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紙の本
芸術とそうでないモノ
2011/05/30 00:51
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:muneyuki - この投稿者のレビュー一覧を見る
町野変丸という漫画家。彼は主に成人向けの漫画を書いていました。
その20年間の漫画家生活中、モチーフはほぼ同じ。
「ゆみこちゃん」という女の子が、朝学校に遅刻しそうになって急いで走っていると、ドーン、ぶつかりました。
ぶつかった相手が漫画によって異なり、
宇宙人だったり、変質者だったり、ミイラ男だったり、透明人間だったり、妖怪だったり、ロボットだったり…
で、相手に犯されます。
ゆみこちゃんは「やーん!」とか言いながら、どんなに強烈に犯されようと、痛めつけられようと、肉体改造されようと、「ふぅー気持ち良かった!」とか何とか言いながら特に気にせず生活を続けていきます、終わり。
延々こうした情景が繰り返されます。
読者は
・どんな思わぬ相手とぶつかるか
・どんな思わぬバトルっぷりになるか
を延々楽しむ、という漫画群なのです。
本書は
・お父さんが自転車を勝手にSOD風に改造
・船乗り
・よく分からん兄の同級生
・俺があいつで、あいつが俺で
・身体検査
・戦車級
・メイド
・ヌルヌル
・奇跡
の短編九本仕立てですが、まぁそんなにいつものと違う訳じゃありません。
何故か成年マークが付いてませんが、表現が抑え目とかそんなことは全くありません。
身も蓋もない事を言えば現代美術は「アイデア勝負」なのです。
その作品のバックグラウンドに、作者以外がどれだけ意味性を見出せるか、共感出来るか、が芸術とそうでないモノを分け隔てるのではないかと思うのです。
例えば町野変丸の作品を
・オタク文化を象徴的に描き出す、「ゆみこちゃん」のカワイイデザインとその他の存在のデフォルメ的デザイン
・日常に潜む非日常性
・人体破壊のアイデアの限界に挑み続ける思考実験
・同じモチーフを繰り返す事で、より「アイデア」の輪郭を浮かび上がらせる挑戦的行為
・また、モチーフの繰り返しから批判される大量生産・大量消費社会
・エロティック≒グロテスク≒ナンセンス
とか何とか言って評価をする「評論家」が居れば、
彼の作品はもっと芸術として評価されているのではないでしょうか。
いや、現に村上隆率いるHIROPON FACTORYなどでアーティストとして海外や国内で芸術活動を行っているという、立派な「アーティスト」なのです。
僕は彼の作品に「芸術」は全く感じません。
しかし、「村上隆やデュシャンを芸術として評価する下地を感じた時」、
町野変丸の作品に芸術を感じるのです。
紙の本
出版社からのオススメ
2003/02/05 03:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:太田出版 - この投稿者のレビュー一覧を見る
鬼才・町野変丸、久々の単行本。巻頭カラー12ページ塗り下ろし、赤札大サービスに加え、<特別付録>特製ゆみこちゃんシール付きの超豪華版! 抱腹悶々全9編!!
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