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本能寺の変の陰謀を知り、遠江頭陀寺城に身を寄せていた弥八を、天下人秀吉は再び台所奉行に召抱える。権力への妄執から次第に病魔に蝕まれていく秀吉の死の床で、弥八はあえて野暮の極みの”すっぽん汁”を献じた。家康の脅威が迫るなか、”飯の力”で天下に安寧は訪れるのか? シリーズ圧巻の終幕!<文庫書下ろし>
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飯盛り侍、第4弾、最終巻。
3巻目にも増して、普通の戦国時代小説になっている。
「飯盛り侍」でなくてもいい感じがする。
後半は、なんだか、駆け足。
家康まで書き切るのが目標になって、弥八の名前や飯の話を盛り込むのに苦労しているようにさえ見える。
終わり方も、書き方はすっきりしているが、こちらの気持ちはすっきりしない。
歴史の流れを語るのが主体になってしまって、人物の視点も定まらず、時系列も前後に飛び、少しわかりづらい。
その傾向は3巻目からあったが。
始まりは面白い話だと思ったのに、残念だ。
家康の死の原因とされている、「天ぷらの食べすぎ」という伝説。
(病状などから、真相はどうも胃癌のようなものらしいが)
弥八が作った天ぷらが原因ではないのは良かったが、天ぷらを好物にしたのは弥八、ということになってしまう。
これってどうなの?
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小説として悪いわけではなくて、ご飯を楽しみに読むと、この4巻目は、歴史小説に興味のない人にはつらいかな、というところ。
家康が江戸に移封になって、都(京・大阪)から遠ざけられたことを嘆くでなく、却って喜んで街づくりに精を出したところなどを読むと、関東に住まう人間としては、その辺、もっと知りたいな…と、意欲もわいてきた。
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本能寺の変後、いろいろあって最終的に家康のもとにいった弥八。内容も食事云々よりも歴史をなそっていく感じになってしまった。個人的には関ヶ原合戦のくだりで輝元が「本能寺の変を仕組んだのが秀吉」と知り、西軍の味方をやめるぞ三成ィー!!となったあたりを掘り下げてほしかった。秀秋が繊細で人の心がわからない武将ではないと表現してあったのもポイント高。しかし玄蕃は最後まで性格が変わらなかったな…。
家康の死因の鯛の天ぷらについて何かあるかと思ったら、合間に「鯛の天ぷら大好き」表現だけで終わってしまったのも残念。