紙の本
検索エンジンがインターフェースのメタファーになる過程
2006/05/07 19:45
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る
会社の同僚に教えられて生まれて初めて google を使った日のことをいまだに忘れない。それまで僕にとってサーチ・エンジンと言えば yahoo! だった。ところが、まさに最初の検索結果が出た瞬間から、僕は筋金入りのグーグラーになって現在に至っている。今でもほとんど例外なく最初に調べるのは google であり、かつ、それで満足な結果が得られず他の検索サイトに移ることはまずない。何らかの理由で特にカテゴリ型の検索をしようと思う時に yahoo! に手を出す程度である。
この本は画期的な google を開発した2人の大学院生ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンを中心に、サーチ・エンジンの歴史から google のライバル企業の動静まできめ細かに描いている。ちなみに「ページ・ランキング」のページがホームページのページではなく開発者ラリー・ペイジの姓であったとはこの本で初めて知った。
著者のジョン・バッテルはワイアード誌の共同創業者であり、ITバブルの中で起業して大儲けをしたかと思えば立ち上げた会社が倒産したこともある人物で、同じ業界の中から、言わばペイジやブリンの広い意味での同業者として早くから検索に注目してきたジャーナリストである。
そもそもこの本に興味を持った人なら、理解できないような難しい技術的な話はひとつも書かれていない。バッテルが積み重ねてきた取材を再構成して、検索というものはいつどのように始まったのか、それまでの検索と google の方法論の決定的な違いは何か、ネット広告はどのようなビジネスモデルによるのか、google とそのライバル社は今後どのようなサービスを展開しようとしているのかなどを、ペイジとサーゲイの人となりにも触れながらスリリングに展開している。特に第7章の google とSEOの果てしない戦い、そして言わばその戦いの流れ弾に当たってしまった中小企業の悲哀、第8章の検索とプライバシーの問題、第9章の google 上場を巡る顛末などが大変面白い。
読み始めてすぐのところにサーチ・エンジンの神髄を語った言葉がある。「わたしたちが入手できる情報量が爆発的に増えていくにつれて、検索エンジンはユーザーにとってインターフェースの隠喩(メタファー)となった」(11ページ)──この本にはまさに検索エンジンがインターフェースのメタファーになる過程が描かれている。
by yama-a 賢い言葉のWeb
投稿元:
レビューを見る
Googleがなくてはならない生活を送っているので、すごく読みたい。
副題をつけるとしたら
「だからGoogleはやめられない」
……なんちゃって
(未読です)
投稿元:
レビューを見る
サーチエンジン業界の歴史にはじまり、グーグルの生い立ちから現状、さらに今後のサーチエンジンの展望についてまとめられた良書。
投稿元:
レビューを見る
検索エンジンの歴史が語られるだけでなく、「検索」の概念についても大変興味深い考察がなされている。
本当に面白かった
投稿元:
レビューを見る
米google社の創業からこれまで。インターネット創成期からの振り返りや今後の検索業界の展望など。とても読み応えアリ。
投稿元:
レビューを見る
いや、舐めてた。ただのgoogle及び検索業界ヨイショ本かなあと思ってたんだけど、全く違う。この著者が前提としている世界観はgoogleの目標を更に分かりやすく翻訳した以下の言葉に集約されている。「目標とは、世界中の情報を組織化し、世界中からアクセスでき、有益なものにすること〜中略〜「検索」という言葉は使命ではなく、一つの推論・仮説である事に留意しよう。発見される必要のあるものを推測する方程式である。p364」
検索業界の究極的な野望は知覚の最初の一歩を牛耳ってきた“文字”に禅譲を迫り、その玉座に就くことなんだということが、深く理解できた。って、妙に深刻ぶる以外にも、スタンフォード時代の逸話集、上場前後のエピソード、アイディアラボのビルグロス、そして現在や将来にわたって抱え込むであろう(そしてその一部は既に現実化しまくってる)グーグルの問題点など見所満載。アルタビスタに愛着のあった人なら、「第3章グーグル以前の検索」は涙して読めない悲哀に満ちていると言うかDECこの野郎!ということでちょっとあり得そうな未来を知りたい人は必読。
投稿元:
レビューを見る
これもきわめて常識的なラインの1冊ですがジョブズとかベゾスみたいなエゴの塊を相手に書くのと違って至って淡々としているところが類書と併読すると際立ってくるという。
投稿元:
レビューを見る
グーグルに至るまでの検索エンジンの歴史が非常に良くまとまっている。グーグルも先進的な技術だけではなく投資家、競合会社の戦略の課程の中で幸運にも生まれた会社であるようにも思える。
投稿元:
レビューを見る
検索を通して文化・経済活動のあらゆる側面について、また、1990年代初めから未来までのインターネット時代について語られた本です。
本書は明示的ではありませんが、大きく3部に分けられます。
1部:グーグル以前の検索
2部:グーグル検索
3部:グーグルの明日(未来の検索)
1部では検索の歴史を学ぶ上で非常に面白かったです。
技術的な詳細は記されていませんが、どのような機能・目的・企業背景があったのか?そして、その命運は・・・
ここではグーグル以前の検索がいかに粗末に扱われていたのかが伺えます。
2部ではグーグルの誕生における舞台裏がとても面白いです。
論文のインパクトファクターのコンセプトによりウェブページをランク付けするページランクの話。
wwwをクロールし世界一ネットワークの整備されたスタンフォードのネットワークを何度もダウンさせた話。
そして、彼らはこの強力なデータベースを手に企業し、サーチエコノミーのトップへと上り詰める話。
その他にも様々なストーリがあり、どれもワクワクします。
3部では今後のグーグルについて、さらには検索の未来について現状を踏まえた著者の考えが記されています。
特に最終章「完全なる検索」における展望のメインディッシュ「セマンテックウェブ」の概念にとても心躍らされました。
全体として満足できた本書ですが、訳語に読みにくい点が少々あったため☆4つです。
投稿元:
レビューを見る
近い未来、Googleという会社、そしてインターネット業界を振り返るにあたり、この書は記念碑的な一冊になるんではないかという気がする。ちょっと前の今がわかる(って言い方変だな)本です。
歴史を紐解き、今を分析し、未来を語る。構成はフツーですが、辛辣な意見を述べている点が、数多あるほかのGoogle研究書と違う点でしょうか。
投稿元:
レビューを見る
検索技術の革新が世界を変えるという内容。検索の歴史は予想以上にエキサイティングであり、その革新の歴史は現在進行形です。
投稿元:
レビューを見る
200604 Googleやサーチエンジンだけでなく、シリコンバレー的ベンチャー物語に興味があれば面白く読めると思います。Google不遇の時代が面白い。
投稿元:
レビューを見る
今まで読んだグーグル本の中で、もっとも秀逸。グーグルの強さをさまざまな側面から照らし出すだけでなく、検索技術の発展を見込んだ将来像まで描いてみせる。梅田望夫のウェブ進化論と一緒にどうぞ!みたいな。
投稿元:
レビューを見る
インターネット業界の人は読むべきです。サーチとはたんなる検索であって検索以上の何かであるってことを考えさせられました。
投稿元:
レビューを見る
Google前とGoogle後の世界は全く違う。なぜそんな事が起こりえたのか、これから何が起こるのか、それがここに書かれている。