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ある日、行方しれずになった兄の行動を義姉と調べていくうちに、高知で起きた放火事件に兄が関わっているのでは… との疑いが出てくる
話の先が読めなくて、怪しいのはコイツだと次々に連城氏に提示されてくる。
最後まで惑わされ続け、結局それで話の辻褄は合っているのか全くもってわからない結末であった
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全盛期には及ばないものの、それでも安定のハイレベル。
失踪した夫を探すというよくある序盤ではあるが、いったんストーリーが動き出すと次から次へと展開していき、先の読めない話から目が離せなくなってくる。中盤で派手に転調したあとは、男女の心理戦を中心とした迷宮のような雰囲気で一気に読ませる。よくあるネタなのに、鋭くねっとりした男女の情感だけでここまで劇的に変わるとは。後半、心理描写の上塗りで読者を手玉にとる展開は圧巻。
絡み合った謎の行き着く先は唐突すぎて若干の違和感に見舞われたけれども、どこをとっても謎一色の深みあるストーリーには大満足。あと何冊読めるのかなあ。
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連城三紀彦作品初読み。
面白かった〜(^◇^)
疑心暗鬼に陥ると何が正しいのか分からなくなりますね^_^;
他の作品も読んでみたい。
オススメ教えてくださいまし〜(^◇^)
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ひとりの平凡な男が突然消えた。弟直行は、土佐清水で起きた放火殺人事件、四国の寺で次々と見つかるバラバラ死体が、兄の失踪と関わりがあるのではと高知へと向かう。真相を探る度に嘘をつく義姉を疑いながらも翻弄される直行。夫を殺したかもしれない女に熱い思いを抱きながら、真実を求めて事件の迷路を彷徨う。禁断の愛、交錯する嘘と真実。これぞ、連城マジックの極み。耽美ミステリーの名手が遺してくれた渾身の1000枚!闘病中に書き上げた執念の大長編を、追悼の意を込めて、一周忌に刊行―。
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怖かった。初めはただの浮気の果ての逃避行かと思われた平凡な男の失踪が、美しい青い蝶・アサギマダラを介してはるか四国の放火事件やバラバラ死体遺棄事件と繋がり、じわりじわりと怖くなる。しかも、夫・靖彦に失踪されて呆然とする妻だと思っていた順子は、靖彦の弟・直行に痴れっと嘘をつくのである。夫と妻と義弟の捻じれた三角関係、そしてはるか四国の歪んだ三角形。関係があるようで遠いようなもどかしさ。真相に近づきかけるとするりと逃げられるような喪失感。そして思っても見なかった真相。捻じれ歪み背筋がうすら寒くなる一冊だった。
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ある日突然失踪した夫。残された妻は義弟を頼り、夫の行方を探そうとするものの、周りで起こる不可解な事件の数々に翻弄される。夫は事件に関与しているのか、そして安否はどうなのか。
物語的には大きな盛り上がりがなく、淡々と進む感じなのですが。重い情念と漂う疑惑が抒情的に描かれ、耽美な印象が魅力的。どっぷりと世界観に浸りながら読める一作です。
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失踪した男性の行方を追うという平凡な出だしですが、妻と弟が「自分達のせいで失踪してしまったのではないか」と疑心暗鬼に陥り始めると、ついつい先が気になり一気に読んでしまいました。深みのあるストーリーに細かい反転の連続、バラバラ死体や特種な時間表記の解読など、ミステリーのガジェットもたっぷりで面白かったです。
ただ、真犯人が唐突に明かされ、その後の真相もかなり駆け足気味に語られるので、カタルシスが小さくあまりスッキリしませんでした。
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形勢二転三転。
消えた男は、被害者なのか、加害者なのか。
その陰に見え隠れする女の正体は?
タイトルの「処刑」は、誰が、誰を?
