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「製造業として顧客体験をデザインする」ということについて考えていた時、私の心を読んだらしいAmazonにお勧めされ、購入してしまった本。
基本的な主張は、「ブランドを顧客体験のプラットフォームとして再定義する」ことによって、技術のコモディティ化の波を乗り切るべし、ということ。ふたりの著者が章ごとに分担して書かれているせいなのか、正直なところ、ちょっと流れがつかみにくい。
それでも、なるほどと思わせる事例や考え方がたくさん紹介されていて、ブランド戦略実務の経験がない私にはとても勉強になりました。
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著者のお一人から献本いただいたのですが、いやこれはお世辞抜きで良書です!
動詞としてのブランディングに必要な概念と手順について最低限必要なフレームや考え方について、多くの日本企業がおかれている状況を踏まえて解説されています。
ブランディング戦略の策定に当たってチーム関係者みなで読んでおくと、議論のベースが整えられ、言葉の定義やフレームも共有でき、効果大ではないかと思われます。
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教科書的な性格から読んでいて面白味はあまりなかったが、全体的に現代のブランディングについて非常によくまとまっていると思う。ブランドメッセージに関して、商品目線から生活者目線へというところがとても印象に残っている。商品のスペックをアピールするのではなく、その商品によって消費者がどんな体験をしたいと考えているのかを捉え、「消費者が願望を実現するための支援者としてのブランド」というメッセージを付与する、というのは、まさになるほどなぁと思った。
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ブランドについてのわかりやすい解説は本当に秀逸。
これまで読んだブランド本の中で最もわかりやすかった。
リサーチの企画書に引用できるフレームもたくさんあり、常に横に置いておきたい一冊。
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プラットフォームはもちろん、さまざまなブランド構築作業というのはきちんと循環、サークルさせて拡大再生産をさせることが重要と。とても分かりやすい。関係者は必読だと思う。
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http://n3104.hatenablog.com/entry/2017/03/25/162245
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昔からブランドという怪しい世界が好きではなかったので避けてきたのだが、ついに対峙しなくてはならない時がやってきた。本書でも、
「企業の経営層からすると、ブランドとマーケティングの領域には多額の投資が必要であるにもかかわらず、『ブラックボックス』になりやすい。これは、特に広告宣伝クリエイティブや製品デザインなどにアート(芸術)的センスが求められるとされてきたためだ。」
と述べているので、おそらく怪しいと思っている人は自分だけではないはず。
本書は、そのようなアート的側面は大胆に割愛し、ブランドの「サイエンス」面に光を当てており、自分のような人間がブランドを学ぶには適切だと思った。
最近「ユーザーエクスペリエンス」「カスタマージャーニー」といったバズワードがもてはやされることからわかるように、顧客の体験が重要になってきていることは間違いない。本書でも、
「生活者のブランド評価=体験の魅力度×体験の量・時間×体験の一貫性」と定義している。そのうえで、
「顧客同士やパートナーとのコミュニケーションや価値貢献の体験を引き寄せ、『取り持ち役』となるようなブランドになるため」に、体験価値を共創するプラットフォームが重要であるとしている。
そして、生活者が積極的にブランドへ共感を示し、直接的なつながりを維持することを受け入れてくれるために、商品・サービス自体の機能的特徴や利用シーンといった「ブランド主語の価値」を想起させるだけでなく、生活者自身の具体的な願望や課題に焦点を絞り、そのブランドが「生活者主語の価値」を支援し、その実現に貢献してくれる味方であることを想起させるように、ブランド近く価値を拡張して定義する必要を説いている。
そのような「顧客体験価値」デザインとブランド戦略の実践には5つのフェーズがあるという。
1 プロジェクト推進体制と検討上の与件を確認し、戦略検討の方向性を絞り込む
2 象徴的顧客となるブランドターゲットを規定し、心理的プロファイル理解を共有する
3 顧客体験を定義し、実現する仕組みとしてプラットフォーム活用も併せて検討する
4 市場競争力に高めるブランド戦略を策定し、4P施策要件に落とし込む
5 4P施策の展開・検証・修正を繰り返すPDCAサイクルの設計・運用
ちなみに、フェーズごとに参考書籍が紹介されていて、これらも参考になりそう。
なお、ブランドの知覚認識によって選ばれる比重が高くなる商品・サービスの条件を3点あげているが、
ブランドも万能ではなく得手不得手があるということを忘れてはいけない。(当たり前ですけど。当然ですけど。)
・顧客の心理的な関与が低く、あまり情報収集をしない商材(例:日用品)
・顧客の購入頻度が低く、比較検討を重ねることで獲得する学習効果が少ない商材(例:住宅設備)
・顧客には複雑性が高く理解のハードルが高い商材(例:金融商品)
また、フェーズ4でブランドの説得力を生み出すエビデンスを探す、というのは当たり前ながら必要なことだと思った。
最後に、筆者の以下の一節が身に染みた。
「これま���数多くの企業と接してきた筆者の経験から言えることは、大手企業において、社内の誰も理解せず、解決アイデアもないままに衰退したブランドというのはほとんど存在しないということだ。
課題の本質も解決アイデアも必ず社内の誰かが既に持っているはずだ。それなのに、組織として解決に力を注ぐべき優先課題が合意できず、限られたリソースを有効な打ち手に集中させる足並みが揃わなくなり、ブランドはじりじりと市場の中で衰退していくというのが実態だ。」
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2013年刊行。さすがに隔世の感があるのと、「プラットフォームブランディング」というコンセプトそれ自体がやや無理矢理感が。