紙の本
恋愛小説を読むような、苦しい気持ちになりました
2014/11/13 00:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:伊坂幸太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
共作作家の岡嶋二人がどのように生まれ、どのように作家になり、どのように仕事を進めていたのかが(井上夢人さんの視点から)書かれているのですが、これがまた、小説のようにドラマチックです。二人がコンビを組み、江戸川乱歩賞に挑戦し、受賞するまでのわくわく感は、それこそ、人気漫画『バクマン。』のようでありますし(思えば、あちらもコンビでした)、デビュー以降の大変な日々、井上さんと徳山さんとの関係がうまくいかなくなっていく様子は、とても切なくて恋愛小説を読むような、苦しい気持ちになりました。
【『honto+ vol.8』掲載】
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「岡嶋二人」として、数々のミステリーをモノにした著者。「岡嶋二人」は著者ともう1人の合作ペンネームであった。この本は合作の始まりから、コンビの解消までを綴ったエッセイ。好きなのに上手くいかない・・・。男性同士ではあるけれど、それはまるで恋愛であるかのように切ない。伝えたいことが上手く伝わらないもどかしさ。何度読んでも、ちょっとだけ寂しい気持ちになってしまう。
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二人ってうまくいかないんだなぁ。もう一人の弁明も聞きたかったけど・・・。元夫に対する愛が感じられなかったのは残念。夫婦もうまくいかないのが当たり前・・・ってこと?
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岡嶋二人のファンなら誰しも興味があるであろう、二人がどのようにして出会ったのか、どのように創作していたのか、など、もう岡嶋二人のすべてが載っている本です。もう必見です!でも残念ながら絶版なんですよね。いや、是非古本で見つけてください。
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井上夢人さんと徳山諒一さんがコンビでやっていた、「岡嶋二人」というミステリー作家の誕生から消滅までが、包み隠さず描かれている。コンビという特殊性より、全くの素人から芥川賞を受賞するまでの苦悩・成長の過程がリアルに書かれていて、とても興味深い。電車で正面の人の顔をスケッチするとか、短編小説を分解して分析する等、努力で作家になるヒントがいっぱい。大先生の「文章〜」「小説家になるには」みたいなのより全然おもしろい。小説家を目指す人にオススメ。
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大好きな「岡嶋二人」さんのエッセイ。
二人で1つのPNで活動していたのですが今は解散してしまいました。その二人の様々なエピソードが描かれています。ファン必見の1冊。
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2人が出会って多くの傑作ミステリーが生まれた。そして18年後、2人は別れた――。大人気作家・岡嶋二人がどのようにして誕生し、28冊の本を世に出していったのか。エピソードもふんだんに盛り込んで、徳さんと著者の喜びから苦悩までを丹念に描いた、渾身の自伝的エッセイ
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岡島二人はおかしな二人です。
片方の井上夢人さんの書かれた 内訳話。
話の作り方から書いてあるので 小説家を目指す人が読めば すごく勉強になると思います、
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これって、よく考えるとすごい本なんじゃないかって思う。
あたし個人でいうと、井上夢人さんの小説から入った。
最初は、メドゥーサ、鏡をごらん、だったかな?
パワーオフ、オルファクトグラム、もつれっぱなし、あくむ、風が吹いたら桶屋がもうかる、
ダレカガナカニイル、プラスティック・・と続けて、かなり気に入っていた。
並行して、基本的に賞をとる作品群にも惹かれていたので、岡嶋二人の名前も知っていた。
ただ、競馬とかボクシングとかが好きでなかったのと、なんかタイトルがもっさい(失礼)ので、
古くさい感じがして読んでもいなかった。
でも、たまたまクラインの壷がちょっと面白かったので99%の誘拐を読み、ちょっとamazon先生に伺った所、
なんと、なーんと、井上夢人さんと徳山諄一さんとの共同執筆じゃないですか!
