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生き生きした躍動感を持つ仏を彫る運慶。兄弟子快慶との対峙。6人の男の子たちもみな仏師となる。時代の流れの中で仏と向き合って生きる生涯。
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平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した、
天才仏師・運慶の生涯を描いた歴史小説です。
仏師と言えば、運慶…??、
といぅくらぃメジャーな歴史上の人物である一方、
現存する(確実?な)作品は、30体ほどで、
その人物像にも、わからなぃ部分が多ぃ中で、
クライアントとなる鎌倉幕府や朝廷の要人などと、
運慶との交遊を軸とした構成とすることによって、
運慶の人物像が、しっかりと描かれていて、
とても、よぃ作品でした。面白かったです。
お話は、
運慶が、表舞台に登場した青年期から、となりますが…、
作者の梓澤さんの既作品の中では、
若き日の藤原秀衡と西行の交遊を描いた『光の王国』で、
少年時代の運慶も登場していましたね…。
本作品は、運慶のお話ではありますが…、
平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての歴史小説、
といぅ視点で読んでみても、面白ぃ作品でした。
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空也の小説のときもあった、毒母に嫌われている息子という設定が物語上、まったく活かされていない。作家の性癖を発散させるかのようなあばずれ女もやたらとでてくるが、女らしい柔らかさがない。主人公が武者のように荒くれ魂なのに一人称が「わたし」なので違和感がある。作家の私小説みたいに読めるので気持ち悪い。
快慶との兄弟弟子対決も中途半端。
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★2016年6月22日読了『荒仏師 運慶』梓澤要著 評価B~ B+
平清盛から鎌倉幕府支配時代にかけて、南都奈良を根城に仏師として一時代を築いた運慶の一生を描く物語。
いかにも物語にしづらいであろう仏師というネタを上手にアレンジして、貴族の平安時代から武士の鎌倉時代への大きな転換点を絡めながら作品としている。運慶自身のことを本当に書ききれているかどうかは、何とも判断できないが、少なくとも一人の天才仏師としての矜持、生き様は書けていると感じられた。
東大寺南大門の阿吽の仁王像のくだりでの兄弟子快慶との軋轢と対決。静と動の対照的な作風のぶつかりあい。そして、そのずっと後の和解など、本当にそうだったのではないかと思わされてしまうほどのストーリーの作り込みは興味深い。
この本を片手に本当に残っている仏像を見ていけるともっと面白かったかも知れない。
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あちこちで作品は目にするものの、よく知らなかった運慶という仏師の人生と、その生きた時代を描いていて、興味深かった。
運慶といえば快慶。奈良の東大寺の門の両側の阿吽像を見ても、ニコイチというイメージだったのだが、実は出自に絡んだ経緯があり、確執があったのだと知って驚いた。「仏師」という職業の業が感じられた。
ただ、文章が読み辛かった。この形容詞は何にかかっているのだろう?とか、この文章の主語は何なんだろう?とか、読んでいて引っかかる部分が多かった。
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運慶展が始まる前なのでちょうど良いタイミングかと。慶派の隆盛と、その背景となる平家の末期から承久の乱までの時代を、運慶が一人称で時系列に語るのでものすごくわかりやすい!運慶ってちょうど歴史の転換点に生きてて、物証(仏像のこと)も残しているし、この時代を語る証人に相応しい人物だということに全然気づかなかったのでとても面白い。筋肉隆々タイプの仏像が運慶らしくてそうじゃないのを見ると運慶っぽくないと思いがちなんだけど、運慶にも当然、年齢、発注者、時代背景によって作る仏像は違いがあり、一団の仏師たちの実力や個性も違う。あれだけの大作を作るには基本は発注者がいるので、その意向は当然、世間の思いや社会情勢が反映され、さらに宗教的なものなので、仏像は実は当時の社会が具現化されたものなんではないかと思った。私たちは、仏像を通して当時の社会を見ている。と褒めまくってなぜ平均点なのか。本としては、あまり心を揺さぶられなかったからです。
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怒涛の時代を生きた仏師運慶を主人公に、彼を取り巻く人々との人間模様を軸に、慶派一族の活躍を描いた歴史小説。
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平安から鎌倉に生き、多くの仏像を遺した伝説の仏師運慶。
その幼少期から没するまで、人としての運慶と仏像に向き合う姿を活き活きと描く。
抹香臭くなく、非常に生々しく興味深い。
今後仏像に向き合う時には、今までと少し異なり、仏の姿の中に生きる仏師たちの姿を思い浮かべることができるような、面白い作品だった。
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快慶などへのライバル心,親子間の想いと仏像に託する信念など色々な気持ちが混じり合って運慶の仏像がある.鎌倉幕府へと変わりゆく時代の中で,揺るぎなく縋れる仏に魂を込める姿が印象的だ.
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構成的には愚直なほどに一本調子で、平板、平坦な流れになってしまっているが、平安末期から鎌倉に掛けて生きた仏師がどのような心境を抱いていたのか、当時の世相にとって仏道とはどんな存在だったのか、といった事柄が鮮やかに紡ぎ出されており、読み応えがあった。
運慶という人物に関しては現存している情報がとても少ないはずだが、その限られた事実が想像力豊かに肉付けされていることによって、まるで本当のノンフィクションを読んでいるかのような気にさせられる。
造仏等に関するエピソードがちょっと多過ぎるように感じたので、もう少し絞った方が読み易かったかも。
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あの運慶の生涯が、運慶自身の言葉と視点で語られる。本当に彼が生きた世界がそこに見えるようなリアリティだ。ライバル快慶との激突、邂逅が面白い。私が出会ったことのある仏像の背景に迫るようで、ゾクゾクしながら読んだ。今年9月末から東京国立博物館で始まる「運慶展」の前にこの作品に触れたことで、さらに楽しみが深まった。
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東京国立博物館で運慶展が開催中。
見に行く前にと思い読んでみることに。
小説としては特筆するものはないが、運慶の生きていた時代感や大きな時間の流れは感じられた。
平安から鎌倉の武家社会になっていくまさにその最中に仏を造る事の意味を深く考えていたことがよく伝わる。
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仏像に最近興味があるので、ワクワクしながら読みました。
ただ、元々どのお寺にどんな仏像があるのかわかっていなかったので、この時運慶がどんな仏像を彫ったのかイメージしにくかったです。
もっと仏像に詳しかったら、もっと楽しめたと思いました。