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Natural Born Criminal… 主人公、ニックはまさに悪党がたまたま「警察官」という職業を選択してしまったという感じの人物で呼吸をするように盗んだり嘘をついたりする。犯罪者が犯罪者を追うその目的はもちろん、自身の破綻した人生に突破口を開くため…なのだが、それだけではない「刑事の本能」のようなものの為せるわざでもあるらしい。結果、見事に真相に辿り着くのだが、一攫千金で海外逃亡とは行かず刑事を続ける、というハチャメチャな結末に。葛藤もトラウマも持たず、ニヒルでもない新しいヒーロー(?)の誕生か。
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フロスト警部風のユーモアあふれるストーリーを想像していたので肩透かしだった。主人公ベルシーの行動が突飛すぎて最後まで感情移入出来なかった。
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イギリスの作家「オリヴァー・ハリス」の長篇ミステリ作品『バッドタイム・ブルース(原題:The Hollow Man)』を読みました。
「ジェフリー・アーチャー」に続き、イギリス作家の作品です… 久しぶりのミステリ作品ですね。
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人間、追い詰められれば妙案が浮かぶものだ。
ギャンブルに取り憑かれて借金を重ねた刑事「ニック」。
とうとう住む場所も失い、所持金も底をついた。
もはやこれまでと覚悟を決めたとき、高級住宅地に一人住まいの金持ちが行方不明との一報が入る。
担当をゲットした「ニック」は、要領よく金持ちの留守邸で寝泊まりするうち、彼に隠し財産があることを嗅ぎつける……事件を追いつつ、横領計画を進める、前代未聞の怪ヒーロー現わる!
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2011年(平成23年)に発表された作品で、「オリヴァー・ハリス」のデビュー作、、、
多額の借金を重ね破産寸前、住む場所も追い出され、酒浸りでギャンブル中毒で、警察内でもいろいろな問題を起こしているが、警官としての能力は誰かれも認められているというハムステッド署犯罪捜査課の38歳の刑事「ニック・ベルシー」を主人公とした物語… この作品を好きになれるかどうかは、破天荒だが、独特の魅力を持っている主人公に共感できるかどうかに係っているいる感じがしましたね。
ロンドンの高級住宅地で一人暮らしの大富豪の男性「アレックス・デヴァルー」が行方不明になった… 捜査を担当することになったのは、多額の借金を重ね破産寸前、住む場所も追い出され、酒浸りでギャンブル中毒の「ベルシー刑事」、、、
「デヴァルー」の家を調べに出向いた「ベルシー」は、家主の消えた豪華な邸宅を目の当たりにして、ちょっとここを利用させてもらえないだろうかと考える… キッチンに残っていた食べ物を食べ、高級酒のボトルをみつけだして一杯やる、シャワーを浴び、庭のプールで泳ぎ、しまいには、その家で寝泊まりを始め、部屋に残っていた現金やクレジット・カードを勝手に使い、家財道具を売り払い、ブランド物の服や靴、腕時計をくすね、当たり前に着て出歩くようになる。
さらに「ベルシー」は、「デヴァルー」がロシアの大富豪で巨額の隠し財産があるらしいことを発見し、借金まみれの生活をリセットするために、「デヴァルー」の財産をごっそりいただき、そのまま海外へ逃亡することを企てる… しかし、事件の謎の解明に心を奪われた「ベルシー」は、海外逃亡の準備と並行して、「デヴァルー」に関わった人物がプロの殺し屋と思われる人物に次々に殺されるという意外な展開を見せる行方不明事件の追及も継続し、何者かから命を狙われるようになる、、、
果たして、「ベルシー」は事件を解決できるのか?富豪に生まれ変わって、大金とともに無事に海外逃亡できるのか? という展開が愉しめる作品でしたが、600ページの大作でしたからねぇ、行方不明事件の方がかなりややこしい経済犯罪小説だったこともあり、集中力が持続できなかったですね… もうちょっとコンパクトに仕上がってい��ば、緊張感も持続して、もっと愉しめたかな と思います。
刑事でありながら犯罪者という、主人公の設定が面白いし、富豪の行方不明に絡む国際的な経済犯罪・詐欺事件の謎解きもしっかりした構成で、ミステリとしての完成度も高いなぁ… と感じただけに、ちょっと残念、、、
それにしても、はちゃめちゃな刑事「ベルシー」のインパクトが強い作品でしたねぇ… 違法行為、職権乱用、逸脱行為 等々の悪徳行為を良心の呵責を感じずに平然と行うところが痛快、しかも、地元出身の叩き上げの刑事で裏の社会にも顔が利くという設定ですからね、現実離れしていますが、独特の魅力のある人物でしたね。
以下、主な登場人物です。
「ニック・ベルシー」
ハムステッド署犯罪捜査課の刑事
「ティム・ガウアー」
警部。ベルシーの上司
「デレク・ローゼン」
ベルシーの同僚
「ロブ・トラッピング」
ベルシーの同僚
「ナイジェル・ヘリング」
カムデン特別区本署所属の警部
「フィリップ・リドパス」
スコットランド・ヤードの警部
「ミジリー」
スコットランド・ヤードの巡査部長。リドパスの部下
「イーシャ・シャヴァーニ」
検死官
「サイモン・ニッケルズ」
個人警備業者
「ジェシカ・ホールデン」
女子高生
「シャーロット」
ペルシーと知り合った女
「ニール・キャシディ」
ベルシーの昔なじみ
「ジョン・キャシディ」
ニールの息子
「ミランダ・ミラー」
テレビ記者
「マックス・コヴァール」
出資者
「ピアーズ・バッキンガム」
AD開発の代理人
「アジャイ・ハーン」
株式ブローカー
「エマニュエル・ギルマン」
ファンド・マネージャー
「ミルトン・グランビー」
シティ・オブ・ロンドン政府の収入役
「アレックス・デヴァルー」
行方不明の金持ち