紙の本
「冷たい言葉は生きているだけで日々その語彙を増やせる」
2010/12/16 11:44
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:成瀬 洋一郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校生を主人公にした「日常の謎」系青春ミステリの連作短編であり、安楽椅子探偵もので、ボーイ・ミーツ・ガールもの。生徒会に持ち込まれる謎の数々を、隣の部屋で読書三昧の幽霊文芸部員が、漏れ聞こえる話の内容だけで解決していきます。
持ち込まれる謎に辟易しながらも、一刻も早く解決することが他人とできるだけ関わらないで済む方法だと答えを告げる探偵。迷惑がられていても、ありがた迷惑だとわかっていても、たとえそれが嘘でも人を助けずにはいられないワトソン役。そして他人には無関心なんだけれど、他人と関わっていくことが面倒を避ける道だと仮面をかぶる少女の不思議な三角関係でもありますね。一方的にワトソン役が嫌われているだけという見方もありますが。
そして、そもそもの話の発端でありながら、本編での影が不思議に薄かった生徒会長も、最後の最後で曲者っぷりを発揮して物語を締めてくれました。
今年はどうやら日常系青春ミステリの当たり年のようです。
紙の本
嫌われる善人
2010/11/10 08:44
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
生徒会長の竹田岬が提唱した迷わない仔ひつじの会は、生徒の悩みを生徒会メンバーが解決するのが目的だ。会長の知り合いという理由で生徒会書記となった成田真一郎(なるたまいちろう)は、最初の悩み相談の解決策を悩んでいるときに、クラスメイトの仙波明希と会う。
何故か真一郎を蛇蝎のごとく嫌う明希だが、彼女のアドバイスを参考にして解決策を提案した真一郎は、それからも難問へのアドバイスを求めて彼女の下へ通うことになる。もっとも、同じ生徒会書記の佐々原三月と同行したりしても、彼女から嫌われていることは変わらないのだが。
面倒事を避けるために他人を避ける明希と、誰かのためならば一心不乱に邁進する真一郎、そして他人と違う感覚を隠すためにあまり他人に関わろうとしない三月。そんな3人が、続々と寄せられる相談に悩んだり、落ち込んだり、奔走したりします。
短編ミステリー風味の学園青春物語です。
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この本は正直買う予定がなかった。まずイラストとあらすじ等を見たファーストインプレッションが、「ツンダラ娘?それにしてもこれはダラけすぎじゃないのか?ぶっちゃけこのキノコあんまりかわいくないし・・・こんな表紙で大丈夫か?」とためらっていたが、とりあえず「一番いい新人を頼む」となるとスニーカー大賞作品しかないなと。
皆さんのスニーカー大賞への期待が凄い高かったので(ラノベ初心者の自分にはよくわからないがかなり厳しい賞みたいね)結局購入に至った次第。
どうでもいい前置きが長くなってしまったが、内容としては普通に面白かった。仙波明希がなかなかキレていたし、なにより佐々原三月がかわいすぎる。これが一番ヤラれたところwww
読んでる時成田は頭の中で「なりた」で進んでた。そうじゃないと毎回名前のところで詰まる。全体的にテンポはよかったので、こんな嫌がらせみたいな苗字・・・
ただ、ぺーぺーの自分から見ても「ただの」面白い作品でしかなかった。いや、それでいいのかもしれないが、大賞ならもっとインパクトがあってもよかったかと。
角川は既にメディアミックス展開するき満々の様。意外とそっち方面の方が小説より楽しめそうなんだが・・・
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冒頭の注釈付きの議事録と「ゑ」の使い方が独特で目を引く、成田真一郎はいわゆる熱血系の行動派な人物で、冷静で知識を持っていて事件解決の手がかりを提供する仙波亜希とのコンビがかっちりとハマっていた印象。
自分を賈文和に例えているあたり、何となく物語上のポジションがどの辺に立っているのかがわかるようになったのもあるが、最後の生徒会長のメタ発言みたいな指摘にもあったように人間的な変化もでてきて、キャラクターとして今後どんな行動していくかも読んでいけるポイントだった。
ストーリーの根っこは名参謀の仙波亜希による謎解きと終盤の学校の授業にも出てきそうな道徳的な問題になるたまが結論を出す、そのなかで今まで知らない人間や意見の相違なんかがうまくほぐれていく・・・、といった感じ。この一話ごとの解決時にキャラの性格とかその時に見せる人間性がそのまま恋愛系の話題にスムーズに持って行きやすくしているのもうまい点かもしれない。
多少引っかかった点としてはそのうちトリックを暴く仙波亜希の知識量が大きくなりすぎる可能性があるのと、学校内の世界観が狭くなっていた印象を受けたところだろうか。
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かなり面白かった。話のスジはオーソドックスともいえるネタを語り部を交代しながら上手く面白く構成してて飽きない。キャラクタもいい具合。へんに萌え要素を出して来ないし、崩れる事もなく。
今後も要チェック。
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とってもライトノベル。軽く読めてのんびり楽しめて。
大きなインパクトには欠けるけど、この作品独特の空気はあると思う。
スニーカー大賞に選ばれたのは、スニーカーが新しい流れを作っていこうとした現れかとも思ったけども、やはりハルヒなんかを思えば、パワー不足は否めないかなあ。
嫌いではないのです、この作品。
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書店員さんのポップ盛大に褒めちぎられていたので思わず購入。
少し期待外れであった。
確かにつまらなくはないのだが...気に入らない点が2つ。
まず、言葉で表すのではない、視覚的効果が多い。例えば、行間をあけまくったり、え、ではなくゑという文字を使ったり。
それと、登場人物の内面がこの本のメインにもなっていると思うのだが、それにリアリティがない。ライトノベルらしいというか、キャラが作られたかんじで生きていない、二次元的のような。
恐らくイラストが悪いということもあると思う。あのストーリーにこの絵は合わない。
典型的な漫画絵で、さらに現実味がなくなってしまっている。
最初の扉絵で仙波の服がはだけているのは、なんの意味があるのか。
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生まれて初めてライトノベルを読み終わりました。
これ以前にも『狼と香辛料』の1巻や『デュラララ』の1巻を読んでみましたが途中で挫折しました。
ライトノベルということで「どこがライトなのか」と申しますと、この物語は全部で4つか5つぐらいの章にわかれてるのですがひとつ15分ぐらいで読めます。たぶん1冊読むのに実質1時間ちょいでしょう。
それで、暇つぶしにはちょうどいいのか?
