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893×弁護士。そして年下攻め。定番中の定番で好みの設定でした。
いわゆる復讐劇ですね。妻を893に殺された弁護士の白神は犯人に報復するために六角組の顧問弁護士となる決意をします。犯人の黛は大物政治家の息子で、親が事件をもみ消したうえに六角と敵対する区道会と結託にかくまわせていることを知った白神は、六角を後ろ盾にして目的を成し遂げようともくろみますが、組長の妾腹の息子である昴輝に目を付けられてしまいます。
ページ数も分厚く読むのに根気がいりますが、とても腕の達者な作家さんなのでぐいぐい引きこまれてしまいました。まあ、王道ストーリーなのでだいたい先が読めてしまうので苦にならなかったせいもあります。
ただ、妻を殺されたという事件があまりにも凄惨でちょっと引きました。ロマンティック893BLというものは期待できません。
Hシーンも一方的で無理矢理というのが半分。白神の自覚が遅いせいなんですよね…復讐でアタマがいっぱいでそれどころじゃないのはわかりますが。
ただ、そんな白神が復讐で憎しみの炎を燃やしたり、事実が判明して生きる意欲を失ったりする過程はとても納得がいくものがあって、胸が痛みました。
昴輝の存在がなかったら、確実に最悪の方向にいっていたと思わされます。
そういう意味で昴輝はとても意味ある白神の救いとなる存在なのですが、彼の心情が今ひとつはっきり伝わってこないところが残念でした。もっと彼の白神に対する気持ちに共感できたらもっと感動できるはずのストーリーだったかなと。
弁護士とか893の世界を描写する腕はすごいけど、それに対してラブ面の萌えが少しもの足りなかったかな~と思いました。きっとページ数の問題でしょうね…きちんと細部まで描写して、嘘くさい世界観になるのを避けたんでしょうね。
エロシーンはとても多かったけど、事件にとらわれてちょっとのめり込めなかった気がしました。