で、最近たまたま手にしたこの本。分厚いし、ほれ、岡嶋二人はあまりすきじゃないし・・
って思って立ち読みモードではじめたら、止まんない。
これ、よっぽどそのへんのレンアイ小説よりもレンアイだ。
出会って、気があって、蜜月期で、倦怠期で、なんとかしようと努力して、ついに、わかれる。
細かいことのすれ違い。
大きな違いならばパーソナリティーの違いであると割り切れることも、
小さい故に声に出せずに溜って行き、でも結局溜ったところでひとつひとつは小さなことの集積だから、
それを持ち出して責めるのも気が引けて・・
結局フラストレーションが残り、暴発しては自分も相手も怪我をする。
キレのいい刀よりも、なまくら刀のほうがキレが悪い分、嫌な怪我をし、治りにくいのは言葉も同じらしい。
間に流れているのがレンアイ感情ではなくリアルな生活だとか相手の生活への配慮だから、
逆に痛々しくも生々しい。
おかしな二人をもじってつけた、岡嶋二人。それがすごく皮肉に聞こえるのは、なんだかねぇ。
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もの書き、としてと
人と働く、ってことで
いろいろと勉強になる。
あとは、まあ単純に面白いってのが大きい。
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小説ではなくノン・フィクションだと思う。二人がコンビを結成(というのか?)してから解消するまでのことを語っている。どうして別れたのかなって思ってたんだけれどこれを読んで納得。小説の書かれた経緯とかトリックを生み出したいきさつなども書かれているため、ネタばれ必須。先に小説読んだ方がいい。
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9月30日読了。徳山諄一・井上泉による共同名義の作家「岡嶋二人」の結成から執筆方法、解散に至るまでを井上氏・現在の作家井上夢人の視点から描く。徳山氏がアイデア・具体的なトリックを考案して井上氏がそれに応えてネタを「転がす」、収入などなく将来の展望などなくてもさぞ楽しい時間だったのだろうなあ〜と想像する。音楽(ジョンとポール)でもマンガ(藤子不二雄)でも共作で名を成した創作家は多数あれど、どのようにうまくプロセスが回っていてもいつかは終わりのときが来るものなのだろうなあ・・・。岡嶋二人の著作は何冊か読んでいるだけに、その創作の手順やアイデアのとっかかりなどをうかがい知ることができ、その意味でも大変興味深い本。
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わかり易く書けば「まんが道」の岡嶋二人版ですね。
読んでて楽しい前半部に比べ、愚痴が多くなる後半部は読んでて切なくなってきます。
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気分が落ち込んで、鬱っぽくなり、エネルギーを要することが自発的にできなくなったときに読む本がいくつかある。その多くは、例えば『まんが道』『プレイボール』などのマンガであったけど、今回は既読の本棚に並んでいた本書を手にとった。本書は、井上氏による「岡嶋二人物語」であり、ミステリ作家の自叙伝であり、一種のノウハウ本であり、青春物語であり、そして何度も読むことができる☆☆☆☆☆の傑作である。
解説の大沢氏と同様に、私は雑誌(『メフィスト』だったのだろうか? 当時の講談社の日本ミステリ専門誌だった)初出時に読んでおり、それもちょうど就職活動期で落ち込んでいたときで、忙しい時期だったにもかかわらず、あまりの面白さに一気読みしてしまったものである。だから、読むたびに、あのシュウカツの空気を思い出す。
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面白かったが切ない話。
まさか[盛]の部分が乱歩賞受賞までとは。プロの小説家になってから(と言うより授賞式の日から)[衰]が始まるとは驚く。数々の傑作ミステリーが全て[衰]の時期に作られている事に驚く。小説家とはいかに厳しい職業か。ただこの本は井上氏側から書いた本なので、ちょっと徳山氏が可哀相に思えるが、あえて徳山氏は反論本を出していないのが、なんともこのコンビらしい感じもする。まるで恋愛小説みたいな本。