連城さん独特の、もってまわったような表現に
最後まで翻弄されていた。
それが、不思議と快感なのだ(笑)
連城作品は、終盤に大きなパラダイムシフトが
あったりするので、警戒しながら読むのだけど、
たぶん、私程度の警戒は、作者の想定内だと思う(笑)
さらにその上を行く展開が待っていてくれるのが
いつも楽しみ。
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地の文の信頼性が揺らいでいるのは筆者の持ち味でもあるのだが、本作はそれが激しく、ミステリとしては逸脱しているかもしれない。幻想文学に近い味わいからラストに強引に解決に持っていくが、性急な感は否めない。7.0
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学校の図書室で借りた本。
ある日、規則正しい生活をしていた平凡な夫が失踪する。
妻と、夫の実の弟は捜索を始めるが、謎は深まるばかり。
夫と一緒にいる女性の正体は?
夫が失踪した日に高知で起こった事件との関係は?
五時七十一分の謎は?
話の流れが二転・三転して、夢中になって読了。しかし結末は、もやっと。
他の方の感想を拝見すると、この著者の遺作で、未完成らしいので、完結編を読みたくて、残念で仕方がない。
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わからん
真相はどうなってるの?
読解力不足だから、なにがなんやらわからんエンディングだった。残念。
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ミステリーでありながら、美しい文章と気品のある色気に魅了されたのは、80年代に初めて読んだ『戻り川心中』だった。筆者はトリッキーな作品が多いけれど、特に初期のものは読後に妖しく美しく哀しいトーンの余韻を残す。読書歴を重ねてきた最近では、その魅力はかつてほど強烈には感じられなくなってはいるものの、それでも丁寧に言葉を紡いでいく独特の雰囲気があって、新刊が出れば読みたくなる好きな作家だった。
一人の男が行方不明になり、その妻と弟が足取りをたどっていく。不審な人物、謎めいた暗号のような言葉、ひとつの疑問から異なる推理が何通りも展開され、くるくると状況が変化する。その目まぐるしく変わる推理に、誰もがみな怪しく見えて、読み手の混乱を誘う。
誰が犯人かということ自体より、翻弄されながら読むこと自体が面白いと思える作品だった。
新作が読めなくなってしまった今、非常に寂しいけれど、胸をときめかせながら読んだ初期の作品を、もう一度手に取ってみたくなった。
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これは遺作なのか…。やっぱり心情描写がすごい。
でも妻(義姉)は真実を知っているのかどうなのか?
なんか最後ちょっともやっとした感じで終わった気分。
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作者の遺作となる三角関係ミステリ。最初に提示される主人公の兄が失踪する謎、その兄の失踪に関係があると思われる高知での放火事件と三角関係の謎、これらの謎を主人公と兄嫁が探ってゆくが、その兄嫁の言動にも不審なことが相次ぐにつれ疑心暗鬼となる主人公と、謎だらけのミステリ。
ただこの作者の作品としては消化不良の感があった。
犯人も推理小説の定番だし、時間表記のような謎も舞台が四国であることから想像がついてしまったし、そして何よりこの謎の必然性がどこにあるのかわからない。最初に提示される謎が魅力的なだけに残念。
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相変わらずの目くるめく構成力、虚実入り乱れる幻惑感。
ですが、同じエピソードを延々繰り返しているだけのような印象。そんなわけがないのですが。
全体的に単調で正直飽きる。
義姉にまったく魅力がないのもどうなのか。これは個人の嗜好かとは思いますが、同性には嫌われるタイプのように思う……
義弟目線の話だからいいのかな。
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*平凡な男が突然消えた。弟直行は高知の放火殺人事件と兄失踪の関わりを疑う。
真相を探る度に嘘をつく義姉に翻弄される直行。
夫を殺したかもしれない女に熱い思いを抱きながら、真実を求めて事件の迷路を彷徨う。 これぞ連城マジックの極み、渾身の遺作1000枚!*
連城さんらしい、万華鏡のような展開。どれが真実で、どれが想像なのか・・・ページをめくるたびに翻弄され、読み終わった後も、本当の真相は別にあるのでは、と思わせる。