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無表情の仮面をかぶる伯爵と、笑顔の仮面をかぶる伯爵家の血をひくサアラ。サアラが強かで、でもどのような境遇でも前向きに生きている姿は、なかなか好感度は高かったです。(ある意味腹黒いとも言えますけど)。
無表情の伯爵に感情を戻させたサアラ。彼女の歌は幽霊達の支持もあるから、今後はよい妻となりそうですね。
最後で1個気になったのは、エリオスの母は誰なんだろうってところです。16人も妻がいて、そのうちの一人が母なのかなあ。
続きも読んでみたいです。
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ヘタレ伯爵と無鉄砲嫁。
ルルルらしい素直なお話。
二人の夫婦生活も気になるけど、エリオスの出生についても気になる。
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キャラクターが物語を牽引するとは、こういうことなんだなぁ。
目から鱗というか…いいものを読ませてもらいました。もちろん話の完成度や伏線の張り方もしっかりしていて、ピースが何気なく嵌る一瞬が小気味良い。新人さんながら過不足のない非常に読み進めやすい文章であることも相まって、すごく楽しい読書だった。
「ん?」と思う所は確かにあるのだけど、そこで引っかかると一気にすべてが白々しく感じてしまう危険性さえも孕んでいる違和感の余地だってあるのだけど。
自分の全てを肯定したいと言いしたたかに生きるヒロインが私にとっては大変魅力的だったので、最後までページをめくる手が止まりませんでした。本当に、こういうのって好みの問題なのかも。
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“「それは無理だ」
ジェイクは今までにないほど、強くはっきりと即答した。完全な無表情を貼り付けて、何を考えているのかなど欠片も覗かせなかった。言葉の強さに驚いたのか、エリオスも驚いた顔でジェイクを見上げた。
「私はきみを幸せにはできないよ。私は人を不幸にする性質の人間だ」
ジェイクはそう続けた。サアラは自分の言葉が、歪んで伝わってしまったことに少しがっかりして、口を尖らせた。
「私は幸せにしてほしいなんて、一言も言っていませんわ。私は幸せになりたいのではなくて、幸せでありたいんです」
言葉遊びのようで意味が分からなかったのか、ジェイクの無表情に少し不可解な色が混じった。サアラは胸に片手を当てて、堂々と言ってのける。
「昔も今も変わりなく、私は充分幸せです。ただ、最期の時まで幸せであり続けるために、私は与えられた状況の中で、最善を尽くしたいのですわ」
力強くサアラが言い放つと、ジェイクは何だか不思議そうな真顔になった。
「きみにとっての幸せとは、何だ?」
そんなことを聞かれるとは思わなかったので、サアラは少しびっくりして目を見開き、ジェイクを見つめた。そしてにっこりと微笑む。
「私にとっての幸せとは、私が私であることを後悔しないということです」”
新鮮。
主人公の性格が何より新鮮。
すっきりするなー。
傲慢にも生意気にも性格が悪いようにも見える本音を隠さないずばっとした物言い。
自分が美人であることさえも武器に使うような。あと人を観察するのに長けている。
この世で一番恐ろしいものは生きている人間でそれは誰しもが残虐にさえなれる『悪意』を持っているからで。
けれどそれと同じくらいに人間は優しさを愛情を持っているから生きている人間を好きになれる。
達観してらっしゃる。
ジェイクの性格も良いなー。優しい人だ。
“「ねえ、ジェイク様。私を不幸で可哀想だとお思いになる?」
最初と同じ質問に、ジェイクは難しい顔をして考え込んだ。
「………それはよく分からないが……君がとてもずるくて強かな人間だということは、よく分かった」
そんなことを言う。意外な事を言われてサアラは頬杖をついたまま首をかしげた。
「まあ……、ずるいですか?」
傲慢とか、生意気とか、性格が悪いとかは言われたことがあるが、ずるいと言われたことはあまりない。不思議そうに眉をひそめたサアラに、ジェイクははっきり言った。
「きみはずるいよ。幼い頃の傷や痛みを武器にして相手を攻撃している。そんな……自分をも傷付けるような武器を使う人間など、そうはいない」
そう言いながらも、ジェイクの口調に責める気配はなかった。
サアラは誇らしげに指先を自分の胸に当て、凄艶な笑みを浮かべた。
「ええ――私、使えるものなら何でも使って戦いますわ。だって、私は私しかもっていないのですもの」
他のものなど、もう何一つ持っていない。だから、傷だろうと痛みだろうと、使えるなら使う。
「強かだな」
ジェイクは呆れたようにつぶやいた。”
20160803 再読
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いやぁ、面白かった!!
