紙の本
氏神高校国は日本国の縮図
2020/08/28 13:23
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投稿者:3dayuh - この投稿者のレビュー一覧を見る
問題処理を生徒たち自身の力に依拠しているところは、
近代教育の考え方と同じ立場にあるが、
民主主義が徹底しないところは、どこかの国と似ている。
社会主義を名乗る国に天安門事件があったが、
資本主義の国にも同様の事件(光州市事件)があったし、
戦前のこの国にも似たような事件があったので、全体主義というべき。
「聞いて」は無駄口。直接、言いたいことを言う方が早い。
紙の本
学校問題に真っ向勝負。
2007/07/04 16:31
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投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
新シリーズとなった千里眼の第5弾。それが本書「千里眼の教室」である。前シリーズでもイラク戦争やITバブル等、時事問題をテーマにして見事に物語をつむいであったが、今シリーズは隔月ペースで刊行されている事もあり、さらに最新時事問題に鋭く切り込んでいる感。
今回のテーマは作品タイトルが示すとおり、学校問題である。昨今、そのニュースを聞かない日が無いほど、子供達のいじめと自殺の後を絶たない。また大問題になった世界史未履修問題や親と教師の確執など、現代教育シーンが抱える問題をテーマに物語は進んでいく。
世間同様の学校問題を抱えていた、氏神工業高校。全校生徒が集まった体育館の中で、爆弾が炸裂する。しかしケガをした生徒がいなかったばかりか、何とその直後に生徒会を中心に「氏神高校国」建国を宣言してしまうのだ。一般生徒たちは国民として構内に留まらされ、独自の社会システムを構築していく。労働と賃金、そして隣国日本との外交まで。小さな独立国家は、それなりの秩序を持ってまとまったかのように見えたが。しかしそんな状況を社会が許しておくわけもなく、機動隊が突入し鎮圧を図る。突入と同時に、生徒達に殴る蹴るの暴力を開始する機動隊。そして氏神高校国は、阿鼻叫喚の地獄絵図と化してしまう。しかし、あまりに熾烈を極める機動隊の作戦に、疑問の声が上がる。常軌を逸しているのは氏神高校国なのか、それとも・・・。その時、日本全土を覆う、ある環境変化が発見される。その環境変化がもたらした、危機的状況とは。体育館で炸裂した爆弾の正体とは?そして氏神高校国とその国民たる生徒達は、一体どうなってしまうのか。
これまでの作品と比べて、美由紀の大活躍!というイメージではない。しかし、現代の教育現場が持つ問題に敢然と立ち向かい、きっちりとしたポリシーを持って答えを示す姿はやはり美しく、胸に迫り来る物が合った。子供があり、教育問題で少なからず悩んでいる親たち、教師たちに、ぜひ読んでもらいたい一作。
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生徒と振り回される大人たち
2017/12/25 10:41
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投稿者:マツゲン - この投稿者のレビュー一覧を見る
地方高校を舞台に、独立国家と宣言をして学校に立てこもる生徒たちの物語が主軸。
読みやすさはあるものの、ちょっと話が強引に進みすぎている気がします。
冒頭の名古屋駅周辺のシーンが地下街や建物などがとても細かく描かれているのがおもしろいです。
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<内容>
生徒たちが高校校舎に立てこもり独立自治を宣言?!
我が高校国は独立を宣言し、主権を無視する日本国へは生徒の粛正をもって対抗する。前代未聞の宣言の裏に隠された真実に岬美由紀が迫る。いじめ・教育から心の問題までを深く抉り出す著者渾身の書き下ろし第5弾!
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主人公の岬美由紀があまり前に出ていない作品。
前半は岬のアクションが目立つが、
後半はほとんどが独立国家となった高校が舞台で、
主な視点や描写はその高校内の生徒になっている。
元自衛隊員の心理カウンセラーである岬が
自衛隊の所有物である戦闘機やらヘリやらを乗り回すのは
フィクション性が高いのだが、
物語のトリックが今回はそれを越えるくらい
あり得ないような気がした。
世界史Bの未履修問題や、自殺予告など
問題となっている時事的な情報は豊富に盛り込まれている。
トリックが現実的な可能性から逸脱してしまい過ぎている感は否めないが、
個人的に結構好きなタイプの話だったので満足。
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2006年度に起きた世界史未履修問題をネタに・・・ありえねえ度が増して,もう終わりにして欲しい
〜時限爆弾を作ったマッドサイエンティストを追い詰め,岐阜の山奥の高校に行き着くが,時既に遅く閃光が走った。途端に生徒会長はこの工業高校の日本からの独立を宣言し,ソフト作りで金を稼ぎ,マンガ世界史に手を加えて猛勉強を始める。模試の世界史の成績はトップになる。冷静さを欠いた警察は機動隊を突入させるが,岬が乗っ取ったヘリで第二の爆発物で閃光を走らせると,冷静になった学校側と話が通じ合うようになる。原因は2ヶ月前に起こった赤潮で大気中の酸素濃度が2%下がったことであり,日本中が冷静さを欠いていた事による。マッドサイエンティスト五十嵐は自分の息子が苛められながら通っている学校で,過酸素状態を作り出したのだった〜F1マシンが地下街から階段を上って地上に出るってないでしょ。そもそもステアリングを取り付けるとスイッチを押してエンジンがスタートする状態で展示しないでしょ,まさか名古屋でも。ありえねぇ世界はもう終わりにして欲しい。えーっとメモに依りますと・・・《上瞼が上がって下瞼が緊張すると同時に唇が窄むのでなく一文字結ばれる》→怯えと恐怖→図星。《目を細めて眉が上がり唇をきつく結ぶ》→ショック。《左右対称になった表現》→嫌悪
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名古屋の地下街をF1カーで犯人を追って疾走。小牧基地からF15Jに乗りついで、岐阜の片田舎の工業高校での酸素欠乏症を引き起こすとかいう爆弾騒ぎを防ぐべく、飛び駆けつけるが、青白い閃光! 間に合わなかった。爆弾は高校生の体は傷つけなかったものの精神に影響を与え、生徒達は学校に立てこもり、国家として独立要求をすることになる。
てっきり、犯人の裏には悪の組織がいて、新たな陰謀か?!と思いながら読み出しましたが、話し半ばまできて、どうも違うようだとなり、少々ガッカリ。やっぱりスーパーヒロインが凡人相手に戦っていたら、お話にもリアリティがなくなってしまいます。
それはさておき、結局、千里眼のこの新シリーズは、一話完結シリーズってことでしょうか。次回から心して読むことにしましょう。
(2007/7/25)
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生徒たちが高校校舎に立てこもり独立自治を宣言?!
