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仮装人物
著者 徳田秋声 (著)
仮装舞踏会で被せられたサンタクロオスの仮面の髯がマッチを摺るとめらめら燃えあがる、象徴的な小説の冒頭。妻を亡くした、著者を思わせる初老の作家稲村庸三は、“自己陶酔に似た”...
商品説明
仮装舞踏会で被せられたサンタクロオスの仮面の髯がマッチを摺るとめらめら燃えあがる、象徴的な小説の冒頭。妻を亡くした、著者を思わせる初老の作家稲村庸三は、“自己陶酔に似た”多情な気質の女、梢葉子の出現に心惹かれ、そして執拗な情痴の世界へとのめり込んでゆく。冷やかに己れのその愛欲体験を凝視する“別の自分”の眼。私小説の極致を示した昭和の名作。第1回菊池寛賞。
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仮装人物
2023/10/14 19:38
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
解説の古井由吉が「老いらくの恋」と書いているが、まさにそんな感じで、作者である徳田秋声を思わせる人物と弟子である若い女性作家の恋愛が描かれている。結婚や互いの子どももいる生活などが影響して、次第ににっちもさっちもいかなくなり、文壇の大家としての体面など気にしない恋愛に突入していくのだが、それが段々冷めていく男と、生活のために誘いかける女性のすれ違いまで描かれている。