電子書籍
渋谷系への壮大なオマージュ
2017/01/30 23:36
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投稿者:にょっきー - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は当時まだ生まれていなかったけど、この作品を読んで90年代初頭の追体験をすることができた。書いてくださって、ありがとうございます。
電子書籍
ドルフィンソング
2017/01/19 09:27
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投稿者:江ノ島太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
シアトルのくだりは強引やったかな。でもSキングのタイムスリップものよりは、スッと入ってくる小説やったね。
毎号買うわけではないBRUTUSで飛び飛びに読んでモヤモヤしてたので、ようやくスッキリしたわ。
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連載で追いかけていたので書籍でもう一度最初から読むとまるで自分が主人公トリコになったように物語を体験することになった。
サンプリングとオマージュ、剽窃ではなく先人のアイデアや創作に自らのフィルターと愛情なんかをブレンドすること。守破離の法則に限りなく近いが樋口さんは完全なファン気質だからこそそれをやりきる。
オリジナルなき世界に、すべてのものがn次創作になってシミュラークルになっていく中で、それを熱意とか愛情とか尊敬をもってやりきるとそれが新しいオリジナルになるということを示している小説だと思う。
続編に期待するならば、コートニー・ラブが主人公だとすると生き延びた彼女とビリー・コーガンとマリリン・マンソンのあのスリーショットについて言及してもらいたいですが。
これでデビュー作『さらば雑司ヶ谷』で小沢健二の歌詞を使ったことにより注目された樋口さんの(そのことは文庫版の水道橋博士さんの解説に詳しいのでそちらを)第一期が終わったのかもしれない。
左のカーブを曲がって光る海という第二期の始まり。
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歌詞の引用より当時の世相描写の方がグッときたなぁ。トリコさんの病院内描写は岡崎京子を連想させられた。
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この著者の小説はいつも良い意味で裏切られる。
今回はタイムスリップもの。といっても別にSFとしての面白さが有るわけではないが、80年代を生きた者としては、なかなか面白かった。
ダメ男に引っかかったトリコは自殺を図るも、タイムスリップして45歳のまま15歳の自分がいる80年代に飛ばされる。
そこには自分がかつて心血を注いだ大物ミュージシャン「ドルフィンソング」(三沢夢二と島本田恋のユニット)が活躍を始める時代でもあった。その後恋は夢二に殺害されたとされ、夢二は死刑となっている。自分がタイムスリップした訳は、その事実を阻止することと判断したトリコは、その驚異的なヒット曲予測者として、音楽業界に食い込み、ドルフィンソングに近付いていくのであった。かつての恋人や過去の自分との出会いにより、事態は急激に動いていく。
渋谷のドクタージーカンズって昔行っていたなぁ
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もう少し長く続いても良かった、終わらないでほしい物語。仕掛けられた企みと嘘と引用句が最高な渋谷系小説。高校生でこれ読んでたら、人生狂ったかも。
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青春物語だ。しかし、途中からネタが分かってしまった。ストーリーは、可もなく不可もなくでした。タイムトラベルもの。
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先日、樋口毅宏さんの「ドルフィン・ソングを救え!」を読みました。
タイム・スリップもので、フリッパーズ・ギターや小沢健二さんやコーネリアスの曲名や歌詞を、いたるところに引用(サンプリング)した作りの小説でした。
読みつつ、この登場人物はあの人のことを指してるのかなあ?とか、いろいろ想像して読んだりしました(実際にいる人たちをモデルにしてると思うので、下手したらクレームとか来るんじゃないかなあとも思ったりしました)。
中身は、事実半分、想像半分て感じなんですかね?
そして、「あとがき」を読むと、続編がありそうな感じでした。
しかし、ドルフィン・ソング(フリッパーズ・ギター)が終わりを向かえるちゃんとした理由、みたいなものははっきり描かれていないので、やっぱり、フリッパーズ・ギターの解散理由は、本人や近くにいたスタッフの人たちにしかわからないんでしょうね。
そして、樋口毅宏さんの小説は、「ドルフィン・ソングを救え!」以外にも、2冊読んでるんですが、「ドルフィン・ソングを救え!」が一番読みやすいような気がしました。
そして、今作に関しては、ちょっとマンガっぽい雰囲気も感じたりしました。
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面白かった。この人の作品は初期から読ませて頂いているが、今にも爆発しそうな狂気的な暴力性をはらんだ文体が洗練されてきている気が。
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フリッパーズファンによる
オリーブ世代の物語。
同世代のわたしには
ニヤリな固有名詞が散りばめられた本作は
それゆえに
同族嫌悪的な苦々しい気持ちももたらす。
そこそこ面白く読んだけど
最後のエッチのシーン以降が
当時風の言い回しで言えば
ゲロゲロだった
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最高!ぱっと見ヤングアダルトなのかなと思ったけど、私の世代(もうちょい上でも)じゃないとつまらない、何がなんだか分からないと思う。私も全部のエピソードが拾えた訳ではないけど、随所に散りばめられたフリッパーズギターの曲名がもう〜(o^^o)、YouTubeで聴きながら最後は読みました。表紙は岡崎京子のリバースエッジから(有名なのは知ってるけど読んだことはないです、これは、世代です!まだ30代!)。ぜひ、昔オリーブ少女だったアラフォーの皆さんに!
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中身をざっーと見た感じ、読みにくそうな感じだったけど、いざよんでみると、なかなか面白かった。二人組バンドの片方がもう一方を殺したことでショックを受けたファンがなぜかタイムスリップで過去に行き事件を止めようとする。
音楽業界の実在する人物が出てきたり、主人公の昔の恋人を殺したり。
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現代の感覚でバブル期をもう一度過ごすことは、この国を見直すことにもなるのかもと思わせるます。過去に帰るのは自分に使命があるのではと思わずにはいられないような青天の霹靂の中で、模索して生きなおす主人公のトリコが生き生きとしています。でも過去に戻る人は毎度そのころのことを明確に思い出せるからすごいなとつい思ってみたりして
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40すぎのフリーター、トリコ。自ら命を絶ち、気づくとタイムスリップしている。そこは彼女が愛してやまなかったドルフィンソングの2人がまだ生きていた時代。まだブレイクする前の時代。80年代から90年代のサブカルをふんだんにとりいれながら、フリッパーズギターの歌詞を引用しまくりのパスティーシュ荒唐無稽な設定は、作者のサブカル愛の表現手段のひとつ。「タモリ論」もそうだけど、文学に新しい形態を取り込もうとする作者の姿勢が面白いと思った。