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クラレ、倉紡、法政大学大原社会問題研究所、
そして何より、倉敷大原美術館。
中国地方の大資本家で大実業家の大原孫三郎の物語。
メセナの精神を大正期に唱えた功績は
倉敷を一大文化都市へと昇華させただけではなく、
日本の産業、財界の在り方にも大きく影響を与えた点にある。
その生涯は信念と情熱に燃え、内にあっては
真の友を求めやがて人を信じ愛しつづけ、
外にあっては、労働環境の整備を第一として
会社と市民の関係を重視するという。
そして文化を愛し育てることに注力している。
日本の片田舎の美術館に、これほどの世界的名画があるという事実。
これって、本当にすごいことだ。
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放送会社の営業マンから起業し、自転車の問屋業を成長させていく企業小説。
営業の場面、起業家としての苦悩、会社のリーダーとしての厳しさとやりがい、その裏側にある家族の物語が描かれている。
人とのつながり、ちょっとした事から大きな事業になるもんだと思わせてくれる。
またこれでもかというぐらい、苦難や問題にぶち当たる。しかし、めげなずに、元気もりもり、勇気凛々を合言葉に、大きくなっていく姿があった。
ビジネス書とは違い企業小説は具体的なビジネスの場面が描かれているのでイメージしやすい。
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父のススメ。
働くうえで一番大事なことは、一緒に働く周りの人!!
主人公がとても人間味があってそれがよかった。
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実際の話ということで、社史を読んでるみたいな感じでした。もう少しドラマチックな部分があっても。この会社に関わりがある人には楽しいかも。
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自転車メーカの「ホダカ」の創業者である武田光司さんの物語。
これって、小説?ノンフィクション?
イトーヨーカドー含め実名企業がバンバン出てくる小説と思いきや、小説というには、オチがないので、武田さんの半生を語るノンフィクションだと思います。
武田さんってすごい人です。
何も知らずに自転車販売事業に入って、失敗、成功、を繰り返しながら、企業を成長させていく、人間味あふれる機関車のような人を想像します。
本書の中で、一番感じられるところは、人との縁。
ヨーカドーとの取引から始まり、さまざまな人との出会い、人との縁の中で経営者として、企業として成長していきます。もちろん、だまされた縁もあります。しかしながらそれを乗り越えられるのもまた人の縁なのだと思います。さらに仕事での縁のみならず、家庭でも二人目の奥さんとの縁が重要なポイントだと思います。この出来た奥さんがホダカの成長を支えたといっても過言ではないでしょう。
さて、本書は、小説と考えると、ちょっと残念。
最後に盛り上がりが待っているかと思いきや...なにか尻切れトンボみたいな感じ。途中、「商いの心くばり」のエッセーからの抜粋や「逃げない経営者たち」からの抜粋があり、やはり、小説というより、武田さんの波乱万丈物語かというところです。
なので、ちょっと不思議な感覚で読み終わってしまいました。
ただ、武田さんの人生にかける熱い思いはひしひしと伝わってくる物語です。
まさに勇気リンリンですね。
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タイトルがいい。
自分は経済小説が好きだが、これは全部実話。けどドラマティック。主人公のちょいちょい独断専行で失敗するところも人間味の一つの要素。
周りをとりまく人間も魅力的な人物ばかり。特に主人公の後の奥さん。内助の功とはこのことか。こんな劇的な出会いが人生にはあるものなのか! 出会いっていうのは劇的なものだと改めて実感。
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コーダブルーム乗りとしては読まないわけにはいかないだろうホダカ創業者立志伝。初高杉良読みでもあるが、サクサクと綴られた文章であっという間に読了。昭和のモーレツを体現している人物だった。本書を知ったのは文春で再版されると知ったから。本書は1998年に角川書店から単行本が出版、その後2000年に角川文庫、2005年に講談社文庫から出版社をまたいで再版されて19万部を重ねているというから人気があるんだろうか。折角なのでオリジナル書名で自転車に引っ掛けていそうな講談社文庫版(解説佐高信)で読んだ。なぜ文春は書名を変えちゃったんだろう。表紙も単行本こそ自転車が出てくるがそのあとはなぜかビルをフューチャー。自転車ブームの今自転車を載せたほうがよかったんじゃないか。ただ文春文庫版の解説は高成田亨で、現代の視点から解説してくれていて読みごたえがあったが、ホダカがジャイアントになれず、武田光司はキング・リュー(劉金標)にはなれなかったところまで分析して欲しかったと思う。