我が高校国は独立を宣言し、主権を無視する日本国へは生徒の粛正をもって対抗する。前代未聞の宣言の裏に隠された真実に岬美由紀が迫る。いじめ・教育から心の問題までを深く抉り出す著者渾身の書き下ろし第5弾!
学校系の反乱もので「ボクらの七日間戦争」を彷彿させる、個人的に好きな分野の作品。あまりの突拍子のなさで、多少の展開や設定の我慢は許してしまう作品。
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高校生たちが学校に立てこもり独立国家宣言するお話。いつもの岬美由紀だけが大活躍する話とはちょっとちがった
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とある田舎の学校で起きた生徒篭城事件。
酸素欠乏症が招いた事態の真相は…?
世の中の矛盾・不条理が浮き彫りになる一冊です。
是非お試しあれ!
今回は主人公岬美由紀の活躍が少なかった気がします。
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充分に面白いんですが、読後、やっぱり千里眼シリーズとしては違うな…
ってのが正直な感想。
嵯峨を主役にした方が面白かった気がする。
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読んでいて騙された、と思った。
発想を逆転すればよかったのか。
病んでいることに気づかず、いつの間にか蝕まれていた。
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嵯峨主体の話の方も読みましたが、豪快なアクションのある美由紀が絡んだ方が断然面白かったです。最後のどんでん返しは、矢張り子を思わない父親はいないのかなぁと、願いたくなります。
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岬みゆき千里眼シリーズには、珍しい学園もの!
なので、とっても、楽しめた〜
いきなり始まる脳外科医師、五十嵐が爆弾をしかけたといい
岬みゆきが、交渉へと現れる。
しかし、逃げる五十嵐、追うみゆき。
この追いかけっこが、いつものごとく、ハンパないスケール^^;
けれど、時間はやってきてしまった。
しかけた場所は、五十嵐の息子の通う、工業高校だと分かるが
岬みゆきが向かったときに、爆発してしまう。
が、そのとき、教師たちは、何者かによって全員外に出されていて
校内に残っていたのは、学生だけ。
そして、何人かの学生たちが、高校を「国」として動かすことをはじめ
イジメを排除し、優秀な人材は、部署を与え、使えそうなアイディアを出せば
出世もできるという、すごい「氏神工業高校国」が出来上がってしまうのだ。
世間では、高校生たちの篭城が大きな話題となり
保護者たちは、学校の外の待機所でオロオロするばかり。
しだいに、その「国」に住むことに慣れてくる学生たちは、
自給自足をはじめ、ライフラインの確保のために、ある生徒がパソコンソフトを開発し
それを売り、食料や、公共料金なども自分たちの国で支払いが出来るようにまでなる。
誰もが、自分には、何が出来るのか、
どうしたら生きていけるのかを真剣に考えたりする生徒たち。
大学受験も、もちろんさせるために、独学で勉強を教える立場になる生徒、
教わる生徒と強力しあい、試験の裏技も伝授!
しかし、重傷者が出てしまったことで、日本との交友が必要となるのだ。
医療施設のない、その国では、病人とケガ人は対処できなかった。。
そこで、日本と交渉。
警察は、乗り込むことを考えたが、
臨床心理士の岬みゆきが、その国への外交官となることを提案。
みゆきは次第に、生徒たちと解けこんでいき・・・
爆発が起きた場所へと爆発物の残骸を探しに、協力する生徒数十名と行動する。
そして、五十嵐のしかけた爆発物とは・・・・
今の日本は、「平等、平等」となりすぎていて
妙な歪みが生じてきていることを、気がつきはじめることへのメッセージ。
社会的問題となった高校の履修問題や、イジメ問題。
いろんな事がテーマになってるこの小説。
なにより、自分は自分で未来を切り拓いていくことへの大切さを教えてくれる小説だった。
また別の「千里眼」を読めて、とても楽しかった!
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うーむ。すごい話だった。ありそうな感じだけどすごい高校生だなあ〜。。。千里眼って何でも解決できるのねって感じ。09.02読了。