紙の本
読んでよかった
2016/06/21 15:45
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投稿者:sylvain - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間や社会に関して考えさせられる作品。
生きるとは?お金とは? 愛とは?
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5をつけたい気もするんだけど…。漫画としては、え?あの話おいてけぼり?? みたいなところもあるしなー。でもモンクなしに面白い。
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「銭ゲバ」・・現在も「金の亡者」について一言であらわすときに、この言葉を用いることが多い。
実は漫画については、ストーリーの詳細な記憶はなかった。
少年時代、確かどこか床屋さんに置いてあったこの漫画を読み、あまりの暗い内容に途中でやめたような気がする。
今回、この「銭ゲバ」が漫画文庫でが復刻したというので、読み直してみた。
・・・やはり、救いようの無い暗いマンガだった(笑)
金を得るために、風太郎が人を平気で殺していく・・しかし、心の中は全然晴れない。
「世の中、金ズラ!」その言葉を吐きながら、どんどん深みにハマっていく風太郎の心。
そしてラストには衝撃なシーンが待っているのだが、そこに書かれている言葉が何とも暗澹たる気持ちにさせる。
「そうだ てめえたちゃ、みんな銭ゲバと同じ。もっとくさっているかもしれねえな。
それを証拠に、いけしゃあしゃあと生きてられるじゃねえか・・・」
そういえば・・高校生のとき、このマンガの影響もあったのだろうか。
「世の中、なんだかんだ言っても金が一番だよ!」と暴言を吐き、クラスから浮いていた男がいたことを思い出した(笑)
色々と調べてみたら、この「銭ゲバ」は唐十郎主演で1970年に映画化もされ、かなりカルト人気が高かったらしい。
当時のこの作品をレンタルとかできるのであれば、ぜひ見てみたい。
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殺伐としていながらもなかなか重たい感じ
絵の汚さとか展開の異常な早さとか、空気感に惹かれます
下巻のラストにやられました
ドラマはいまいち好きになれません
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駅で松山ケンイチのポスターを見たのが、きっかけだった。
「金のためなら、何でもするズラ」というキャッチ。
目に入った、ブラックジャックのような傷。
何とも気になるポスターだった。そして、書店でこの本を見かけ、
背表紙のあらすじを見て、「これは…」と思い手に取った。
約2時間ほどで、上下巻を読了。
ハンマーで後ろから叩かれたような衝撃があった。
冷たく、重く、悲しい話だ。
金がないために、病気の母を失い、
金のためなら、あらゆることに手を染める主人公。
しかし、主人公を悪だとは簡単には思えない。
「お金では、買えないものがある」なんていう、
薄っぺらな正義やテーマでなんか、
この作品を語るべきではできないのだ。
金以外にすがるものを見出せない、
という絶対的な孤独。
壮絶なラスト。
こんな哲学的な作品が、
1970年に週刊少年サンデーに
連載されていたというから驚きである。
恐るべき、漫画。
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ドラマはちょっとしか観てないのですが、原作漫画の方を読む機会がありました。思ったより淡々と読めます。読了後なぜこのマンガがいまドラマ化されたのかなと、ちょっと考えさせられました。主人公は今どきの草食系男子とは対極をゆくケダモノ系野獣で、金に対する執着とか、登りつめようとする執念とかハンパないです。「世の中すべて銭ずら」が信念で邪魔者をすべて始末して好んで茨の道を生きているのかと思いきや、最後にこの主人公が実は幸せとは何かを、かなりの具体性を持って思い描き、知っていたところに悲哀を感じました。主人公が愛とか弱さとか残忍さを醸し出す場面で病んでる方の眼の側の横顔を描いていることが多く、それがケダモノというよりはなんだかちょっとこっけいに見えて悲しくなるのがマンガではあったのですが、ドラマではただの傷で、まったく効果的じゃなかったです。それに主人公をしてた松山ケンイチはもとが良すぎて、あんな傷くらいじゃこの主人公のちんくしゃで、手足もめり込んでいておデブで悲しい感じにはほど遠かったです。
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■あらすじ(ネタバレ注意!結末まで書いてます)
長野県松本市に生まれた蒲郡風太郎。幼少時代に父は家庭を捨て、女と家を出て行き、残された母と風太郎は極貧生活を送る。母が病気になっても医者に払う金がなく、ついに風太郎をおいて逝ってしまう。銭があれば、母を助けられたと思った風太郎は、金こそが力であり、正義だと思うようになる。
風太郎は盗みを繰り返し、人を裏切り、大事な人をも殺める。何も失うものがなくなった風太郎は、金を手に入れるために大手会社社長の車に前に飛び出し、社長に取り入っていく。社長には二人の娘がいた。美しい長女に惚れるが、風太郎に想いを寄せる醜い次女と結婚し、社長を殺害してその地位を手に入れる。最終的には、姉妹二人も、自分の子供をも殺し、孤独の蟻地獄から抜けられない。周りにいる者はみな不幸になり、死んでいく。政界に進出し、金も権力も手に入れた風太郎だったが、「幸せとはなにか?」という質問を前に、自殺する。
■感想
松ケン主演のドラマを見ていたので、だいたいのストーリーは知っていたが、ドラマとは違う漫画の独特の世界に圧倒された。銭がなければ、まともな生活も送れず、幸せを感じる余裕などないのは、貧乏を一度でも味わったことがある人なら、わかるのではないか。
風太郎の小学校の担任教師が、遅刻の罰金に五円を持ってくるようにいうシーンがあるが、家庭訪問した教師に母親はこう言う。「その五円がない家もあるんです」(すみません、手元にないので不確か)。このセリフにはいたく共感した。
