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紙の本
少しだけ天性の“開花”を感じさせた花
2010/09/29 17:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙に反して華の挿絵が少なくて、ちょっぴり残念に思う諸兄がいるかもしれないが、その分、花が頑張っている。口絵の水着が少し緩んでいるにも訳がある花の演技に天性とも言える素質と、その開花の予兆を忍ばせた第2巻である。前巻に比べると少しだけおバカさんというかおとぼけさんなノリが加わったようにも感じられる花だが、ずっと努力を重ねてきた華に対し、僅かな期間で追いつきつつある花の存在に脅威と嫉妬を抱く華の心の奥底を、今回の映画の最後のシーンに絡めて垣間見せる秀逸な演出で人間味を持たせつつ、一見すると犬猿の仲でありながら心の奥底では強く結ばれている2人の姿が描かれていた。それも、これを結果的に助長することとなった映画部のヒロイン【鴻池蘭子】の存在があったからであろう。真摯に映画と向き合う真面目っぷりが不器用でもある蘭子と花&華との確執一歩手前な状況から、挑発に乗る形で覚悟を決め、腹の据わった演技で昇華していく中で、最後は言葉でも態度でもなく、その演技で見せるところに表現者同士の壁と理解が描かれていたように思う。物事の背景を見ずに一点でしか捉えていなかった狭量さも感じられた蘭子ではあったが。しかし、演劇のモンスターたる特別な人を指しながら、刹那に花開いた花の演技をも示した『表現の世界に足を踏み入れるために生まれた人間』という言葉にはなかなかの凄みがあった。
それにしても、夏休み!撮影合宿!露天風呂!といったムフフな状況にお約束な展開も盛り込まれているとはいえ、あれだけ想いをはっきりぶつけてくる2人に対して返答をいつまで保留するのかな、夕クン?と思わずにはいれらない。しかも寝るのも同部屋で2人に挟まれてるなんて許せない!主人公補正かかり過ぎ!と憤慨してしまいそうだが、この思いを撮影に代えて応えることでお互いを高めているようである。何気にいい味を出してきた知佳先輩も面白かったが、次巻以降でのコンクールを審査する特別ゲストが誰なのかも気になった。
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