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昭和7年刊行の長編小説。
アリバイ崩しものの古典として知られ、新潟、東京、大阪、果てはハルピンまで、トラベルミステリー的な要素もある。文章はかなりモダンで、そこだけ取り上げると余り古さを感じない。展開もスピーディで、後半にかけての盛り上がりも良かった。
著者の森下雨村は作家としてよりも編集者として語られることが多かったようだ。そう考えるとちょっと勿体ない気がするなぁ。
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森下雨林氏といえば探偵作家より新青年の編集長のイメージが強くて、この人作家さんだったのかとなかば信じられない気持ちで手にした。
そのくせ横溝正史氏も同じ新青年の編集長なのに著書の量で探偵作家のイメージしかないw
内容は後日。
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風俗描写などはそれなりに時代通りなんですが、昭和7年の作品とはホント驚き。モダンな作風と、主役級で動き回る男性達が皆どこかキュートで萌える。妙に甘味好きだったり、果物食べてたり、男性二人でカフェでオレンジジュースを飲みながら事件の検討するんですよ。萌えますよね!
あと、ホームズ役・ワトソン役的な明確な役割分担はなく、全員探偵状態(つまり、全員有能なのです!)で、それが連携しながら事件を調査してくので、情報開示のテンポも良くグイグイ読ませてくれました。
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森下雨村、は江戸川乱歩を世にだした編集者として有名な人で、日本の推理小説の父、と呼ばれている人です。
高知の佐川の人ね。
編集をやめたあとは自分でも書いていました。
これは1932年の作品。
なんと90年近く前の作品の復刊です。
でも、文章は現役だよ。
軽々と読める……。
ときどき“省線”とか(JRのことです)混じったりするけど、横溝正史より江戸川乱歩よりはるかに現代文だよ。
ずっと読みたかったんだけど、全集にしかなくってまだ読んだことがなかったんです。
河出書房、復刊ありがとう!
公共図書館は買うべきでしょう。
2016/9/9 更新
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盗難車の中の死体、盗まれたダイヤモンド、血痕を残し失踪した令嬢、これら三点の謎を追う探偵小説。
戦前の探偵小説のため、「実は○○は○○だった」という唐突な伏線回収が後半部に多いのはご愛嬌。
戦前の作品と知って読んだせいか、古臭さはさほど感じず、レトロ感が良かったです。