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装丁を語る。
著者 鈴木成一 (著)
これまで手がけた約8000冊から120冊を厳選し、それぞれの本の個性を引き立てる「演出」方法を自ら解説。ブックデザインの第一人者による初の単著。「内容を厳密に、かつ抑制し...
装丁を語る。
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鈴木成一装丁を語る。
商品説明
これまで手がけた約8000冊から120冊を厳選し、それぞれの本の個性を引き立てる「演出」方法を自ら解説。
ブックデザインの第一人者による初の単著。
「内容を厳密に、かつ抑制して暗示する」それが鈴木成一の装丁だ。ときおりそれは、作家自身を驚かせる。
そんな装丁家は他に誰もいない。
――村上龍
目次
- はじめに
- 本の各部名称/本の形状名称
- 製本・印刷・加工の主な種類
- 1 タイトル文字で伝える。
- 2 イラストを使う。
- 3 読後の印象から発想する。
- 4 本の構造を利用する。
- 5 著者本人、または関係する品を出す。
- 6 本文中の素材で構成する。
- 7 モチーフを形にする。
著者紹介
鈴木成一 (著)
- 略歴
- 1962年北海道生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業。大学在学中から装丁の仕事を始め、鈴木成一デザイン室を設立。これまでに8000冊以上手がける。講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。
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紙の本
装幀家の皆さん、職業柄でしょう、文章もですが仕事の見せ方がとても上手です。しかも、親切丁寧。ミルキィ・イソベ本と並ぶ装幀虎の巻。必須の本ですが、読めば読むほど奥深さに圧倒されることも確かです・・・
2012/03/22 20:25
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
物理的な意味での本が好きです。見た目、触れた時の肌触り、重さ、本文紙のしなり具合、頁を繰るときの感じ、布の色合い、目の細かさ、汚れにくさ、変色のしにくさ、色合い、使われるフォント、余白の取り方、字間・行間の寸法、頁の振り方、目次のデザイン、小口の処理、挿絵の入れ方、まだまだあります。それらすべてを判断して、いい本だ、なんだといっているわけです。無論、書かれている内容も重要ですが・・・
で、長く本に親しんでいると、何となく馴染みというものが出来てきます。あ、またこの人だ、って思う。特に、その人の手になる本の出来がいいと、そう思うことが多いです。私のお気に入りの装丁家の名前をあげれば、菊地信義、平野甲賀、祖父江慎一、岩郷重力、大久保明子、野中深雪、坂川栄治、水戸部功、ミルキィ・イソベ、クラフトエヴィング商會あたりでしょうか。中には北見隆のように画家と言ったほうがいいような人もいます。そして鈴木成一。
鈴木の仕事は、白い本なら菊地信義、字で勝負するなら平野甲賀、鮮やかでポップなミルキィ・イソベ、上品な色使いが印象的なクラフトエヴィング商會というように成果品と名前がすぐに結びつくようなものではありません。少なくとも、私にはわからない。でも、本を手にして、いい装幀だなあ、だれが担当者だろう、奥付をみたりすると鈴木の仕事であることが多い。
で、とりあえず「ビール」、っていうノリで掲載された120冊から私が読んだことのある本で彼が装幀を担当し、気に入ったものをあげれば、奥田英朗『邪魔』『最悪』宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー』恩田陸『ドミノ』桜庭一樹『ファミリーポートレイト』『道徳という名の少年』『私の男』重松清『流星ワゴン』『疾走』村上龍『共生虫』『半島を出よ』角田光代『Presents』『極上掌篇小説』三浦しをん『むかしのはなし』桐野夏生『玉蘭』『ローズ・ガーデン』クライヴ・バーカー『アバラット』吾妻ひでお『失踪日記』森博嗣『スカイ・クロラ』豊島ミホ『ぽろぽろドール』などがあります。
この本で初めてカバー写真を見ていいなと思ったのは、矢崎葉子『タイ式』吉田修一『ひなた』川島蓉子『伊勢丹な人々』ミーヨン『いまここにいるよ』立川談志『談志最後の落語論』雨宮処凛『自殺のコスト』車谷長吉『愚か者』L・M・モンゴメリ『赤毛のアン』団鬼六『花と蛇』。いやまだまだあるし、結局、8割は好きなんだよなあ、って思いました。でも、いつもエラソーに装丁について書いているので、ベストを選ばないっていうのは問題だと思うわけで、無理やり選びます、順不同のベストテン(コメントつき)。
J.D.サリンジャー『ナイン・ストリーズ』:シンプルさがいい。
フリオ・リャマサーレス『黄色い雨』:ド・スタール、最高! この色。
桐野夏生『玉蘭』:写真の力。この色も文字もいい。
姜尚中『在日』:これまた著者のかっこよさ。
大迫閑歩『えんぴつで奥の細道』:これぞ装丁の力。形、色、機能、凄い!
伊井直行『愛と癒しと殺人に欠けた小説集』:箔押しと全体のバランス。
いしいしんじ ほか『極上掌篇小説』:ともかく美しい赤です。
和田ラヂヲ『和田ラヂヲの新世界』:安村さんの従兄弟、最高! っていうか変!
重松清『流星ワゴン』:小説も最高でした。
車谷長吉『愚か者』:装画を隠すために函をつける、っていう発想が好き。
次点
劇団ひとり『陰日向に咲く』:2004年に6歳だった鈴木の息子さんが2年後に書いたタイトル文字です。
三冊しか読んだものがない、というのはちょっと残念。
ろれはともかく、装丁家の仕事については、ミルキィ・イソベさんの本を読んだり、セミナーに参加してなんとなくわかったつもりになっていましたが、軽率な判断だったと反省しました。装丁家は自ら写真撮影をすることもあれば、アーチストの発見、息子さんに文字を書かせたり、デジタル処理もすれば、あまりにコストがかかるカバーにしたことを編集者に謝ったりと、デザインにからむことには全部絡むんです。タイヘンダー! そしてミルキィ・イソベの本でも書きましたが、鈴木も各本について
出版社、出版日、値段、写真家など関係アーチスト名、版型、製本の種別、素材(カバー、帯、表紙、見返し、はなぎれ、別丁扉)、その各々の印刷・加工
についてデータを提示しています。ともかくためになります。この本、ブックデザインは、いわずもがな、鈴木成一デザイン室。撮影は岩田和美。初出とは違いますが
*
本書は2008年12月に首都大学東京で行われた講演
「人を惹きつける本――鈴木成一、「装丁」を語る」を元に加筆し、再構成しました。
*
と書いてあります。最後は、もくじのコピーで〆ます。
はじめに
本の各部名称/本の形状名称
製本・印刷・加工の主な種類
1 タイトル文字で伝える。
2 イラストを使う。
3 読後の印象から発想する。
4 本の構造を利用する。
5 著者本人、または関係する品を出す。
6 本文中の素材で構成する。
7 モチーフを形にする。
8 アート作品を併せる。
9 あえて何も使用しない。
おわりに
紙の本
新たな見方で
2015/04/29 04:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る
有名所は殆ど鈴木成一さんの装丁で驚愕。
どういう意図で仕掛けられたデザインなのか本人による裏側を知ることでまた本への見方が変わってくる。