というとまた微妙なところで、文章もネタもまぁまぁどこかで見た感じのもので、話の展開も子ひつじの会が問題を解決する話ですから、推理ものミステリーのような雰囲気です。
おそらく、もっと主人公たちの微妙な感情の揺れを感じ取るべきなんでしょうけれども私自身もうそういう歳でもないのかなとも思いました(笑)
今後の展開でライトノベル版『相棒』のような感じになると面白いですね(*´ω`*)
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学園ミステリー。ミステリーといっても殺人事件があるわけではなく、学園の些細な問題を、安楽椅子探偵の仙波明希が事件をパシッと解決して、事件の処理を主人公の成田真一郎がする。
スニーカー大賞だけあって面白かった。一巻ということもあり、全体の完成度は高いと思う。ただ普段ミステリー読んだいる人は、ミステリーものとしては、楽しめないかもしれない(あくまで予想だけど)。
ヒロインが僕にはハマらなかったから☆四つ。
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どのキャラの視点の時でも、結構古風な言い回しが多いような気がした。作者のクセなんだろう。
面白かったかと言われると微妙だけど構成力の高さは感じた。
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表紙と挿絵は相当扇情的ですが、中身はそんな誘導を必要としない面白さがあり。
生徒会の人数多すぎ(でも名前もろくに出てこない)とか、あるいは最大の謎である「あちらの発言は聞こえるのに、こっちの会話は聞こえない準備室」など粗も有りますが、小さな諸問題に対する立ち回りが小気味よくて好き。
主役級である仙波、成田、佐々原の3人他そこを取り巻く人々もなかなか一癖有りそうな人たちばかり。キャラクターの魅力で、次も読みたいなと思わせる一冊。
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生徒会が「迷わない子ひつじの会」という悩み相談を始めた.
持ち込まれる様々な相談に対して
アレやコレやと議論して解決へと持っていこうとするお話.
ここだけだと「めだかボックス」的な感じだけど
途中から学園異能バトルに変化しません.
ちゃんと普通に相談にのります.
あれ?
ということはスケットダンス寄りか.
まぁいいや.
で,成田真一郎という生徒会書記が走り回るわけです.
「なりた しんいちろう」じゃなくて「なるた まいちろう」.
親のネーミングセンスを疑ってしまうにゃー.
まぁ「今鹿」とかいて「なうしか」と読む長男もいる時代ですからね.
それなり.
仙波さんが素敵ですね.
ツンダラ娘という新ジャンル?
毒を吐きながらもクッションにもたれ掛かってダラダラと….
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上手いこと面白いキャラクターたちを生み出してくれたものです。
うん、そう、面白い(意味深)って感じです。
結果よりも過程を捏ね繰り回して練り込もうとしてる感じで面白味もあった。
ラブコメ要素にも期待したいところです。
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生徒会の、生徒会による、迷える生徒のための会。
そこに持ち込まれた問題は、となりの部屋にいる、関係のない生徒が
いやっそ~な顔で解決してくれる。
こちらの声はきれいに聞こえているのに
そちらの声はまったく聞こえない。
一体どういう設計をされているのでしょうか?
いや、この場合建築を指摘すべき?
話は連続短編のように続いて行きます。
最初に相談した人間からの推薦で違う人が訪ねてくるので
案外知っている名前がわさわさと。
そして、あちらこちらに小出しに出てくるネタもひょっこりと。
ミステリーのような感じになっています。
しかし最後。
最後のあの疑問は…もしかしなくとも、姉というのは
彼女の事なのでしょうか?
散々胸の話は出ていましたが…そんな疑問を口にされるほど
もしかして『ない』のでしょうか?
というより、そこは目をつむって上げるべきじゃないでしょうか?!w
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主人公・成田真一郎、ヒロインである佐々原や仙波の性癖との紹介をしつつ、ヒロインたちが主人公の行動によってそれまでの立ち位置から少し踏み出す感じの内容にまとまっており、続刊へ上手く繋がっている。
謎としてはどれも小粒ですが、謎を仙波が解き明かし、主人公がそこから彼特有の行動を取ることで、謎の解決だけでなく相談内容の根っこにあるものの解決を目指すのが軽小説かつ学園モノに合致していて面白い。
動機絡みで各話ゲストの思春期というか人間臭い内面をカットせずに露わにされる部分も独特で面白く感じた。