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久しぶりにラノベを読んでいて心を乱されました。
二年前ほどだったら、どうしてこの登場人物はこんな不幸な目に合わなければならなかったのか、思い悩み枕に涙するほどでした。
今回の不幸は酷いです。
もしこれから読む人がいるなら心していて欲しいと思います。これって十文字青作品だからね。
さて、では今の自分はどうなのか。
こういった不幸も楽しんでしまう自分がいます。
こう書くとどんなねじ曲がった根性をしている人だと考えるかもしれないですね。
でも慣れって怖いです。
ラノベの大抵の流れには慣れてしまって、そこまで読んでいてハラハラすることは少ないんですよね。
この巻ではハラハラしまくりです。
こういう不愉快なところをちゃんと書くのは、物語のスパイスとしてはいいと思います。
読んでいて様々なことに思いを巡らせたからこのレビューに書きたいことはたくさんあります。
例えば、サクラの姉、エリカルリス大王妃のこと。
物語終盤で突然ぶちギレますよね。
最初はいままでの仕打ちに発狂したのでは思っていました。
でも、きっと彼女は最後まで誇りを持っていたような気がします。
それを乱入者のせいでめちゃくちゃにされてしまいました。
いままで彼女が我慢してきたことが無駄になってしまったのです。
だから激昂したのだと思いました。
でもここまで不愉快なものを見せてくれたからこそ、ハイジが姫の手を取るシーンはすかっとさせてくれますよね。
ほんと、姫の言葉に振り回されて死のうとか生きようとか考えているハイジがおかしすぎて思わず笑ってしまいました。
だって周りの環境を見たらさ、こんなにも腐っている場所にいるのに、ハイジは純粋に天然で一途すぎて、滑稽すぎるでしょ。