紙の本
上質のミステリでも読むようなタイムトラベル小説
2009/02/06 15:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:東の風 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1995年(平成七年)6月に単行本刊行というから、発表されてから早いもので10年以上の時が経過したわけだけれど、異色のタイムトラベル小説として、これは今読んでも十分面白いですね。上質のミステリ小説でも読むスリリングな面白さがあって、堪能させられました。
上巻の「序章 はじまりとおわり」「第一章 最初は火曜日」にかけて、高校生の鹿島翔香(かしま しょうか)が体験する奇妙な出来事に、「んんん? 一体、何が起こっているんだ???」と、訳が分からないままに頁をめくっていくうちに、話のからくりが徐々に見えてきます。この辺の、次第に霧が晴れていくような謎解き、からくりの種明かしが上手いんだな。
ここで使われているタイムトラベル(あるいは、タイムリープ)のアイデアは、魅力的なSF短篇の名品、バズビイの「ここがウィネトカなら、きみはジュディ」(新潮文庫のアンソロジー『タイム・トラベラー』所収)に通じるものがあります。
また、国産のタイムトラベル小説の中、このくらい風変わりで面白い作品ていうと、西澤保彦の『七回死んだ男』もいけますね。こちらも、ぜひ!
あと、本文庫版では、カバー表紙と口絵のイラストも魅力的。とりわけ、主人公・鹿島翔香のイラストがイメージにぴったり。イラストを描いた衣谷 遊(きぬたに ゆう)に、乾杯。
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ややこしい
2022/02/12 18:43
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投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
短い期間の間でタイムトラベルを繰り返すので、いつ何があったか覚えながら読み進める必要がある。でも読みやすいし、この手の作品が好きなひとならハマるはず。
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時かけ&あしきの
2015/09/28 12:46
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投稿者:城のない町住み - この投稿者のレビュー一覧を見る
『時をかける少女』好きには読んでもらいたい、『時かけ』と双璧といえるタイム・リープものです。
文体はやや古いです。登場人物にもやや感情移入しにくいかも。80年代な雰囲気です。その意味でも『時かけ』と似ているかもしれません。
もちろん、上に書いた点を補って余りあるストーリー展開の妙と緻密な構成。上下巻ですが、一気読みさせられます。
著者が寡作なので、これが電子書籍で読めるのは貴重だと思います。
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主人公が、ある事件をきっかけにして時間を超える。
パズルのように疑問が解決していく話はとてもおもしろいです。
上・下セットでどうぞー。
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すっげぇ昔に映画で見たんだけど、記憶に無しー
てことでベタな設定第2段、時をかける少jy(略
ていうか超面白いよー!時間跳躍モノ大好き・・・パラドックスとか燃えるよねー
導入部が突拍子もなく、さらに時間跳躍によって出来た空白の時間が埋められていくのがたまらない・・・
そしていいとこで終わってくれるんだこれが。
そのせいで翌日早いってのにそのまま下巻読む羽目にw
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『火曜日』の朝、私は目を覚ました。でも、私にとっての昨日は『日曜日』。私の『月曜日』は、どこに消えてしまったの……?日常的な高校生活と、非日常的なタイムトラベルをかけ合せた、緻密な時間パズル。翔香と和彦が少しずつ謎を解き明かしていくにつれ、見えてくるものは一体何なのか?読み終わったあと、「うわー、やられた!」とにんまり出来る作品ですね。文庫版の『あとがきがわりに』は、前作の『クリス・クロス』を読んだ人にだけ、分かるお話です。高畑さんの作品は、どこかでリンクしてる作品が多いので、全部の作品を読んでみて下さい。意外な相関図が浮かんできますよ。
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この著者を知るきっかけになった作品です。たしか当時は中2くらいじゃないだろうか。はまって一気に読んだ覚えがあります。今でも、たまに読み返してみたり。
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時をかける少女、みたいな。時間をあちこち移動するのに最後に全て分かったときのかっちり感は見事。プロットたてが上手い。
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いわゆるタイムトラベル物ですが、この作品はタイム・パラドクスを見事に解決していて秀逸。一度読み終わったあと、「ええーっ!」となって、もう一度読み返さずにはいられない。上下巻。
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よくこんなに計算された小説が書けるものだ、とひたすら感心した。
女子高生の翔香は自室のベットでいつもどおり目覚める。しかし、日曜の夜だったはずが目覚めた時は火曜の朝。月曜の記憶が無い。日記をみると、見覚えのない文章が自分の筆跡で書かれている。「若松くんに相談しなさい」
彼はそれまで特に親しくもないクラスメートだったが、半信半疑ながらも、翔香の状態を分析して「あるきっかけで意識のみ時間移動をしている」と解き明かす。
時間を越えるという現象は昔からいろんな作品で書かれてきたことだろう。この小説の中にも「時をかける少女」や「夏への扉」といった有名な時間旅行モノへの言及がある。
この手の小説では、未来や過去の現象と触れ合うことによって起きる奇妙さ、未来の事を知ってしまうことにより起こるズレ等の問題をどう解決してくれるかが気になるところだと思う。
この「タイム・リープ」の場合そういう点で矛盾が見つかるところは(私が見る限りでは)特に無く、うまく説明してくれていてスッキリする。
ただひたすら「若松に相談すれという日記の伝言は月曜日に書いたけど、それは火曜日に日記見たから戻った時同じようにまねして書いただけ。結局その考え自体はどっから発生した・・?」みたいな類の「卵が先か鶏が先か」的な堂々巡りの疑問が脳内にわきおこる。
でも本当は、主人公と共に時間跳躍を無事終えた読後の余韻として、堂々巡りになるのを味わいたくてわざと考えてはニヤっとしているのである。
さーてニヤっとしながら再読するか・・・
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記憶の欠落。自分へのメッセージ。そういえばこんな本も読んだなぁなんてふと思い出し。
タイム・スリップじゃないですよ。タイム・リープ。
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タイムワープとか、うさんくさいじゃないですか。不思議〜ですまされたりしがちなものを理路整然と解決していく様子が心地よいです
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タイムトラベルもの。だけど、今までのものとは一味違う。さらにキャラが魅力的で、読みやすい。ただ、時間軸がわかりにくく読んでいて混乱してしまうかも(タイムトラベルものだから仕方ないけど)。
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タイム・スリップではなく、タイム・リープ。ばらばらにされた一週間の時間軸が、主人公が前に飛び後ろに飛びしつつ、ひとつひとつパズルのように整然と埋められていく筋が、破綻なくよく練られている。下巻の一番最後まで読んだら、上巻の冒頭に戻らずにはいられない。
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理路整然という言葉がぴったり。
翔香は昨日の記憶をなくしていた。そんな彼女に彼女自身からの言葉が……。
「若松くんに相談なさい」ただのクラスメイトに何故?