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序盤のコメディパートが肌に合わずハズレを掴んだと思ったが、物語が事件を伴って進行しだすと非常に面白くなった。
事件の容赦なさ、魔女や呪い、恐怖の感情がねっとり不気味さに満ちていてたまらなく好き。コメディパートの過剰なくらいのゆるさもかえってスパイスになっている。
主人公のひとりである黒曜の闇の体が、こういう設定にありがちな「ただの霧状の強いやつ」ではなく、禍々しさと攻撃性がしっかり描かれているのも良い。
物語のつくりは非常にありきたりなのだけど、それも退屈にならないくらい画的な演出が楽しかった。
それだけに物語が本題に入りかけていたところで終了したのは残念。
伝説的な存在であるはずの「12人の魔女」のうち数名が急ぎ足で登場し、主人公勢のちょっとしたトリックで撃破されてしまうなど、この辺りのおそらく連載上の事情のせいで作品が捻じ曲がっていそうな点も残念。
惜しい。
自分好みの作品に対して甘く考えすぎているのかもしれないが、ほんの少し事情が違えば人気作品として長期間連載していそうな雰囲気を感じた。
表紙も素晴らしく良い。