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1979年にMyersが書いた"The art of software testing"は、翌年の1980年3月に翻訳され『ソフトウェア・テスト技法』という書名で発行されました。
それ以前も『プログラム・テスト法』、『プログラムの理論』、『実践プログラミング技法』といった本でソフトウェアテストの話題やテクニックは取り上げられていたのですが、本のタイトルから判るようにプログラミングの一部としてのテストという扱いでした。
それをMyersは、まだartだけど、プログラミングから切り離したテストと言うものを見せてくれたというところが偉く、以降35年に渡ってソフトウェアテストのバイブルとして読み継がれてきました。
(2006年に第2版が翻訳され、2011年に未翻訳ですが第3版も出版されています)
どうしてMyersを振り返ったかと言うと、本書は、ソフトウェアテストからソフトウェアテストの自動化を分離し、新しいパラダイムを提示した本のように思ったからです。
これまでは、テストの自動化については、{した | しない}の区別しかなく、テストの自動化はソフトウェアテストの効率化のためだけの技術と位置付けられていたように思います。
ところが、本書では自動化した「テストウェア」の良し悪しについて語られます。クールな自動化を行うためのガイドなのです。
(タイトルの「システムテスト自動化」はちょっと言い過ぎで、本書のほとんどは、「機能テスト自動化」だと思いますが)
したがって、2015年から私たちは、テストを自動化したことだけでは、それを誇れなくなりました。
自動化されたテストの品質が問われる時代の幕が上がってしまったのです。
そんな素敵な本なのですが、惜しむらくは厚すぎることです。(448ページもある!)
欧米の本(特に複数人で書かれた本)は分厚いのが普通なのでしかたないし、翻訳されたみなさんのご苦労を想像すると、大感謝で「ありがとうございます」以外の何物でもないのですが、半分以下のページ数で同じテーマの本も欲しいなと思いました。
たとえば、「DDP」は確かに簡単に使え、役に立つ良い方法だけど、この本に書かなくてもよいのではないかと思いました。(ドロシーが書きたかった気持ちも分かりますが)
そこで、今回翻訳されたメンバーの誰かが、200ページ程度で、自分の視点で本書を串刺しにして書き下ろすと良いのではないかと思いました。そしたら、ソフトウェアテスト自動化のバイブルができると思います。