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文化がもつ危険性が示された第2巻。サブタイトルである「萌える侵略者」の意味がハッキリとし、物語として面白みが増した印象を受けました。
文化侵略の恐怖。ファンタジー世界といえどバリバリの封建社会であるエルダント帝国。今回はそんな固定されてしまった文化に多様な文化が触れた時、どんな負の感情が生まれるか描写されていました。現代社会でも文化圏の違いからいざこやが絶えません。日本でだってオタク文化が地域活性化によいからといって流行し、今まであった町の風景や祭りの形が変わったりと問題も少なからずあります。そうした文化侵略で起こるであろう争いをこの作品ではしっかり描いているのが好印象です。人がまったく違う文化に触れた時、それを楽しいと受け入れる人、恐怖により拒否する人は絶対にいる。そうした部分を封建社会を利用してうまく描いているなと思いました。文化侵略の恐怖を抱く人々にどうやって文化を伝えていくか。日本サイドもなかなかのきな臭さも醸しだすなか主人公であるシンイチがどう出るか楽しみです。
物騒な話もちょいちょい出始めた中、完成した学校がどういった結果を生むのか。シンイチ自身のトラウマも表に出しつつこれからもうまく進行していって欲しいな。