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「漱石の孫」と呼ばれることに反発し、「祖父が漱石」と位置づけることで頑張ってきた著者が、50歳を過ぎ、ようやく自分のルーツと向き合えるようになった成長の軌跡。一族の話あり、マンガ論ありと話が色んな方向にブレているような印象を受けるが、著者はそれだけ自分らしさを作り上げるのに苦心したのだろう。それが伝わってくる良いエッセイでした。
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山崎正和の夏目漱石の考察が面白かった。夏目漱石の文章を高校生の教科書以来読んでいないけれども、個人主義に対する漱石の思想や、イギリス留学を経て悩まされた自己の確立を知って、ますます1950年以降文豪と称されている漱石の本を読んでみたいと思われた。
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漱石の孫・房之介が、漱石が留学してたロンドンを訪ね歩く。房之介が初めてちゃんと漱石の向かい合った感じの話。
(超偉そうやね!)
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アイデンティティーの確立を冷静につむぎだしてて、なるほど、と思った。あとは、漱石をダシに縦横無尽に思考が広がっていくところが好ましい。
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情報科教員MTのBlog(『漱石の孫』を読了!!)
https://willpwr.blog.jp/archives/50763828.html
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裏の折り返しには夏目漱石の本が紹介されていますが内容は夏目漱石というより夏目房之介の自伝。オタクの話は面白い。
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古本屋で見つけて衝動買い。
夏目 房之介さんは、NHK教育テレビの
「土曜倶楽部」に出てらした時から
飄々とした面白い人だな~、と思って
ちょっと気にしてました。
最初に読んだのは、週刊朝日に連載の
「デキゴトロジー 學問」の単行本。
ここんとこしばらくご無沙汰してたので
見つけて迷わず購入してみたら...
内容がもの凄く「真面目」でした(^ ^;
百年前、夏目漱石が下宿していたという
ロンドンのアパートを訪ねる冒頭から、
自分と漱石の「距離感」を自己分析しながら、
若い頃「漱石の孫」と呼ばれることを
いやがっていたのが、徐々に受け入れられる
ようになって行った心の動きを追い、
本職である「マンガの表現論」を語ったり、
はたまた自分 - 父親 - 漱石とつながる
「業の遺伝」を解き明かしたり...
非常に「個人的な」心象を綴りつつ、
「祖父」が「日本一有名な文豪」なため
必ず「公的」「社会的」な、
「役割分担」を背負わされていたことへの
葛藤と「折り合いの付け方」が
平易な文章ながら分かりやすく書かれている。
身内に「超有名人」などいない一般人には
なかなか実感することは難しかろうが、
それでも共感することができる一冊。
ある程度年齢が行ってから読む本かな。
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なぜかふと本屋で目についた「孫が読む漱石」を買おうかなと思ったんだけど、だったらまず先に「漱石の孫」かな、と。著者のマンガを知らないせいか、途中のマンガ論や歴史論?文化論?みたいのがあんまりピンとこず。漱石が留学していたロンドンの下宿を著者が訪ねるところからはじまるので、もっとそのロンドン訪問の話が多いかと期待していたのだけれど、あまりなかった。漱石の孫であるということについての、プレッシャーや反発についても書かれていたけれど、それほど(わたしが想像するほど)は意識されていないような印象で。んー、結局、「孫が読む漱石」は読むべきなのか・・・・・・熱冷めるの早いわたし。その前に、もう忘れているので漱石を読み直さなくてはだめかしら?
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読書録「漱石の孫」3
著者 夏目房之介
出版 新潮社
P133より引用
“「漱石の孫」と見られたりするのが「うんざり」なのではない。
また同じことを話すのか、という「うんざり」なのだ。”
目次から抜粋引用
“漱石と出会う
夏目家の鬼門
漱石と僕
業の遺伝
百年後の猫”
漫画家、コラムニスト、マンガ批評家である著者による、漱石
の足跡をたどりながら描かれた自伝的エッセイ。
漱石の元下宿部屋から漱石が描いた水彩画まで、テレビドキュ
メンタリーの取材やマンガ展のシンポジウムの話などを混じえて
書かれています。
上記の引用は、ロンドンのホテルでの、テレビディレクターの
取材に対する一文。ググレカスという言葉は、こういう気持ちを
持った人が使い始めたのかもしれないなと思いました。
既に他の著作で書いておられるとのことですから、その部分をコ
ピーして常に持ち歩いたら、手渡しだけで済むかもしれません。
まあ、取材するほうがその対象者を事前に調べて、著作があるな
らそれなりに読んでおくくらいのことはしておいたほうがいいと
は思いますが。
著名人の直系親族というのも大変なんだなと思いました。
最近はあけっぴろげに誰それの2世3世としてテレビでタレント活
動されている人も多くなってきていている今の状況で、著者がむ
かしよりもずっと気楽になっておられたらいいなと思います。
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有名人の一族は皆大変だということでしょう。
どうしたって巨大な存在がつきまとうだろうし、その中で自己アピールする困難さは常人では計り知れないことに違いない。
その大変さに免じて★3つ、内容はそれほど面白いものとは思えないかな。
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マンガ家で、夏目漱石の孫である著者が、「漱石の孫」という運命とどのように向き合ってきたのかが語られています。
NHKの番組の企画で、漱石のイギリス留学時の足跡をたどることになったのが、本書執筆の動機になっているとのこと。近代の黎明期にイギリスを訪れ、文明との葛藤を一身に引き受けた漱石の心のうちに迫りつつ、現代の日本文化を代表するマンガやアニメといったサブカルチャーにおいて、近代以来の日本の置かれている位置を確かめなおすという、重層的な構成になっています。平明な文章で綴られているので、さらっと読み流すこともできますが、扱われている内容はかなり深いように感じました。