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ドイツで翻訳の仕事をしながら暮らしている松村京(まつむら・みやこ)を中心に、36歳になる今も大学に通っている恋人のカールハインツや、女友達のエルケとズザンネ、そして京とカールハインツの親たちとの関わりなど、生活の中の風景を切り取った小説です。
日本を離れて暮らす京には、親たちや日本へのアンビバレントな感情を時折のぞかせることもあります。しかしそれは、翻訳の仕事の悩みや、カールハインツとのいさかい、エルケの結婚生活に対する心配といった、彼女の生活を彩る数多くの出来事の一つでしかなく、「祖国への愛憎」という言葉が連想させるような重苦しさはありません。そこに、肩肘を張ったコスモポリタニズムとは違う意味で、それぞれの場所で日々を送る「人間」の普遍性を感じました。
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留学を終え、翻訳の仕事をしながらドイツで暮らす京。両親のいる日本と恋人の待つドイツを行き来しながら、心は両者の間をゆれ動く。旅先での出会い、友人の結婚と失意、恋人のとの諍い・・・幸せと苦悩を重ねながら、やがて京は歩むべき道を見定めていく。
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淡い色のみえるような描写
どこにいてもいつの時代も友人や恋人や家族と悩みながら人は生きているのだなという感じ