紙の本
真説日本人と名古屋人
2000/10/16 22:24
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:江夏 - この投稿者のレビュー一覧を見る
清水義範といえばパスティーシュ。パスティーシュといえば清水義範。その原点満載の短篇集。
アイデアマンの社長ひきいるある中小繊維企業の社史(「商道をゆく」)清水版猿蟹合戦第一弾(「猿蟹の賦」)を司馬遼太郎でパスティーシュすると?
英語の語源は日本語だという珍説の有為転変を単行本、全集、文庫各版の序文だけで描き切る「序文」
あなどるべからず高齢者パワー。老人呆けのはじまった爺様三人とのマージャン珍勝負「三人の雀鬼」
表題作「蕎麦ときしめん」と続編「きしめんの逆襲」。実は筆者の江夏はこの題名を郷土料理の本だと誤解して手にとり、一気に清水義範になってしまった。名古屋人論と言い条、日本人論のパロディーとして爆笑しながら楽しめる。
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名古屋人以外はこの本を読んで大笑いしましょう!名古屋の事がデフォルトされてるとはいえ、かなーり的確に書いてあります。名古屋人は読んでてムカつくだろうけど、ムカつきながらも「・・・当たってる」と後ろ暗い思いをするでしょう。
日本語は英語のルーツだ!と言い出すおっさんの話がありますが、これを実際にやってる人って現実にいるんだって・・・(島村洋子「ブスの壁」参照)
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短篇集。
標題作がなんとも面白い。
ここまで名古屋人を茶化して大丈夫なのか、ひと事とはいへ心配になつた。
名古屋生まれの嫁はんに薦めたのだが、どうも途中で讀むのを辭めてしまつたやうだ(笑)
2004年9月9日讀了
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爆笑。「序文」まじ爆笑。
確かに研究者ってこういう節がある。
言語学をかじったことのある人間なら必ず笑えると思う。
猿カニ合戦の話もおもしろい!
名古屋のきしめんが食べたくなった。
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作風・内容ともおもしろい。
論文風などの作風(パスティーシュ)に関しては、
あとがきにある「高名な作家」がわかれば尚楽しめそう。
内容については、表題作『蕎麦ときしめん』が名古屋の特徴を皮肉ってていい。
自分も名古屋周辺民だから伝わるものはある。
ところで、名古屋方言が「地位、身分、性別」で使い分けられるとあるが、
このことを小説で触れるのは珍しい気がした。
結構このあたりを雑にする小説が多い中で、
清水氏の「名古屋地方の言語への造形」(解説より)が垣間見られる。
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清水義範氏によるパスティーシュ集
パスティーシュ(Pastiche)とは、作風の模倣のこと。
パスティッシュ、パステーシュとも言い、下記を指す。
広い意味でのパロディ
文体や雰囲気など、先駆者に影響を受けて作風が似ること(例:「宝塚風の舞台」)[1]。故意に似せたものを「文体模写」と訳すこともある(例:奥泉光『「吾輩は猫である」殺人事件』)。
数編あるうち「猿蟹合戦」を、司馬遼太郎の語り口で書いた「猿蟹の賦」はいい。楽しめる。
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粗筋(アマゾンから引用)
読書はパスティーシュという言葉を知っているか?これはフランス語で模倣作品という意味である。じつは作者清水義範はこの言葉を知らなかった。知らずにパスティーシュしてしまったのだ。なんととんでもない天才ではないか!鬼才野坂昭如をして「とんでもない小説」と言わしめた、とんでもないパスティーシュ作品の数々。
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古い本だけど、結構面白かった。
「英語語源日本語説」、新たな切り口で面白かった。
こういう考え方もあるんだなーと。勉強になりました。
一番面白かったのは、「三人の雀鬼」かな。
思わず笑ってしまった。
肝心の「蕎麦ときしめん」は、よく分からなかった。
結局、蕎麦ときしめんは何だっけ?
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著者がパスティーシュ(模倣作品)というジャンルを確立した作品。
名古屋人の実態を描いた「蕎麦ときしめん」
元ネタがわかればよりおもしろい「街道をゆく」
英語の起源は日本語にあり!?「序文」
とんでもない、悪ふざけのような話ばかりですが、それもここまで来ると芸術です。(笑)
短編なのでさくっと読めますよ!!
(福岡教育大学 学部生)
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やっぱり好きだ。清水義範。
序文で小説やってみたり、社史風小説だったり、とんでも(でもないか)名古屋人論をサラリーマン風に書いていたり、とても楽しめる短編集。
「商道をゆく」が一番好きでした。
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昔、読んだ気がする。いまになって見ると、名古屋人の特徴とかどうでもいい感じだ。解説を景山民夫が書いている。
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蕎麦ときしめんから、いかに東京は個人を尊重する社会で、名古屋は相互依存の関係かを論じる(無茶苦茶です)。東京人から見た名古屋人、名古屋人から見た東京人、そして日本人。論理はデタラメなのだけど、なんか当たっているような。
私自身、名古屋に訪れたことがないため、本(論文)の内容にはイマイチおもしろみを見出すことはできなかったが、名古屋への好奇心は大いに湧いた。論文内容の確認を含めて、ぜひ機会があれば名古屋に訪れてみたい。
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パスティーシュ小説で一世を風靡した清水義範氏の昭和58年から61年にかけて「小説現代」に掲載された短篇集です。パスティーシュの名を決定づけた「猿蟹の賦」や、ある意味その後の名古屋人論に決定的な影響を与えた「蕎麦ときしめん」等が収められています。
「猿蟹の賦」や「商道をゆく」は、一行読んだだけで司馬遼太郎の模倣だってわかります。「蕎麦ときしめん」は山本七平の模倣ですね。
ある意味、被模倣者への著者の愛情を感じますね。
蕎麦ときしめん◆商道をゆく◆序文◆猿蟹の賦◆三人の雀鬼◆きしめんの逆襲
著者:清水義範(1947-、名古屋市天白区、小説家)
解説:景山民夫(1947-1998、東京、小説家)
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この作品ではじめて「パスティーシュ」という言葉を知りました。清水義範さんは、この作品から読み始めるのがよいと思います。(ちなみに僕は、「面白くても理科」から入りました。)
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名古屋に行ってみたくなります。きしめんも食べたくなります。
味噌カツは大好きです。
名古屋論はとてもおもしろかったです。