危ないと言っている(p132)
・国民が貯めた1400兆円のうち、4���0兆円はアメリカが消費済、政府は600兆円使ったが今はない、返される可能性のあるのは民間に渡った350兆円のみ(p145)
・今の巨大会社が成功したのは、戦争で当時の巨大会社が一気になくなったから(p169)
・高卒の生涯賃金は1.7億円、大卒は2.2億円、その差は5000万円、その間の教育投資を1000万程度とすると良い投資である(p199)
・株に投資するとは、1)自分が歳をとらない、2)自分がいつも元気、3)子供は必ず立派になる、という前提をおくということ(p203)
・アドバイスを専門にやっているところの話を聞くのがよい、売買手数料はとらずに、アドバイス料のみをとるのが良い(p212)
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具体例のなかにマクロ経済とミクロ経済、主体と客体をごっちゃに説明したものが多いので、それこそ「この本に騙されてはいけない!」って思っちゃった。
タイトルの例で言えば、確かに国債はその仕組みからして、買って大儲けできる商品じゃないし、国債を発行すること自体が国の借金を増やすことになるので、結果的に国民全体にはマイナスかもしれない。
だけど、個人的に国債を買っても買わなくても、その利子のために税金が投入される理屈は同じなので、だったら買って少しでも利子を得たほうが買わないよりは個人の利益としてはマシとも言えるのに、その部分については「自分さえ良ければ他人はどうなってもいいという精神で良くない」って言われてもねぇ…。
「誰でも儲かるお金の話」ってサブタイトルで個人経済についてのアドバイスちっくなフリをしているけど、実際は国会議員や地方議員相手に、もしくは国や地方公共団体の予算委員会とかでお話したら?って内容が多かったです。
別視点からの経済を知るきっかけにはなるかもしれないけれど、この手の本には要注意だなぁ…。
初心者向けっぽい本なのに、これはどうなの?
なんだか良い気分がしなかった本だよ。
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武田邦彦の近著は文章が酷い。たぶんブログ記事を出版社が編集しているだけなのだろう。わかりやすさを強調して内容が劣る結果となっている。それでも「必読書」に入れたのは経済のインチキ手法を見事に明かしているためだ。
https://sessendo.blogspot.jp/2017/11/blog-post_21.html