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紙の本
最終章は突然の悲劇より
2009/06/11 18:35
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
本シリーズの元ネタにはさほど詳しくないが、それでもあまり喜ばしくない展開というくらいは知っているつもり。そんな元ネタをトレースしていけば自ずと導き出されるものがある。そう、本巻よりいよいよ本格的に始まったシリーズ最終章は、まさに「やってくれたねぇ……」という驚天動地の波乱巻き起こる引きを見せるに至った。ここまでの流れが全てこのために用意された前菜に過ぎないと思えば、亜砂のウジウジモタモタしたヘタレ加減や、ボーマン達「三匹が行く」聖盃探索隊の珍道中の冗長さも帳消しになろうという第10巻である。子猫遊さんが最後に見せる純真健気な乙女心が切ないが、同時にトリスタン(絵師さんの『壮絶に絶望です……。』に同感)やイゾルテのことも気掛かり。ラースロットの今後も気掛かり。元を正せば今回全く出番の無かったモーガン姉さんの予言の真相も気掛かり。全てが謎のまま持ち越される今回である。どんなどんでん返しが用意されているのか、そんなどんでん返しは用意されていないのか。あとがきにある『夜明け前が、一番暗い。』がどのような展開を導きだすのかを心配しつつ楽しみにしたい。
ただ、このレーベルは以前、物凄い引きを見せた作品を出しているからなぁ。
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