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大菩薩峠(13)
著者 中里介山 (著)
飛騨高山を前に竜之助とお雪は火災に見舞われ、からくも川原へ逃れた。白骨で鎮まっていたものの封が切れたのか、再び竜之助の血がざわめき始める。同じころ兵馬は高山の代官屋敷に逗...
大菩薩峠(13)
大菩薩峠 13 (ちくま文庫)
商品説明
飛騨高山を前に竜之助とお雪は火災に見舞われ、からくも川原へ逃れた。白骨で鎮まっていたものの封が切れたのか、再び竜之助の血がざわめき始める。同じころ兵馬は高山の代官屋敷に逗留、好色な代官の妾に手を焼いていた。一方、マドロスの行状から謀反を企むと騒がれた駒井は洲崎退去を決心する。その駒井の一子・登を伴い、お松は青梅をあとに洲崎へ。なぜかお松との同行を拒む与八は、郁太郎を背に甲州へ向かうが……。「勿来の巻」「弁信の巻(一~二十)」を収録。
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ピグミー再登場。
2002/06/07 01:09
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投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ピグミーが再登場。今度は前回よりも長丁場なうえに調子に乗っている。何ともはや……。神尾主膳は「嫌な感じ」の悪に染まっている。解説の「神尾主膳の残忍さは江戸の民衆のなかにひそむ嗜虐性につながっているように描かれている」という文には非情に納得した。文明が遅れていた無知な民衆は、弱者へのサディズムを持っていたのだ。それは強制売春婦を救おうともせずに美化して買っていたことからも分かる。当たり前のことなのだが、最近は江戸人を「義理人情に熱い現代人よりも良い人間」かのように幻想している人間が多いから、このことは肝に銘じておくべきだと思う。江戸時代は独立したファンタジーの世界ではないし、全体の歴史を見れば分かるはずなのだが。
因みにこの大菩薩峠では、既に現実の歴史からは大分遠ざかっている。破天荒そのものだ。中里介山が長生きしていても、果たして完結したかどうか……。そこが魅力なのだが、終わりが読めないのもまた哀しい。