影 みんなのレビュー
- カーリン・アルヴテーゲン(著), 柳沢由実子(訳)
- 税込価格:913円(8pt)
- 出版社:小学館
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紙の本
人はあっけなく、なんのひっかかりもなく、簡単に堕ちる
2010/01/04 20:35
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノーベル文学賞作家は、脳疾患で全身麻痺になっている。その息子は、父の威光に頼って仕事をしている。そして家庭は崩壊しかけている。
かつてその家につかえていた家政婦の死によって、家族の闇がうかびあがってくる。
人と過去が交錯する手法が心にくいばかりです。
全ては絡み合い、もつれながら、それでも解かれていく。明らかになったとき、唖然としてしまう。何があったのか、読んでいく中で推察できるし、その想像を大きく超えたものでは決してない。けれど、あっけにとれてしまう。
人が堕ちていくとき、それはもっとためらいや躊躇があるものではないのか。こんなにあっさりと、滑り落ちるように堕ちていくそんな俗悪なものなのだろうか。
積み重なっていった悪意というものは、人をこれほどまでに愚鈍にさせるのだろうか。
…でも、一番醜悪なのは、その死によって静まった湖面に石を投げ入れた形になった家政婦なんだと、私は思う。
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