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タイトル通り、本(書庫)にまつわるサスペンスっぽい短編4編。
・面白かった編「ナチス・ドイツと書斎の秘密」
プロングホーンが何か分からなくて検索した。今なら保護規制とか諸々引っかかりそうだけど(当時もかな?)、原価が輸送費だけならそりゃぼろ儲けよね!と思う。ってかこんなん乗っけて飛ぼうと思った発想がアメリカだなーと思った。
ナチはあんま重要じゃなかったんでタイトルは微妙かも。
・面白くなかった編「受け入れがたい犠牲」
ちゃんと肉付けすれば面白かっただろうに惜しい。
「ナイフのように切れる男」って設定が生かされてなく、見せしめも何で必要なのかよく分からなかった。(現地人には言わずもがななの??)
あと犯人側とターゲット側と両方書くなら襲撃側を侮るだけじゃなくてお互いを出し抜きあう頭脳戦みたいなのが欲しかったけど、それをしだすとまた分厚い長編になっちゃうのでやめにしたのかな。何が「受け入れがたい」のか、誰にとって「受け入れがたい」のか、そこんとこ皮肉っぽいタイトルは(原題の”acceptable”と逆につけたことも含めて)上手いと思ったのになー。
<総評>
本×ミステリ縛りでのアンソロジーは面白いと思ったけど、どれも苦めの終わり方でちょっと辛い。それ以前に思い込みで突っ走って玉砕というのが半分あって、これミステリなの??ってのも微妙。解説の杉江氏の文章は面白かったです。