紙の本
なかなかの漁師さんやで。
2002/07/31 01:44
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ベリ太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この漁師さん、ほんまに琵琶湖の魚が好きで好きでしょうがないみたいだね。
漁師さんってみんなこんなもんだろうか?だったらほんとに幸せな職業や。
しかし琵琶湖には、ほんまにようけ色々な魚が棲む場所やな。
鮒、鮎、モロコぐらいと思っておったらとんでもない。
こんな湖は、日本広しといえどもそんなにあらへん貴重なものや。
ところがだ、その豊かな場所がブラックバスに代表される外国の魚に
滅ぼされそうになっておるんじゃ。
この漁師さん、ここがいいところなんだが、
それこそ罪を憎んで人を憎まずのお魚版じゃ、
この本来ならにっく気やつをにっくきにした身勝手な人間に、
その責任を問うおる。
なかなかできた漁師さんやで。
まあ、こんなくだらん書評でもまずは一度読んでみいや、
釣りをせんもんでも、面白く読めることをうけあうで。
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漁師の目で見た
琵琶湖の本。
漁に関しても海のそれとはぜんぜん違います。
何せ集魚灯は根こそぎとりつくす、ということで
使用できないのですから。
そう、湖という特性上こそです。
もちろん漁の方法だって
違います。
一見簡単そうに見えても
そうでないのがずらりとあるのです。
もちろん琵琶湖なので
あの問題にも触れられています。
しかし身勝手な釣り人が多いですね。
同じ釣り人として恥ずかしい限りです。
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滋賀人として知っておくべき事を教えてくれる本。
私は滋賀人な訳ですが、そういえば今までしっかりと「琵琶湖の漁師」について思いを巡らせた事は無かった。琵琶湖で漁をして生計を立てている人がいるんだと改めて思い直した。
やはり、琵琶湖は変わってきてるんだと言うのが読んだ最初の感想。水質しかり魚しかりである。
そんな中で、滋賀人である自分に何が出来るかがよく分からない。感覚として琵琶湖は近い存在ではある事は間違いない。でもどうしたらいいか分からない。見守るしかないのかなぁ。
それにしても・・・なぜ中途半端な関西弁の本にしたんだろうか
。なーんか、ちょいちょい文末の関西弁が気にかかって、関西弁を入れたい強引さを感じてまうんですわ。(←ほら、こんな感じw)
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注意!この本を読んでしまうとバス釣りがちょっと嫌いになる可能性があります。
と宣言したくなる。そんな1冊だ。
著者はこの道20年以上の大ベテラン、琵琶湖で漁師をやる戸田さん。
内容は、琵琶湖で取れる魚や具体的な漁の方法などが親しみやすい戸田さんの語り口で語られる。淡水で漁師をやる上でのコツなども紹介されている。
しかし、とりわけ著者も読者もボルテージが上がってくるのは、第四章「ええかげんにせえ!ブラックバス、ブルーギル」からである。腹がふくよかな魚のことを「きんまい魚」というらしい。琵琶湖で増え続けるきんまいブラックバスの腹を割くと中からは、琵琶湖で取れる美味しい魚たちがわんさか出てくるらしい。
外来魚の恐ろしさを思い知らされる。
しかし、一番恐ろしいのは、自国に古来より生息している生物や人々の生活が脅かされているのに、呑気に趣味に打ち込むバサーたちの存在である。
バサーとは、ブラックバスを釣ることを趣味にしている人々の事を指す。
本書を読むと、「琵琶湖」でブラックバスをキャッチアンドリリースすることが、いかに知性なき所業かを思い知ることになる。ブラックバスは一年で26センチ。その後年間8センチずつ大きくなる。稚魚の真下を泳いで、守る修正を持っているため、、稚魚の生存率が高い。
サバイブする能力に長けた魚なのである。
どんどん、琵琶湖の魚が脅かされる中、心無きバサーたちは、「釣り人の権利を守ろう!」などど声高に叫んだりするらしい。
言葉を失うどころか気を失いそうになるほど愚かな人々である。海外の人たちにできれば知られたくない日本の恥部と言いたいくらいだ。
著者の言うとおり、そこまでしてバス釣りがやりたい人は、国が定めた湖で釣りを楽しめばよい。
何も日本のマザーレイクで自分本位の趣味を展開する必要はこれっぽちもないのだ。
物事を知らないことは恥ずかしいことではない。
ただ、優先順位を履き違えて、自分本位に行動するのはとてつもなく恥ずかしいことである。
琵琶湖の漁師戸田さんは、そのことを教えてくれる。
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第1〜3章は琵琶湖漁師の少々マニアックな内容ですが、第4章の『ええかげんにせえ! ブラックバス、ブルーギル』は外来種問題に関しての内容であり、本当に勉強になります。第5章は作者の『琵琶湖漁師』という仕事への誇りと琵琶湖愛が感じられる内容となっています。
外来種問題が大きく取り上げられるようになった昨今、国家規模で様々な取り組みがなされるようになりました。本書は今から約20年前、まだ外来種への対応の是非すらもあまり認知されていなかった時代に書かれた本です。琵琶湖漁師がどのような想いで変わり行く琵琶湖を見ていたか、琵琶湖の為に必死に足掻いていたかが学べます。
読んで良かった……!