電子書籍
自分にとっての神作品
2022/11/14 05:35
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投稿者:iogimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
たまき先生の繊細な絵が大好きでかなりの作品を読んでいます。その中でこの蛇崩が私にとっての神。もちろんコミックも手元にあるのですが、今回電子でいつでも読める機会に出会えて嬉しいかぎり。
高校くらいから始まった交流がひととき途絶えて、社会人になり再会するまで。時の流れが美しく描かれています。円の父が亡くなったり、龍の家が破産?したりの難局もあるのですけど、それも背景として海に至る川が流れる。出会いを果たすエンディングもとても優しい。
蛇崩交差点には何度も聖地巡礼していますが、交差点にある銭湯は取り壊しで景色が変わり残念。でもまだ緑道も世田谷公園も健在なので、たまき先生の世界に心撃ち抜かれた方はぜひ巡礼なさってください。
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何かあと一歩なかんじ…絵はうまいよな。ファンタジーじゃないリアルな話なので期待してたんだけど主人公が金持ちすぎて全然リアルじゃないわ生活感ゼロだわ。うまいので、もっと細かい描写があればグッとくる気がするんだけどやはり現実味のある話は苦手なのかな?
どうでもいいけどさ、紙袋にオレンジぎっしり詰めてそのまま持ち歩いてるひと見たことないんだけど漫画やドラマではよくあるよね(笑)で、ベタに落としてゴロゴロ…で拾われ…ってさすがにさ、どうなの?
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良かった~!!!!
藤さんは読んでて上手いなぁと感心してしまう作家さんの一人ですが、今回も上手いなぁと思う一冊でした
龍一はいつも横断歩道ですれ違う“マド”に十年来の片思いをしています
“マド”っていうのはあだ名で、円(まどか)が本名なんだけど、円で“マド”ってすごく良い…!
お話のポイントではないんだけどww
龍一は直接話すまで、偶然耳にしたあだ名しか知らなくて、読んでる方もなんで“マド”?マドってことは…本名は何だろう?ってわくわくしちゃいました
藤さんの作品って、タイトルとかキャラクターの名前とか良いなぁと思う
出てくる小物のチョイスも良い
お話の中で夜に緑道を歩くシーンが印象的
私が大学時代に住んでたアパートの裏にも緑道があったのを思い出して、すごく懐かしい気持ちになりました
藤さんの作品は登場人物が不憫すぎて読んでて辛くなることがありますが、今作は個人的には痛すぎず甘すぎず読みやすかったし、お話の展開も好き
二人が別れるシーン、円が龍一を酷く罵ってしまうのが良かった
中盤は不幸フラグが立ってて不安になったんですがww
ラスト駆け足だったけど、ちゃんと終わってて読後感も良かったからホッとしました
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高校生2人の甘酸っぱいひと夏のお話。
交差点ですれ違うのを小さい時からこっそり見ていただけの相手と、ひょんな事から知り合いになれてどんどん距離を縮めていけたのに、肝心なところで踏み込めない。
周囲に対する閉塞感、無邪気な残酷さなど、多感な年頃の少年同士のままごとのような恋愛が長続きするはずもなく。
結局、一度は別れてしまう彼らでしたが、月日が経ち成人してから再会し、あの一時をお互いに語り合ってからまた二人で歩もうとするラストには余韻があって、ああやはり藤さんの描かれる男の子たちはいいなあと再確認できました。
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円の家庭事情だとか、もの凄く重たい題材のお話なのにどこまでも詩的で美しい作品。藤たまきさんは痛い、と可愛い、を両立させるのがとても上手い人だと思う。
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表紙が綺麗だな~と思って、前々から気になってたので今回中古で購入。
う~ん、雰囲気はあって良い感じだと思うんだけど何かが足りない感じ。
ストーリーにもうちょっと、すんなり入り込めれば良かったんだけどなぁ・・・
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どうすることもできない自分の世界、うまくかみ合わない思い、それらを象徴するかのような蓋をされてしまった川・・・・・・。
若い暴走なんだろうけれど、静かだった。
そこがジワジワ切なくて、怖い。
藤たまきさんの世界だなぁって思った。
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五叉路で擦れ違うだけの子に10年来の片思いから始まる物語。現実は「擦れ違うだけ」で終わってしまうものを、フィクションであるから物語が動く、と言う醍醐味を満喫。自分にないもの、自分が持ってないものに惹かれるのは「焦がれる」からであり、自分にないものを持っていることへの「憧れ」から生じていると思う。自分の置かれている境遇から救ってくれ、と一方的に望むのは間違っていると思いながら、持ってないモノを持っているから好きなのかもしれない、と疑いながら、それで「好き」を続けて行くのはやっぱり理屈をこねまくらなくても好きだからに違いない。何年も年月を置いていても変わらない、と言う話が好きなんだよなぁ…自分自身、そう言う思いはあっても「忘れられない思い出」にしてしまって、もう一度接点を持とうと行動を起こすことが無いから、ある種の理想なんだよね…
藤たまきさんの『蛇崩、交差点で』読んで寝たんだが、藤作品のリアルとファンタジーの境界線の融合具合はなんと表現したらいいのか、絶妙な味わい。台詞は童話の中の言葉のようなのに、円や龍が口にすると、その言葉は彼らの本心を表す最も適したリアルな言葉なんだ、って思うし。