電子書籍
ラノベっぽい語り口ではあるが
2021/12/03 12:19
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
読みやすいラノベっぽい語り口とはおよそ不釣り合いな重たい内容の作品である。ゲーム 妄想癖 虚言 中二病なども含めて、中学生この年頃に特有の心理状態が実によく描けている。ミステリー推理小説としてよりは、心理小説 青春小説として読んだほうが良いような作品である。
投稿元:
レビューを見る
直木賞を取った作家の作品が読みたくて購入しました。
なにか引き付けられる構成。
「女子中学生」と「殺人」のアンバランス。
引き付けられました。。。
「私の男」も読んでみたいです。
投稿元:
レビューを見る
・不幸は口に出したら自分の魂を汚してしまう気がするんだ。
・ゲームは異文化人間との魔法の共通言語なのだ。
投稿元:
レビューを見る
やっぱこの人の書くものは好きだなーと思う。読んでて子ども心をしっかり捉えて描いていると安心感がある、ような気がする。
投稿元:
レビューを見る
2/3 少女小説出身とは聞いてたがそれにしても…という感じ。言葉のセンス、とかははっとするところもあるものの、少女小説としてもあまり好きになれない感じ。受賞作を買う気が若干うせたわ。
投稿元:
レビューを見る
「中学二年生の一年間で、あたし、大西葵十三歳は、人をふたり殺した。
夏休みにひとり。それと、冬休みにもうひとり。」
この作品は、この最初の一行が全てなのです。
でもって、本書のテーマは完全犯罪なのです。
とは言っても、当初私は、
まさか本当に殺してるとは思いもせず、何かの比喩だと思っていた。
でも…彼女は本当に、夏休みと冬休みに一人ずつ、人を殺した。
それを知っているのは、全然親しくなかったクラスメイトの宮乃下静香だ。
本書は、葵と静香の戦いの記録、と書いてあるが、
実際は、葵の一人称なので「葵の戦い」と「殺人者の葛藤」という感じだった。
主人公・大西葵は、13歳という本当に微妙で多感な年齢。
特に女の子は、大人により近くなりつつある時期でもある。
男の子とのバランスが、最も悪いのも、この時期だ。
例えどんなに大人びても、大人の作った社会の中でしか、
生きることのできない世代の子供たち。
この時期の女の子の内面、不安定な心情、とりとめのない行動を、
著者は見事なまでに、その繊細さをも、描いている。
複雑な家庭環境、閉塞的な島での生活、母親が抱える人生。
不安定な繋がりで維持されている友人関係、アイデンティティーが、
葵の言葉によって絶妙に表現され、人間の怖さ、弱さ、悲しさが…
本書を一環して貫いている。 心にズシンとくる重さがあるんだ。
内容には触れないが、とにかく葵は人をふたり殺したんだ。
これが意味するものを、葵と一緒に悩み、考えて欲しい。
なんとも救われない話だったが、ラストシーンはなかなか。
この結末には、ちょっとホッとさせられましたね。
でも、本書… 決してミステリィじゃない! ですよね??
投稿元:
レビューを見る
書き出しの求心力がすごくて、あっという間に引きつけられるように読み進んでしまう(あくまで「ように」でしかないのは、私が10代じゃないからなのかもしれない)純粋で暴力的で浅はかで、まったく未熟な少女たちの、厳しくも現実的な日常を描いた、これはなんというかミステリでもサスペンスでもない、要するに「記録」である。多分に筆者もまだ未熟であり、その未完成さゆえよけいに若者を引きつけるのだろう。私自身、こういう未熟な作品を楽しんで読めるジャンルもあるのだが、ミステリ分野ではちょっと心が狭い(笑)ので、ラストがどうも辛い。
投稿元:
レビューを見る
高校以降、ハードボイルド及びBLにハマッた私は小説ではあまり女性主人公のものは読まない、いや読めない感じなのだが、本作は意外にもすらりすらりと読めてしまった。少女・葵の葛藤の、なんというか勢いに乗って。友人・静香の存在も、幼なじみ・颯太の存在も気になったし、何より少女の行く先が気になった。そして少女は、少女特有の友人関係や家族関係に悩んだりしている。それは、自分のそんな時代にも重なったりしてちょっぴり共感を得る。…殺したいやつはいなかったけど。
友人関係や男子との関係はジョージ朝倉の『溺れるナイフ』を思い出す。どこの少女もやはり悩むことは一緒だ。
少女には向かない職業、それは殺人。
各章のタイトルも面白かった。
投稿元:
レビューを見る
少女と友人とで義父を見殺しにしてしまう。
変わった友人に誘われるまま 友人の親類を殺害。
少女の心情が年齢なりで よく書かれている。
投稿元:
レビューを見る
泣きそうになった。葵の家族との関係が描かれる中で、彼女の心情が痛いくらいに伝わってきた。少女は、無力だ。と怖いくらいに目の前に事実をつきつけられる。それが、切ない。また殺人のところは最後までゆさぶられて、まんまと泳がされたり騙されたりして、それが痛快だった話。
投稿元:
レビューを見る
2007/10/27
ラノベ出身者なんだね…タイトルとか、章タイトルのつけ方がそれっぽい。
家庭機能不全が引き起こす犯罪小説。中学二年生が、生活環境に恵まれず悩んでいて、殺人を犯してしまって…という非常に救いがたい内容なのに、さらっと読めてしまうのは文体が軽いから?キャラに現実味がないから?いやいや現実味がありすぎて、私のようなおばさんには身近な内容と思えないから…か。
「砂糖菓子…」のほうが好きだ。
投稿元:
レビューを見る
まさか初めの一行が比喩じゃないなんてビックリだ。結末にエェってなるけど、それなりに面白かった。中学生って不安定で無力だよね・・・
投稿元:
レビューを見る
「重荷と思わないで。なるべく軽くなるから。」今回ツボだったのはこの一文でしょうか。葵と静香の結びつきは、やっぱりこの人独特の少女の描き方なのかなぁと思う。設定は……うーん?(笑)まぁ、『赤×ピンク』の時みたいな非現実性を楽しめばいいのか。。桜庭一樹のこの2冊は女性の一人称で進むので、読みやすいけどちょっとくどいと感じる時がある。『私の男』は立ち読みした限りでは女性一人称だけど文体がそんなに読みにくくなかったな…やっぱり読んでみたい一冊かも。しかし、この人の風景描写も何だか読み飛ばしてしまう。。合わないのかしらねぇ。それともあれか?もう私が中学2年生には感情移入できないだけか!?(笑)
投稿元:
レビューを見る
この文体で文章がまるで暴走しない(大西葵が一定枠からはみ出ない)んだから、凄いとしか言いようが無い。
投稿元:
レビューを見る
とても中学生女子のこころが丁寧に書かれていて、共感を持ちました。
なんていうんだろう、どうしようもないことだけど、絶対忘れられないな、って本です。
同級生にたくさん読んでほしいです。