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アメリカの20世紀〈下〉1945年~2000年
著者 著:有賀夏紀
第二次世界大戦後、「パックス・アメリカーナ」は危機を迎える。ソ連との対立、ベトナム戦争の泥沼化でアメリカの国際的地位は著しく低下した。他方、国内では公民権運動、マイノリテ...
アメリカの20世紀〈下〉1945年~2000年
アメリカの20世紀〈下〉1945年~2000年
アメリカの20世紀 下 1945年〜2000年 (中公新書)
商品説明
第二次世界大戦後、「パックス・アメリカーナ」は危機を迎える。ソ連との対立、ベトナム戦争の泥沼化でアメリカの国際的地位は著しく低下した。他方、国内では公民権運動、マイノリティの地位向上や女性解放の運動、ベトナム反戦運動など、社会変革を求める動きが活発化する――。冷戦終結により唯一の超大国となったアメリカは、どこへ向かおうとするのか。国内外の新たな試練にさらされる二〇世紀後半を描く。
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紙の本
上巻同様、中公新書らしい手堅い一冊
2011/05/04 07:40
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者はアメリカ史が専門の埼玉大学教養学部教授。2002年刊。
19世紀末から第2次世界大戦終結までを記した『アメリカの20世紀〈上〉』は実に中公新書らしく、私の期待を全く裏切ることのない大変手堅い一冊でした。少し間があきましたが、下巻も手にしてみました。上巻同様、著者の簡にして明な筆運びに感じ入った次第です。
下巻が描くのは1950年代のアメリカの輝ける黄金時代から、価値観の相違が生む「文化戦争」に直面している20世紀末まで。時の大統領の名でいえば、アイゼンハワーからブッシュ(子)までの50有余年です。大統領の指導力の有無、そしてその政治的価値観が、いかに大きくアメリカ社会を動かしてきたかということも、あらためて強く感じさせる書です。
著者はあとがきに相当する頁に「『九月一一日』が示すアメリカ----結びにかえて----」という文章を記しています。
同時多発テロに際してブッシュ大統領が国民に告げたスピーチへの懐疑、対テロで結束したかに見える国民の間にも戦争への疑問を示す声が確かにあったこと、などなどが綴られています。本書の刊行が2002年10月と、テロから一年経つか経たないかの頃であったことを考えると、著者の健全で冷静な筆遣いには敬意を表したくなります。
上巻の書評でも記しましたが、高校生以上の読者で、アメリカの20世紀史を概観してみようと考える人にはうってつけの一冊だと思います。