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前巻で一触即発だったけど激突がなかったのはいいのか悪いのか。存外両者とも大人だったということで。本編は記憶喪失はそのままに、エリザヴェータとその国周りの話。メインで話が進むだけにエリザヴェータの置かれてる/置かれてた環境も理解できるけど、私的にはやっぱりエレンの隣がしっくりくるかなぁ。しかし戦姫の副官はどこも優秀なようで。一難去ってまた一難と場面は変わるけどどう収束していくのか、それぞれの水面下での動きが活発になって続きが楽しみ。
絵のタッチ変わったかなーと思ってたら絵師さん交代なのね。前も挿絵なしの時あったし致し方ないか。理由はどうあれお疲れ様でした。
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イラストレーターがまた変わったよ・・・。
元々この小説の挿絵は「よし☆ヲ」が手がけていた。
それが、5巻で何があったのか「柳井伸彦」が担当。
さらにあろうことか、6巻では挿絵が一枚もないという事態に。
7巻、8巻では再び「よし☆ヲ」がイラスト担当として復活。
が、この9巻で「よし☆ヲ」がイラストから完全にハズレ、変わって「片桐雛太」が担当することが宣言された。
何があったのか知らないけれど、ここまで続いたシリーズの担当を「病気以外の理由」で変えたのなら、実に幻滅だ。
ところで片桐雛太と言えば、18禁ゲームの恋姫無双でキャラクタデザインを担当した一人としての印象が強い。
担当は関羽や趙雲、孫策のようなボインバインでセクシー系の姫武将。
あの辺のイメージが戦姫と重なっての採用ってことなんだろう。
諸葛亮や大喬小喬などのロリキャラも描いているので、オルガあたりにも期待できそうだ。
今巻のあらすじを大雑把に言えば、記憶を失った主人公ティグルが、ウルスとして戦姫エリザヴェータの従者となり交流を深めていくと言った感じ。
狙っているのかいないのか、これは物語り初期に描かれたエレンとティグルの交流の焼き直しになっている。
1巻で、戦場で拾われたティグルは、戦姫エレオノーラに弓の才能を買われ、その実力を周囲に認めさせながらエレンとの交流を深めていった。
それとほぼ同じことが、今回は戦姫エリザヴェータとの間で描かれる。
主人公の弓の才能を高く評価し、重要な役割を与えようとする戦記。
しかし、戦姫の周囲の人間は主人公に高い地位を与えることに反対する。
そこで戦姫は主人公の力を試すため、仕事を与える。
主人公は見事力を示し、周囲を納得させて実力で戦姫の側近としての地位を確立していく。
そんななか、国を治める戦姫としての顔を隠し、町娘に扮してお忍びで戦姫と主人公は町に視察へ赴く。
いつもとは違う立場で、戦姫は主人公と、年相応の娘として淡い恋心を育てていく。
みたいなところまで、エレンのときとほぼ一緒。
基本的に好きな流れなので楽しめたんだけど、ここまでエレンのときの流れを踏襲されると、作者的に何らかの思惑があるのではないかと疑いたくなる。
なにもないなら、あまりにもそこが浅いと言うか、薄っぺらに感じてしまうしね。
どうせならこのお膳立てを生かした展開を今後に期待したい。
ちなみに、エレオノーラのときとエリザヴェータのときで明確に違う点がひとつあって、そこが個人的に少し気になった。
それは、主人公の戦姫に対する呼称。
エレオノーラのときは早い段階からエレンという愛称で呼び、気さくな関係を築いている。
ところが、エリザヴェータ相手にはいつまで経っても呼称が「ご主人」のままで、愛称すら出てこない。
エレオノーラはエレン、リムアリーシャはリム、リュドミラはミラ、ソフィーヤはソフィーと言うように、親しくなると愛称で呼ぶことを許されるという流れがこれまではあったので、エリザヴェータの愛称はいつ出るのかと期待していたのに、これ���一向に出てこない。
そこが、個人的に少し気になった。
まあ、エリザヴェータを「ご主人」と呼ぶのは主人公のみなので、ある意味それが愛称といえないことも無いのかもしれない。
でも、ちょっと、期待はずれだったかな。
ところでエリザヴェータの愛称となると、どうなるんだろう?
おそらくリズになるのではないかと思うのだが。
エリザヴェータの過去を考えれば、これまで誰にも愛称で呼ばれたことが無いのかもしれない。
つまり、主人公がエリザヴェータを愛称で呼ぶ、エリザヴェータに愛称がつくというのは、結構大きなイベントになるのかもしれない。
てか、個人的な趣味領域だが、続巻ではそこんとこ盛り上げてくれると嬉しい。
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記憶を失ったティグルとエレンが再会。でも、記憶は戻りそうで戻らない。エリザヴェータえろいなぁ。たまらんよなぁ。今回登場した弓の能力、今後も使えるなら頼もしい切り札になりそう。
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ネタバレ 第3部の種撒きともいえるジスタート皇位継承権争奪闘争編。個人的には記憶喪失物語は余り好きではない。喪失した記憶の内容を操作することで何でもありになってしまうからだ。本作もそれに漏れないところである。とはいえ、そこの不満、つまりティグル(ウルス)の心の揺れに関わる描写は兎も角、エリザヴェータを含む戦姫、イルダーやユージュンも個性を持つ一個の存在として感じられ、時代に流されようとする中、懸命に生きる人々の物語として面白く読むことができた。魔物(化物)たちの暗躍と「弓」との関わりも興味をそそる展開である。