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万世一系のまぼろし みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー5件

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紙の本

「万世一系」による男系天皇を保持するという主張は、皇太子一家を窮地に立たせていることになっていると警鐘を鳴らしている!

2007/01/18 12:07

15人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ブルース - この投稿者のレビュー一覧を見る

天皇制の根幹を成すイデオロギーである「万世一系」とは、かいつまんで言えば、初代の神武天皇から連綿と男系の血筋によって天皇位が受け継がれて今日にまで至っているというものである。本書は、このような考え方に果たして妥当性があるのかということについて批判的に考察を巡らせている。
著者は、まず、「万世一系」ということが史実として証明できるのかどうかということを、古代史の森に分け入り、古代史家たちの研究成果を援用しながら論じている。それによれば、日本にも王朝の興亡が確認され、具体的に言えば、祟神天皇、仁徳天皇、継体天皇などは前の天皇とは血統が異なっており、それぞれ新王朝の開祖と位置づけることが出来るという。確かに、これらの天皇は前の天皇の娘を妃に迎えており、前王朝との血の連続性を主張しているが、それはあくまでも男系ではなく女系による繋がりであり、「万世一系」による男系継承とは言えないとしている。また、古代の族長や大王(天皇)の継承は、男系・父系だけではなく、女系・母系を含めた双方的なルールで行われていたことが歴史的な事実として確認できると述べている。ここから導き出されるのは、少なくても日本古代においては、天皇家は「万世一系」や男系にのみによる継承とは程遠いということである。
続いて著者は、「万世一系」というイデオロギーが説かれた背景について論じている。一見、この考え方は、『古事記』『日本書紀』などの古代に書かれた書物から発しているように思われるが、意外とその歴史は新しく、明治政府によって、国民国家を形成するうえでシンボルとなるものが要請され、天皇・皇室をそうした象徴に戴いたことによるとしている。そこには、「神聖にして侵すべからざる至高の存在」として、「悠久の古代」から連綿と続いている天皇家の「万世一系」という共同幻想が作為されたとしている。
つまり、「万世一系」という考え方は、時の政府によって編み出された極めて政治色の強いもので、高々百三十年の歴史しか有していないということである。このような見解には、反発する方もいるであろうが、著者の論述には層の厚い古代史の研究成果や最近活発に行われている「近代見直し論」などを背景にしており、一定の説得力があることは否めない。
著者は、以上の論点を踏まえて、現在の天皇家と皇位継承を巡る状況について述べている。一時女性天皇の是非を巡って話題が沸騰したことがあったが、その際男系天皇の絶対維持を唱える勢力が熱い主張を展開したことは記憶に新しい。著者は、このようなあくまで男系天皇の存続を説く頑な主張は、かえって天皇家の人々、とりわけ皇太子一家を窮地に立たせることになっていると強い危惧を発している。雅子妃がなかなか適応障害から抜け出すことが出来ないのも、外交官という華麗なキャリアから一転して何かと束縛の多い宮中生活を送ることになったことに戸惑を覚えていることも大きいと思われるが、それにも増して、男子出産のプレシャーを受けていることに大きな要因があるのであろう。あくまでも、男系天皇に拘るなら側室を迎える他は無いが、当然ながら現代にあってはそのようなアナクロニズムなことは出来ようはずもなく、そうなると女性天皇を認める他はない。そうでないと、天皇家の未来は決して明るいものではなくなるであろう。
開かれた皇室を目指して行くためにも女性天皇の誕生は時代の趨勢と思える。本書の帯に載せられている皇太子一家の仲睦ましそうな写真は、これからの皇室のあり方を皇位継承を含めて象徴的に物語っているように思えてならない。

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2010/05/30 09:16

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2013/03/24 23:04

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2013/08/24 18:54

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2020/09/13 20:53

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