だが金だけ追いかけると、心がすさむのもまた真実。相手から金をまきあげる商売などすると、相手からいくら絞れるか、自分にいくらの価値があるのか、損得でしか考えなくなるものだ。今もその後遺症は残る。
この暗い社会性の漫画が少年サンデーで連載されていたというのが、すごい。当時の少年たちはこの漫画をどう受け止めたのか。人格形成の時期に読みたかった漫画だ(でも、影響を受けすぎて、銭ゲバをかっこいいと思いそうだから、今でよかったかも)。
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「銭のためににいちゃんを殺してしまったズラ。もう銭しかないズラ。銭のためならなんでもするズラ」「銭を見てると心が落ちつくズラ」「私は銭で人を動かす奴隷商人ズラ!」
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「世の中銭ズラ!」という言葉が、自分の中で流行りました。荒唐無稽なストーリーなのに、圧倒的な迫力で読ませる一冊。
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母一人子一人の貧しい少年、蒲郡風太郎。
容貌醜く、さりとて愛嬌も可愛げもない彼に周囲は冷たかったが、一人だけ親身になってくれる青年がいた。
母の病気が重くなり、金のために風太郎は、たった一人の理解者である彼を殺してしまう。その時「銭ゲバ」は誕生した。
無一物で故郷から逃亡し、あらゆる人間を利用し、踏みにじり、殺すことも厭わず、次第に立場と富を手にしていく風太郎。以前には考えられぬほどの高みに昇りながらも、なおも彼は飽く事を知らずに、「銭と力」を求め続けていく。
「アシュラ」と並び称される名作。
絵的に整っていない部分もあり、またストーリーの重さ、ピカレスクロマンと呼ぶにしても露悪的な内容にリタイアする向きもあるだろうが、是非後篇も読んで欲しい。
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ジョージ秋山による問題作。松山ケンイチにが主人公でドラマ化されましたが、マンガ版のほうが数段エグいです。上巻では貧困で母親を失った蒲郡風太郎があらゆる手段を駆使して成り上がっていくまでが描かれます。
僕がこの作品を知ったのは、今から5、6年くらい前だと思う。この本を初めて読んだときははっきり言って衝撃的だった。何年か前に松山ケンイチ主演でドラマ化もされたので(原作そのまんまではありませんが)内容はよくご存知なのかもしれませんが、原作となったこのマンガのほうが数段内容はエグいです。あらすじは貧困で母親を病気で失った蒲郡風太郎が『銭ズラ!!』と獣のように吼え狂いながら殺人を皮切りにありとあらゆる犯罪を犯して成り上がっていったその果てにあるものは…?という程度にとどめます。
ドラマ版では派遣労働者などの問題が絡めて描かれていましたが、マンガ版は公害問題です。最も、蒲郡風太郎は自分の会社の工場から出る排水のせいで水俣病に酷似した公害病を引き起こしても
『そんなの関係ねぇ!!』
とある意味すがすがしいまでのふてぶてしい姿に『悪の魅力』を感じるのは僕だけでしょうか?僕が
あれを読んでここにこうしてあげたのは、やっぱり僕の中にも少なからず『蒲郡風太郎』が棲みついているからなのかもしれません。
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銭ゲバ。
ゲバはゲバルトに由来します。
70年代の体臭がぷんぷんする作品であります。
公害が社会問題化してゐましたね。怪獣映画でも東宝で『ゴジラ対へドラ』、大映で『ガメラ対深海怪獣ジグラ』と、相次いで公害の恐ろしさを訴へました。
現在と比較して、企業の環境対策といふのは、ほとんどなされてゐない状態だつたのです。
そんな時代の作品であります。
蒲郡風太郎は、幼時に母親を病気で亡くしました。金がないために、医者から見離されたのであります。その時の悲しい体験から、とにかく銭を得るために、あらゆることをします。
そして念願かなつて大企業の社長にまで上り詰め、政界進出も果たすのであります。
風太郎の口癖は、会話の語尾に付ける「~ズラ」。
長野県の方言ださうです。口癖ぢやないか。さう言へば静岡県用宗の友人も、この「~ズラ」を駆使してゐました。
これが愛知県西三河になると、「~だら」に変化するやうです。
そんなことはどうでもいい。
全てを手にした蒲郡風太郎に、驚愕のラストが訪れます。ああ、何てことだ。
この漫画を読んでゐますと、正義とか善悪とか、さういふ概念はどこかへ吹つ飛び、人間の業といふものを思ひ知らされるのであります。
軽い気持ちで読み出すと、頭をガンと打たれることでせう。
http://ameblo.jp/genjigawa/entry-11314442056.html
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金が人生を狂わせる
愛と欲の先に金が見え隠れする。
全てを失った風太郎が金をもつズラ!
うんこ!
いけしゃあしゃあ!
要所要所で爆笑ポイントあり。
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最初から最後まで疾走感あり。
途中、具体的な説明を端折り、絵と流れのみで読者に察しさせる箇所が多々。
この漫画が芸術的だと言われる所以はこれですね。
下手に言葉がないほうが、かえっていいのかもしれない・・・
セリフと相反する、風太郎の悲しみが伝わってきてツライ。
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主人公が金のために行う非道の数々の描写は、今読んでもここまで描くかというくらいすさまじいが、作者が描こうとしているものは、主人公を狂言回しとした、もっと本質的な人にとっての善悪のありようを剥き出すことだろう。そしてみると主人公の行動は偽悪的ですらある。ちなみに現代の銭ゲバたちは、自らも上手にシステムの中で役目を引き受けているかのようにセルフマインドコントールし、罪の意識を麻痺させながら、見た眼もシュッとしてきちんとした生活を送っているものだ。