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内容は地味なのだが、警察という特殊な組織の一環が垣間見える。そしてそこにあるのは、警察官であると同時にひとりの人間である彼らである。『鞄』で柘植が陥る窮地、『黒い線』での平野瑞穂や『地の声』での曾根の苦悩。立場こそ違えど、我々が共感できるものである。
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この作品は短編集になっており、各々主人公が存在する。とはいっても、“D県警”という一警察署内で勤務する職員という縛りがあり、ある程度キャリアと経験を積んだ“刑事ではない”事務関係の職員が主人公になるという点が目新しい。人事を担当する役職や府警を束ねる役職に就いた主人公たちがその役職ゆえに自分の身に降りかかるトラブルを解決するために奔走する
主人公たちは40代前後という年齢設定であり、ある程度のキャリアがあるゆえにプライドも人並みの野心もある。それゆえに組織内で動くのにはしがらみも個人の立場も踏まえなければいけない。短編なので一つのトラブルを解決するだけだが、そこにおける情緒やユルさの介在しない主人公たちのメンタリティによって、物語はかなり硬質な印象を受ける。そして、ミステリとしての体裁もきちんと踏まえ、少ない枚数でバランスよく物語を組み立ててある
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なかなかいい具合にエンターテインメントしてて面白かった。組織んなかで野心と保身と組織への義務とか 読んでて気疲れするw
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D県警シリーズモノだそうです。この表題作を含む4作の短編集ですが、本当に横山秀夫さんの作品はうまいです。普通の警察小説は、犯人を追う刑事の側から書かれた人間模様などを描くことが多いのですが、この作品に出てくるのは、警務課、監察課、鑑識課、秘書課、という管理部門が舞台となっています。しかも、そこには警察独特の組織と言うものが存在するのです。
その組織維持、組織防衛と言う意識が、警察内部の「謎」解明を秘密裏に進める必要性を際立てます。そこに緊張感が生まれると言ううまい構成。登場人物が冗談も言わないような「大人の男」ってタイプの人が多く、こんな職場では息が詰まりそうだけど(笑)、警察内部と言うことで、なかなか面白いものです。事件「謎」そのものは、結構、陰湿な面もあったりします。それも、謎解明=不祥事にならないように秘密裏に行う要素かもしれません。
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確か一番最初に読んだ横山秀夫の作品。顔を読んだのをきっかけに読み返した。「組織」のなかでいかに抜け出すか。出世考えている人物ばかりなのは仕方ないのか
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大人気作家、横山秀夫氏の代表作です。元記者というのを彷彿とさせる文体で、客観的に書かれているのでスイスイ読めます。まだ読んだこと無い人は読んでみてください。
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舞台は警察なんだけど、いわゆる刑事事件を題材にしたものじゃなく、『警察という会社』に勤めるサラリーマンを扱った話。
当たり前なんですが、警察官だって公務員で、組織の一員なのです。
ノンキャリだって異動や年齢に見合った昇進があって、定年までに警視になりたいとか、再就職先(天下りだな……)はどうするかとか、それぞれの人生設計がある。
これは、とある県警本部を舞台にした、そういう人たちのお話なのです。
天下り先を引退したくないとごねだした元刑事部長の真意を探ろうとする人事課。
警視になれる最後のチャンスを前に密告された万年警部を調査する監察官。
犯人の似顔絵を書いてお手柄を立てた翌日突如失踪した鑑識課の婦警。
県警本部長の議会答弁を準備する秘書課。
警察の花は確かに刑事部なんだけれど、これも皆警察を支えている人たちなんだなあ、と改めて思います。
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警察内の課って色々あるんだなぁと。短編集ですが、すべてにつながりがあり、読みごたえありました。のちに『顔 フェイス』につながる話も登場し、ああという感じでした。満足です!
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異色のD県警シリ−ズ第1弾。約1ヶ月前に読んだ「顔 FACE 」の前作にあたる部分も掲載されておりましたが、この部分だけはネタ割れしており、少々残念。やはりことらを先に読むべきでした。
組織には組織をコントロールし、組織そのものの体力をつけつつ、次代へ引き継いでいく役割の人間が必要。。。として、刑事や公安ばかりが警察でないと言い切るところに、「警察」を「会社」に置き換えて共感する面が多くあるのかもしれません。2006/4/5
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警察内部で繰り広げられる、短編ミステリー。書かれているのが犯人とではなく、警察内部のことであるのがミソ。短編でミステリーってどうしても完成度が低くなりそうなイメージだけど、高くまとめられている。
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D県警内を舞台にかかれた警察小説。人間くさい、泥くさい人間関係が描かれてるのが魅力。権力や名誉、自分の置かれた立場からあがこう、組織の中でもがく人間、組織の伝統社会を守ろうとする人間、いろんな人間模様が見えてくる、そんな印象。
横山さん繋がりで読んでみました。
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松本清張賞受賞の表題作を含む警察小説の連作。
警察小説といっても、これまでのものとは明らかに異なる手法で描かれる。
刑事課が主役じゃない警察小説。組織そのものが主役と言ってもいいのかも。
警務課、観察課、鑑識課、秘書課・・・
私たちの知らない警察内部の人間模様。
警察という一種独特の世界の中で繰り広げられる人間ドラマ。
のちに大ブレークする横山秀夫の、記念すべきメジャー登場第1作です。
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この一風変わった警察小説という切り口は面白いなと思った。警察にも色々な警察がいるんだということが分かった。
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警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下り先ポストに固執する大物OBの説得にあたる。にべもなく撥ねつけられた二渡が周囲を探るうち、ある未解決事件が浮かび上がってきた…。「まったく新しい警察小説の誕生!」と選考委員の激賞を浴びた第5回松本清張賞受賞作を表題作とするD県警シリーズ第1弾。
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第三の時効のあとに読んだからか、あまり面白くなかった。とはいえ、刑事部以外の警察官D県警二渡警視が主人公の表題作。その他3編入ってますが、全編通して二渡警視が出てくる。(´-ω-`)ウーンそんなに魅力のあるキャラに思えなかったけれど。