買うときに帯を読んでみると
「私、あなたを全然、まったく、少しも、好きではないんです」
の文字に思わず笑ってしまいましたw
実はまちがえて、2巻を先に買ってしまっていたので、
このセリフの帯には驚きましたw
読み進めていくと意味もわかるのですがw
とにかく、サアラの言動が・・・w
自分が美しいことを理解しているところがまたよかったですw
ではではノシ
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侯爵家の血を引く、天涯孤独の美少女サアラ。彼女は、身を寄せる遠縁の家の息子と婚約していたが、幽霊伯爵と呼ばれるコルドン伯爵の17人目の妻として嫁ぐことに! 更に嫁ぎ先は、墓地に囲まれ夜な夜な幽霊が現れるという場所で!? 妻に無関心な夫、何故かよそよそしい使用人達。ところが、サアラはのびのびと毎日を満喫し、逆に夫を翻弄して……!? 美しく強かに、少女は恋と幸せをつかみ取る!
(アマゾン転載)
サアラの人生哲学が素晴らしいです。
すごい肉食系だし、笑!
こういうタイプの主人公は少女小説で珍しいですね。
幽霊の話は、添え物程度かと思ったんですが意外と面白い!
ゴースト繋がりでメグ・ギャボットのメディエータを思い出しました。
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http://tukiyogarasu.blog80.fc2.com/blog-entry-320.html
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物語のアイデアが面白かったです。
途中途中のアウラのセリフでぐっとくるものがあってなかなか面白かったです。こんな主人公もいいかも、と思いました。
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あまり期待せずに読み始めたのだが、予想以上におもしろかった。
“「私にとっての幸せとは、私が私であることを後悔しないということです。」”というセリフの通り、主人公のサアラは、運命に屈することなく、傲慢なほど毅然としている。
彼女にとって、同情や憐れみを受けることは屈辱なのだ。
そういうサアラが、潔く、且つ危うくて目が離せない。
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天涯孤独の美少女サアラ。彼女は、幽霊伯爵と呼ばれるコルドン伯爵の17人目の妻として幽霊の出る城に嫁ぐことになる。
サアラ……すごい主人公だと聞いていたけれども、ここまでとは。
ここまでくると嫌みも感じず、むしろすがすがしいです。
お決まりパターンも混ぜつつ、楽しく読めました。サアラのお嬢様口調がツボです。
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天涯孤独の美少女たる主人公は、婚姻するため
元婚約者の家を出る。
いやすごい…。
健気に耐える系かと思いきや、数ページで裏切られ
さらに斜め上の性格を突き進む主人公。
人によっては幽霊よりも怖いものはありますが
もうちょっとこう…常識はどこへ?w
出てくる人物の中で、まっとうそうなのは子供かと。
この反抗期真っ最中! という反応が普通です。
共感できないわ、突っ込みがいがあるわ、な主人公。
別の意味ではらはらどきどきさせてくれます。
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初めの一冊として正しく「障害(運命の悪戯)からはじまる恋愛もの」定型だが
「男は優しく女は強く」に沿った主人公がなるほど目を引く
女性向けライトノベルの主人公は「天然」もしくは「古風」であればヒロインであり
つまり読者視点は主人公にして愛でる対象たるものの傍にあり
そうでなく話の軸となる主人公ならば
天衣無縫で型破りで常識にとらわれずまたへこたれない
つまり舞台背景に係らず「現代的」(すなわち話の展開に対して「強い」女性)である
という感じでなかろうか
この作品で面白いのは主人公が「強い」女性であることを表現するのに
聡明であるけれど未熟である引き立てを男性側に持たせたところだと思う
あえては言い難いので言い換えると「割れ鍋に綴じ蓋」
うつくしいことばである(と逃げる)
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「性格が悪くても変人でも、それを補って余りあるくらい美人なのだから、それでいいのではありませんこと?」
自分の容姿に絶対の自信を持つ飄々としたかんじの花嫁サアラ。こういうヒロインは珍しかったのだけれどとても好感が持てました。彼女は彼女の理論で考え、喋り、行動する。そのサアラの一貫した理屈が好きだし、歓迎されていなかった嫁ぎ先で、それがどういう風に作用していくのかっていうのもとても面白かった。
サアラの語る走らなかったはずの馬が走り出したところは悲惨で痛々しく涙が出る。それでも人を愛することをやめられないし、自分は決して不幸ではないとするサアラ。とにかくヒロインが筆舌に尽くしがたいくらい魅力的だった。
ヒーローであるジェイクもエリオスもアーシェリーゼも好き。ところでこれジェイク受けでサアラ攻めだよね?
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代々墓守を務めるコルドン伯爵は、力の強い幽霊たちが世間に出ていかないように抑えるため、感情を殺してしまった。嫁に来た女性たちは、そんな伯爵と幽霊たちに耐え切れず去っていく。叔父のアスガント伯爵は、最終兵器として、過酷な体験をして天涯孤独の身になったサアラを17番目の花嫁として送り込む。このサアラが、素晴らしく強かで素敵だ。氷のようだったコルドン伯爵の心を溶かすのだ。幽霊となったコルドン伯爵の母親のアシェリーゼをも助ける。墓場の幽霊たちも自分の親衛隊にしてしまう。しかし、サアラのことを可哀そうだと言うカインのことを嫌う矜持も持っている。なかなかに魅力的な物語だ。