紙の本
妄想から構想へ
2019/08/04 11:52
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投稿者:だい - この投稿者のレビュー一覧を見る
■「ものづくり」から「しくみづくり」へ
「もの」のイノベーションが差別化につながらない領域において、ビジネスモデルのイノベーションが唯一の成長戦略になる
革新的な「しくみ」を顧客ニーズに先行して開発・提供した企業は圧倒的な優位性を確立して利益を獲得し続けられる
■しくみの起点は顧客
顧客は商品を買うのではなく、その商品がもたらすベネフィットを購入する
マーケティング・ドリブン・ビジネス・デザイン(MDBD)
最終顧客の理解によってイノベーションを生み出し、その上市に最適化するために事業体制を再構築し、高い収益を上げること
マーケティング・ドリブン=顧客志向で発想すること
ビジネス・デザイン=ビジネスの要素を柔軟に構築すること
■TPMサイクル
T ターゲティング 顧客を正しく理解する
企業が提供しているサービスが、本質的に顧客のニーズに応えているわけではないことが多い
アブダクションによる仮説形成
・示唆的(洞察的)段階 最初に色々な仮説を思いつく
・熟考的段階 仮説を検討し、選定するために熟考する
ビッグデータ
未来を予測するのではなく、未来を描き出すための資源として活用する
エスノグラフィ
手法にとらわれず生活者を観察し、その理解をイノベーションの原動力とする
P ポジショニング しくみのデザイン
成熟化・複雑化した社会での「需要」は、機能以上の価値が求められる
顧客を満足させる製品やサービスを提供できなければ意味はない
プラットフォーム・モデル
顧客需要を先行して読み解き、製品・サービスの提供者に対するFBを行い、相互協力で新たな価値(協創)を可能にするもの
多様性の活用
異なる人材やリソースの組み合わせにより創造的に課題が解決される
そのプロセスをイメージしながらビジネスを構築させていくデザイン力が求められる
M メイキング 実践を通じて学習する
製品やサービスの完成の前に顧客に開発や製造プロセスに参加してもらい、共学習・共信化することで、より良い製品へと双方の期待と現実を収束させるためのシステムを構築すべき→「ベータ版」
より柔軟に顧客と企業との関係を維持すること、顧客との対話を通じて初めて「市場」は構築され姿を現す
デジタル・ファブリケーション
アトム(物質)とビット(情報)の新たな結び付け方や新たな関係の作り方にこそ価値がある
■「しくみづくり」を可能にする組織
多様性とオープン・イノベーション、フィーチャーセンターの活用
未知の知的資本を生み出すためのしくみとして「創造的な発想を行う場」として考え出された
目的は、困難な課題の解決であり、できる限り異なる視点を用意する場となり、そこでの対話が当事者の気づきの機会を高める
内外から多様な人材集める時には、想定できうるものを投入する総力戦的な発想が大切で、必要となるリソース・知見を周囲から柔軟に調達することを重要視すべき
■マーケティング発想で変えるビジネス
3つの越境
・物理的越境 国・地域・移動時間短縮
・組織的越境 産業・企業の境目が曖昧
・技能的越境 ITや生活者と消費者の境目
マーケティング3.0
人間と社会との関わり方への価値の訴求
最終製品に顧客が何を求めているかを川上の事業者も忘れてはいけない
ステークホルダー全体を仕組みとして捉え、共通の顧客情報を共有する試みが必要
顧客との対話を通じた学習で時代の変化に応じてビジネスを作り直す、ビジネスデザイナー発想・役割が重要になってきている
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イノベーションの実践手法を、MDBD(マーケティング・ドリブン・ビジネス・デザイン)という方法論で実践すること=しくみづくりイノベーション、と定義する本。
本書の一番の価値というか面白さは、現在重要視されているビジネストレンドや方法論などが、"イノベーションを実践する"というプロセスの中で、それぞれ関連しあっていて、どんな前後関係にあるのかを発見できること。そして、各論の話だけだと、実際のビジネスシーンで必要な全体を俯瞰することがしづらくなるのを、回避してくれる。
登場するビジネストレンドは、アブダクションによる推論、ビッグデータ、インフォグラフィック、エスノグラフィー、オープン・イノベーション、ネットワーク理論、ビジネス・エコシステム、リーン・スタートアップ、デジタル・ファブリケーション、プロトタイピングなどなど。
1から7章構成のこの本、1、2章は、ある程度既視感のある話が多くこの手の本を多く読んでいる人は読まなくてもいいが、MDBDの各論に入る3~5章、実践するためのマネジメントに関しての記述の6章が面白い。
すごくバランスのいい本であるが、それぞれの詳細を実践するには、それぞれのテーマの本を読むなり、知識の専門性を深めつつ実践を行うことが必要なのだと思う。
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MDBD(Market Driven Bussiness Design)
事業開発の方法論
Targeting,Positioning,Makingの3ステップに分割
定量的な方法の問題点に着目
アブダクション(abduction)、説明仮説
-> 弁証法との関連
エスノグラフィー、フィールドワーク
->KJ法
思想としてのベータ版
ディジタル・ファブリケーション
ビジネスパラダイムの変換
-> ドラッカー
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旧外資系コンサルの方法に、いま取り入れつつあるデザイン思考の方法をブレンドした現在進行形の方法論という感じ。タルコット・パーソンズとかチャールズ・パースとか出てくるあたり、他のビジネス書と一線を画する感じ。さすが森祐治さん。セミナー二時間分くらいの内容?
