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「夜のオンナ」の経済白書 ──世界同時不況と「夜のビジネス」
著者 門倉貴史
「人にいえない仕事はなぜ儲かるのか?」「『夜のオンナ』はいくら稼ぐか?」に続く地下経済3部作。チェコに登場した「0円フーゾク」、ドイツに登場した「エコ割フーゾク」、オース...
「夜のオンナ」の経済白書 ──世界同時不況と「夜のビジネス」
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「夜のオンナ」の経済白書 世界同時不況と「夜のビジネス」 (角川oneテーマ21)
商品説明
「人にいえない仕事はなぜ儲かるのか?」「『夜のオンナ』はいくら稼ぐか?」に続く地下経済3部作。チェコに登場した「0円フーゾク」、ドイツに登場した「エコ割フーゾク」、オーストラリアで株式上場した売春宿など、世界の「夜のオンナ」の最新事情が満載。新聞では読めない新たな世界の経済動向が見えてくる。
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紙の本
セックス税を議論する際に私が忘れたくはないこと
2009/12/05 22:26
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題からは淫靡な香りが漂ってきますが、書かれている内容はいたってまじめでした。
性風俗産業の現状を、昨今のグローバリズム、経済不況、新型インフルエンザ、そして戦争などの要因との関係からみつめた書です。
日本だけではなく、アメリカやEUの先進国から、タイやカンボジアといったアジア諸国、さらには東欧諸国やキプロスなど幅広い国々の性産業の実情が紹介されています。
こうした国々の中には売春を産業として合法化しているところが意外と多いことも知りましたし、本書でも紹介されているイギリスのTVドラマ『セックス・トラフィック』は私も以前見ましたが、ドラマの主人公の出身地であるモルドバが一大性奴隷供給国となっていることの痛ましさを改めて感じました。
最終章で著者が唱えるセックス税構想については危うさを覚えます。
著者はまず性産業を合法化すれば従事者である女性たちの労働環境が改善されるし、健診を義務付ければ性感染症予防にもなるとし、その上で売買春に税をかければ日本では94億円も税収が増えると試算するのです。
しかし、私は性産業を合法化した時の人身売買の拡大がやはり心配です。
性欲はなくならないのだからそれと折り合いをつけるためにも性産業を合法化し課税対象とすべきだというのは一見“現実的”に見えるかもしれませんが、私たちは今後どういう社会を目指していくべきなのかということを考えたときに、性産業を合法化した社会が果たして私たちの目指すべき目標なのかについての十分な議論が必要です。
未曾有の経済危機に直面して、痛みの少なそうな増税論は魅惑的に映るかもしれません。
ですが、自分の子供や孫たちが性産業を合法化した国家に暮らす時代がやがて来ることを心の底から喜ぶべきなのかどうかを考えた時、このセックス税導入論議を恥ずかしいことだと思うだけの心は人として最低限持ち合わせておきたいと私は思うのです。