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団体をまわす側の人間として読むと非常に参考になる。
ライバル会社さえ知っているトヨタ式。
それを実例を交えつつ読み解くのが本書である。
今まで「モノづくりはヒトづくり」など多く言われてきたが、どうやら誤解していたようだ。
私自身が捉えていたのは「モノづくりから学ぶことは多く、そこからヒトが育つ」というもの。
実際それもあろう。多くのイベントでロボット作りを活き活きと楽しむ子供たちを見れば一目瞭然。
自分でもモノ創りに没頭し、仲間と共有し、その大切さは肌で感じてきた。
だがこの解釈は「モノづくりはヒトづくり」の言葉の一面に過ぎない。
ここでの重要な解釈とは
「まずヒトを組織内で『つくら』ないと、満足のいくモノはつくれない」ということである。
ルールも志も無く、めちゃくちゃにモノを作っても売れはしないのだ。
本書ではいかに「ヒトをつくるか」をエッセンスとして抽出してある。
人間を感情を持つ動物として捉えつつも、それを包括して育てる手法はトヨタならでは。
「言い訳をする頭で実行することを考えよ」という言葉にそれが集約される。
不況の今、「ピンチをチャンス」として捉えるトヨタはどう「トヨタ式」で乗り切るのか。
武勇伝が楽しみである。