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「顧客を起点にビジネスをデザインする」
まさにここ数年私が注目している分野。マーケチングの雄である電通のコンサルティング部門ならではのメッセージに期待して読んだが...
なんだろうこの納得感のなさ。まずほとんどすべての内容は既知のもので、真新しい話が全くない。
頭のいい、勉強家の方が世界中の資料や文献を読みあさって勉強したことをのべつまくなし記述した、自分の勉強の成果をまとめたものを出版してしまった感。
ここまで言ってしまうのは申し訳ないので価値があった場所だけ。それは第1章。「継続的な優位性を獲得するためにはしくみにおける優位性をつくること。これが今求められているイノベーションである。」
つまり革新的な製品をつくるだけでなく、その製品を活かせる世の中を巻き込んだ「しくみ」が必要。
それと使えるのが巻末にある参考文献一覧。さすがによく勉強をしていらっしゃるので使える本が満載。
マーケティングやイノベーションを始めて読む方は、本書を読飛ばしながら巻末の書籍をチェックして、それを深めていることをお勧めします。
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最近よく感じることが
簡単にはものが売れなくなった
ということです。
そんな時代に必要なのが、顧客のニーズをくみ取って、
それを満たす「しくみ」を実現させること。
本日ご紹介する本は、
「しくみ」でイノベーションをおこす
方法論を提示した1冊。
従来のイノベーションは
今までにない新しいものを作り出すことでしたが、
新しい「しくみ」を作り出すことで
イノベーションを起こすこともできます。
ポイントは
「理解」
昔はお客さんが欲しいと言ったものを
作れば売れました。
今は、本当に何が欲しいのかもわからず
欲しいものが解っても、難し過ぎて
すぐに作れないといった感じです。
先回りしてお客さんが欲しい商品を作るには、
本質的にお客さんを理解すること。
「お客さんの業務上の課題」という視点から
理解することが重要です。
「かたちにする」
お客さんもほしいものがわからない現状では、
まずかたちにして提示し、需要を促す必要があります。
”実際にものを見せる”ということが無くては
先に進まないと最近つくづく思います。
「ベータ版」
完全版にこだわらず、まず作ってみることだと思います。
試作品やデモ版を作り、それをお客さんにみてもらうことから
本当の物作りが始まります。
「共同」
お客さんが意識していないニーズを対話によって導き出すには
お客さんと一緒にプロジェクトを進めることが重要です。
お客さんと一緒に進めることなしに、
自分や、自分の周りだけの狭い考えでは、
新しい価値を作り出すことは難しいと思いました。
ぜひ、読んでみてください。
◆本から得た気づき◆
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優れた商品を優れたプロセスで開発、製造しても、コモディティ化すれば、利益に結びつかなくなる
先回りして顧客が欲しくなる商品を作るには、本質的に顧客を理解すること
「顧客の業務上の課題」という、より大きな視点から顧客を理解すること
顧客と企業が接し、その相互作用によって新たな価値はつくりだされる
まずは、顧客提供価値の実現を短期に行うことに重点を置くべき
すばやく小さくはじめ、必要に応じて規模の拡大をする
プロジェクトそのものを一種の社内MBAとして位置づけ、トレーニングセンターと見なす
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◆目次◆
第1章 「ものづくり」から「しくみづくり」の時代へ
第2章 しくみの起点は顧客である
第3章 ステップ1:ターゲティング--顧客を正しく理解する
第4章 ステップ2:ポジショニング??しくみのデザイン
第5章 ステップ3:メイキング??実践を通じて学習する
第6章 しくみづくりを可能にする組織
第7章 マーケティング発想で変えるビ��ネスのあり方
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◆マインドマップ◆
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